齋藤健の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(齋藤健君) 緑川議員の御質問にお答えいたします。
森林経営管理法案の位置づけについてのお尋ねがありました。
我が国の森林は、資源が充実し、主伐期を迎えつつあることから、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理を両立していく必要があります。
しかしながら、森林所有者の経営意欲が低下している中、所有者不明の森林の増加も相まって、今後、適切な森林整備が進まないことが懸念されているところであります。
このため、本法案におきましては、森林所有者みずから経営管理できない森林のうち、経済ベースに乗る森林については、林業経営者に集積、集約化するとともに、経済ベースに乗らない森林については、市町村が公的に管理するという仕組みを創設することとしております。
このような仕組みによりまして、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図ってまいります。
経済ベースに乗る民有林の規模、国有林の活用についてのお尋ねがありました。
経済ベースに乗る民有林の規模については、民有林のうち、本法案により集積、集約化を進めようとしている私有人工林約六百七十万ヘクタールについて、その三分の一の約二百二十万ヘクタールは既に経営管理されており、残り三分の二の約四百五十万ヘクタールが経営管理が不十分な状態となっております。
この経営管理が不十分な森林のうち、半分の約二百四十万ヘクタールが経済ベースに乗るものと推計しており、主にこれらの森林について、本法案によって、林業経営者に対する集積、集約化を進めてまいります。
また、国有林の活用については、森林の適切な経営管理のために経営管理実施権の設定を受ける林業経営者の役割が重要であることから、本法案においては、そのような林業経営者に対して国有林野事業の委託が行われるよう配慮することとしており、こうした支援等を通じて、林業経営者の育成、確保に努めてまいります。
意欲と能力のある林業経営者についてのお尋ねがありました。
経営管理実施権の設定を受ける民間事業者については、森林所有者及び林業従事者の所得向上につながる高い生産性や収益性を有するなど、効率的かつ安定的な林業経営を行うことができる者、主伐後の再造林を実施するなど林業生産活動を継続して行うことができる者を想定しております。
また、現在多くの林業経営者が規模拡大の意向を有しているにもかかわらず、事業地を確保することが困難なために、規模拡大が進んでおりません。
このため、本法案によって、経営意欲の低下した森林所有者の森林を意欲と能力のある林業経営者へ集積、集約化することで、事業規模の拡大を図ることが可能となり、事業の採算性向上が見込めることから、林業経営者は意欲を持って林業経営に取り組めるものと考えております。
森林組合の位置づけとその支援策についてのお尋ねがありました。
森林組合は、地域の森林の経営管理の主たる担い手として現在も大きな役割を果たしており、林業の成長産業化を進める上で重要な存在であると考えております。
本法案による新たな森林管理システムにおいては、森林組合は、経営管理実施権の設定を受ける意欲と能力のある林業経営者としての役割や、市町村がみずから経営管理する森林の施業を受託すること、さらには、市町村が行う意向調査等に協力、支援を行うことなどの役割が期待されているところでございます。
これらの役割が期待される森林組合に対し、今後、事業量の拡大、経営基盤の強化等に向けて、路網整備や高性能林業機械導入、主伐、再造林の一貫作業の推進、製材業者との直接的な取引など、川下との連携強化等の取組を支援していく考えであります。
林業経営者に対する監督についてのお尋ねがありました。
本法案において、市町村は、林業経営者から経営管理の実施状況等の報告を求めることができるとともに、林業経営者が適切な経営管理を行っていない場合には、経営管理実施権を取り消すことができるとしています。
また、これらの措置の適切な実施により、林業経営者による適切な経営管理が確保されるよう、農林水産省としても、都道府県と連携をして対応してまいります。
木材需要の掘り起こしについてのお尋ねがありました。
本法案により、意欲と能力のある林業経営者による木材の供給増が見込まれることから、林業の成長産業化には、木材の需要拡大などを進める必要があると考えております。
このため、公共建築物を始め、これまで余り木材が使われてこなかった中高層、中大規模、非住宅など新たな分野におけるCLTの活用促進も含めた建築物の木造化、内装木質化、木質バイオマスのエネルギー利用、付加価値の高い木材製品の輸出拡大、さらには、木のよさや価値を実感できる木材製品の情報発信や木育などの普及啓発等により、木材需要の掘り起こしに取り組んでまいります。
地域経済を支える取組の推進についてお尋ねがありました。
林業の成長産業化に向けては、地域の先進的な取組を支援していくことが重要であると認識しています。
このため、農林水産省としては、地域の森林資源の循環利用を通じ、地域の活性化を行うモデル的な取組や、森林資源をマテリアルやエネルギーとして地域内で利用する地域内エコシステムの構築などへの支援を行っております。
さらに、本法案によりまして、これまで活用されてこなかった森林を地域の林業経営者に集積、集約化することや、路網の整備、高性能林業機械の導入により、森林資源の効率的な利用を進めてまいります。
市町村の負担解消に向けた取組についてのお尋ねがありました。
市町村には、地域の森林の経営管理が円滑に行われるように主体的に取り組むことが求められるため、実施体制の整備が重要な課題と認識しております。
そのため、市町村が林業技術者を地域林政アドバイザーとして雇用する取組を推進するとともに、本法案においては、都道府県による市町村の事務の代替執行ができるなどの制度を導入しており、必要な体制整備に向けた取組を進めることとしております。
森林の土地の所有者届出に際して登記を促していくことについてお尋ねがありました。
木材価格の低迷などにより森林所有者の経営意欲が低下している中、所有者が不明な森林の増加により、森林整備が適切に行われないことが懸念されています。
このため、農林水産省としては、平成二十三年及び二十八年の森林法改正により、新たに森林の土地の所有者となった者の届出制度の創設、市町村が所有者情報等を一元的に取りまとめた林地台帳を作成する制度の創設を措置したところです。
所有者不明の森林の問題に対しては、このような措置に加え、登記制度が重要な論点であると考えております。
登記制度等については、本年一月に設置された所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議において、森林も含めた土地制度全般の問題として、政府全体の中で必要な検討を進めてまいる考えであります。(拍手)
—————————————