池田真紀の発言 (本会議)

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○池田真紀君 中谷一馬議員より、水準均衡方式の見直しについてお尋ねがありました。
 社会保障審議会生活保護基準部会の委員からも、現行制度の検証方式には限界が来ている、大幅に見直さなければいけないという議論がたくさんあったなど、現行方式についての疑問が呈されています。生活保護基準の決め方、引下げによって低所得世帯の暮らしがどう変わったかは大変重要なポイントであり、これらについて、前回も、そして前々回も報告で指摘をされていたにもかかわらず、この五年間、何も行われず、前に進まず、同じ方式が使われていることには、大きな問題だと考えております。
 今回の見直し後の生活保護基準は、本当に憲法で保障された健康で文化的な最低限度の生活を営むのに足るものなのか、極めて疑わしいと言わざるを得ません。
 そこで、本法案では、平成二十九年に行われた生活保護基準の検証の際に用いられた手法による基準の改定によっては、要保護者の最低生活の需要を満たすに十分なものでなくなることが懸念されていることに鑑み、法律の公布後一年以内に、生活保護基準の改定方法等のあり方を見直し、生活保護基準の改定等の必要な措置を講ずるとし、この措置が講ぜられるまでの間、現行の基準に比して要保護者に不利な内容の基準は定めてはならないとしております。
 そして、この基準を決める際の相対的貧困率でございますけれども、総務省の調査によりますと、中央値が下がっております。平成二十六年でもこれまでになく下がっておるというのが、相対的貧困率の実態でございます。
 また、子供の貧困率でいいましても、総務省の調査によりますと、子供の相対的貧困率の推移は過去で最低になっております。そして、世界で比較をしても、OECD三十四カ国のうち三十三番目という大変低い数値であります。
 このような話の中で、貧困家庭の七割が大変厳しいというアンケート調査があったという発言がございました。それに対して、国会の中で首相は、そんなことはないということで、貧困悪化を否定しております。
 しかし、可処分所得の中央値が下がっているという状況の中で、貧困は確実に悪化していると思います。もしそうでないのであれば、そのデータをもう一度見返す必要がある。そして、今の生活保護受給世帯、あるいはそれよりも低い生活困窮者の方々の実態を調査すべきだと考えています。
 日本学生支援機構の奨学金の返済者のうち、この中で、返済ができなくなった、自己破産を行った人たちというものが、この間、過去最高になっています。さらには、貯蓄ゼロ世帯も過去最高になっており、単身世帯では半数近くになっている。これでこの国の、日本が本当に豊かになってきたと言えるのでしょうか。
 消費実態が下がる中で、この基準値に合わせて基準改定を行うということではなくて、きちっとした、基準を見直すということを今回の法案で提起をさせていただいております。
 そして、二つ目になりますが、児童扶養手当の毎月の支払いについてお尋ねがありました。
 これは、御指摘のとおり、毎月支払いにすることによって、毎月の決まった支出に備えるということができます。月ごとに大きな収入の波のある一人親家庭の家計の安定を図ることができると考えています。これは、関係団体、子どもの貧困対策センターからも要望があるところでございます。本来であれば、これらを把握している行政がしっかりと把握をしなければならない課題でもございます。
 また、生活保護に限って言えば、毎月の支払いにすることによって、生活保護受給者の所得あるいは保護費といったものが一定になります。これは、現場の中でも、返還が出たり、過払いが出たり、それは負担が当事者にかかっていく、自治体によっても負担がかかっていく、こういうことからも、毎月払いにすることを提起しております。
 そして、問い三番でございますが、世帯分離についての運用改善についてお尋ねがございました。
 実際に、生活保護世帯の子供の大学進学率では、答弁がありましたとおり、全世帯の七三・二%の半分以下です。このような実態を踏まえて、関係団体の子どもの貧困対策センターあすのばからは、貧困の連鎖を断ち切るためには、大学、専門学校への進学における世帯分離を廃止し、生活保護を受けていても進学できる制度にしてほしいという要望を受けております。
 大学進学率が七割を超えている状況、民間のほかの調査によると、八割を超えるというデータもございます。こういう状況下であれば、高校の授業料を対象とする生業扶助を創設したときと同様の時代背景があると考えています。新たな扶助費を創設しないのであれば、せめて世帯分離をせずに、大学等に進学できるように環境を整備することが必要と考えております。
 そこで、本法案では、要保護者の世帯の自立の助長を図るため、世帯単位の原則に係る規定の運用に当たっては、要保護者の世帯に属する子供たちが世帯を単位とする保護を受けつつ大学に通うことのできるよう配慮しなければならないとし、世帯分離の運用改善を図っています。
 そもそも、世帯分離を始めとする生活保護法の運用については、さまざまな問題があります。
 昭和三十八年の運用通知には、世帯分離要件は、保護を継続中にも常に満たさなければならない、世帯分離要件を満たしているかどうかについて、少なくとも年に一回は検討を行う必要があるとされています。しかし、このような検討の前提となる世帯分離の件数について、あるいはその方々の収支報告、今の政府は把握をしておりません。
 直近でも、昨日のニュースにございますけれども、この運用の問題でいえば、生活保護相談で来られている方々の、妊娠すれば直ちに保護を廃止する可能性があるというような誤った運用、給付型奨学金でさえ収入認定をしている、こういうような実態も明らかになっています。
 そのような法の運用の過ちを防ぐためにも、必要なことであるのであれば世帯分離を行わないということが今回の中身になっております。
 また、医療扶助におけるジェネリック医薬品の使用の原則化も問題です。一般の患者に対するジェネリック医薬品の使用の原則化は行われていない中で、医療扶助に限って原則化する合理性や必要はないと考えております。
 このように、生活保護法の運用等にはさまざまな問題があり、生活保護基準とその運用のいずれも根本から見直す必要があると考えています。今般の閣法のように、生活困窮者自立支援法改正案と生活保護法改正案を束ねて一括で審議すること自体が無理があり、個別に時間をかけて慎重に検討する必要があるというふうに考えております。
 以上になります。ありがとうございました。(拍手)
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発言情報

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発言者: 池田真紀

speaker_id: 6325

日付: 2018-03-30

院: 衆議院

会議名: 本会議