佐藤英道の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○佐藤英道君 公明党の佐藤英道です。
 私は、ただいま議題となりました森林経営管理法案について、公明党を代表し、質問をいたします。(拍手)
 さて、我が国は、森林率において国土の六八・五%を占め、実に二千五百万ヘクタールの森林を有する世界有数の森林国であります。
 戦後、高度経済成長期に植栽された杉やヒノキなどの人工林一千万ヘクタールは、毎年約八千万立米の森林資源を供給できる過去最大の主伐期を迎えており、我が国の森林整備の加速化は、今この時期を逃してはならないと思います。
 川下においても、合板などの用材やバイオマス燃料チップを始め、需要の増加に応じて、生産量、自給率ともに増加傾向にあります。
 また、輸出においても、昨年は前年比三七%増を示し、三十八年ぶりに三百億円を超えております。
 昨年末には、最大の木材輸入国である中国が杉やヒノキなどを構造材として利用できるよう法改正を行っており、今後、製材や合板の輸出にも力を入れることにより、さらなる追い風が期待できる状況であります。
 今、担い手の確保、人材の育成、森林所有者への利益配分の実現による森林・林業の発展に向け、国を挙げて積極果敢な攻めの林業への挑戦が求められていることを前提に、以下、質問をしてまいります。
 現在、実際に利用できている森林資源は、年々新たに増加するうちの約四割にとどまっており、さらなる有効活用が求められます。また、林野庁の調査では、市町村の約八割が、管内の人工林が手入れ不足であると回答をしており、さらに、経営管理への意欲が高いと考えられる森林所有者はわずか一六%にとどまるという現状でもございます。
 林業従事者の高齢化や担い手不足もあり、山が荒廃していく例は少なくないとの指摘もあります。相続未登記等により、全体の三割にも上る所有者不明山林の問題や、地籍調査の進捗にも課題がございます。
 以上のような状況を踏まえ、本法律案の果たし得る効果、提出の意義について、まず御見解を伺いたいと思います。
 さて、本法律案は、森林経営の管理については、第一義的に森林所有者がみずからの責務において実施することを定めていますが、森林所有者による適切な経営管理を実行できない場合には市町村が必要な措置を講じることとし、経営管理権の集積及び経営管理実施権の配分に係る計画作成などを行うことが求められております。
 これら極めて複雑な業務が求められることが想定されますが、その規模や財政力などにはかかわらず、該当する市町村には必要十分な体制の整備が求められ、かつ、担当職員等には森林・林業行政に関する専門性や一定の経験が求められることとなります。
 こうした市町村の体制整備や人材の確保、育成については、市町村に主体性を持って取り組んでもらえるよう、制度的インセンティブも含め、国や都道府県等から十分な支援を講じていくことが必要と考えます。
 まず、国としてどのような支援を行うのか、大臣の見解を伺いたいと思います。
 次に、経営管理実施権の設定を受ける民間事業者について、その該当性と選定の仕組みについてお伺いいたします。
 経営管理実施権の配分を受ける者については、効率的な施業を行うとともに、持続的に事業を行うことができる意欲と能力のある者が望ましいのは言うまでもありません。しかし、その該当性について、十分な意欲が認められたとしても、間伐や主伐、造林、保育といった広範な取組が単独では十分に行えない事業者もあると考えます。
 事業者の複数が共同で応募し施業を実施するケースを認めるなど、柔軟な経営管理実施権の設定を実現し、地域の実情や雇用に十分配慮した事業者選定が必要と考えますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
 一方、林業経営者は、市町村域を越えて活動する人も多く、実際の森林の多くが市町村域をまたいで存在することを考えれば、個々の市町村だけでの対応は、現実的には負担も大きく、財政面や体力的にも困難なケースも少なくないと考えます。
 こうしたことを踏まえ、単独の市町村での対応に加え、複数自治体での取組や、都道府県の能力を生かした業務分担も必要と考えます。
 また、本法律案では、民間事業者の募集や公表においては都道府県が実施することとしておりますが、そうした場合においても、経営管理権を有する市町村の意向に最大限の配慮を欠いてはならないと考えます。
 都道府県による業務の分担や、その市町村への配慮、さらに複数の市町村の共同による事業の推進について、大臣の見解を伺います。
 また、本法律案による新しい森林管理システムの成否を分けるのは、何といっても、担い手の確保、育成によるところが大きいと言わざるを得ません。
 この担い手対策については、平成十五年より強力に推進してきた緑の雇用事業が大きな成果を上げてきております。
 国内の全産業が、三十五歳未満の労働者の割合を示す若年者率で年々低下の傾向を示し、六十五歳以上の高齢化率が毎年上がり続ける中、林業においては、一九九〇年に六%までに落ち込んだ若年者率を大幅に改善、高齢化率では、二〇〇〇年の三〇%をピークとして、これまでに着実に減少傾向を維持しているのであります。
 しかし、林業従事者数自体は既に五万人を下回り、担い手問題は決して楽観できる状況ではありません。
 今後、緑の雇用事業についてより一層の充実を図り、労働安全環境の抜本的な改善や生産性向上のための機械化の促進などを目に見える形で大きく前に進めていく必要があります。
 森林国日本を支える担い手となる意欲と能力のある林業経営者、林業従事者の確保、育成について今後どのように進めていかれるのか、大臣の見解を伺います。
 最後に、森林は、土壌保全による湛水機能と相まって、水害や土砂災害を防止し、土地の劣化や干ばつ、砂漠化をも防ぎます。保水と気温調整の機能も持ち、気候変動を抑制し、陸域の生物の八割に生息と生育の場を与え、陸上最も豊かな生態系と生物多様性を維持しています。森の豊かさは、水源涵養、食料、燃料、木材の供給にとどまらず、海や川の豊かさを生み出し、何よりも、生命にとって不可欠な酸素をつくり出しております。
 世界じゅうの森林が、十七世紀以降、驚くほどの速度で消滅していく中、我が国が森林国であるという事実は、まことに誇るべきことであると思います。
 この日本の森林の豊かさを守る上で、主務大臣たる農林水産大臣の御決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣齋藤健君登壇〕

発言情報

speech_id: 119605254X01320180329_021

発言者: 佐藤英道

speaker_id: 5469

日付: 2018-03-29

院: 衆議院

会議名: 本会議