岡本充功の発言 (本会議)

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○岡本充功君 希望の党の岡本充功です。
 ただいま議題となりました内閣提出、生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案及び池田真紀君外九名提出の生活保護法等の一部を改正する法律案について、希望の党・無所属クラブを代表して質問いたします。(拍手)
 冒頭、答弁が不十分であれば再質問させていただくことを申し述べさせていただきます。
 まず、国民の皆様の大変関心事でもあります、今月二十七日に行われた佐川氏の証人喚問に関して、総理は、政府として一貫してコメントは述べないと発言をされましたが、昨年三月に行われた籠池氏に対する証人喚問については、真相が解明されず大変残念とか、事実と反することが述べられたことは大変遺憾とコメントをしているわけであります。
 改めてお聞きします。
 佐川氏の証人喚問に対する総理の感想をお話しください。コメントができないのであれば、昨年は意見を述べながら、ことしは述べない理由をお話しください。
 安倍総理は、国会答弁に関して、これまで今井秘書官から答弁や政策などの背景の説明を受けた、また、他の者の答弁との整合性を図る、若しくは政治的決定をするために協議したことはあるのか。
 また、今井秘書官は、秘書官就任以来、財務省の職員から国会答弁について説明を受けたり協議をしたことはあったのでしょうか。
 さらに、安倍昭恵氏は、第二次安倍内閣発足以降に財務省職員とメールや電話などで連絡をするなど接触することはあったのでしょうか。お尋ねいたします。あったとすれば、森友学園や籠池夫妻に関する話をしたことがあるのか、お尋ねをいたします。
 さて、第二次安倍政権誕生以来の経済政策は、貧困層にどういう影響を及ぼしているのでしょうか。
 相対的貧困率が昨年六月に公表され、その改善をもって総理はアベノミクスの成果と喧伝されていますが、そもそも、全人口の世帯所得から算出される等価可処分所得が、物価を考慮した実質値で下がり続けています。実質値の等価可処分所得が下がった結果、これ以下が相対的貧困とされるライン、いわゆる貧困線が下がり、結果として、これまで貧困とされていた方が、年収はふえていないにもかかわらず、貧困から脱したとされる人が出てきただけではないでしょうか。
 この考察を補強するデータもあります。
 国民生活基礎調査によれば、子育て世帯の有業人員一人当たりの勤労収入の実質値は、二〇一二年と二〇一五年で比較をすると約五万円下がっています。失業率や有効求人倍率の改善もアベノミクスの成果とされていますが、低賃金での有業者数がふえているだけなのかもしれません。総理の見解を求めます。
 ことしの春闘で安倍総理は賃金上昇を経済界に要請されましたが、貧困層は大手企業の賃上げで所得がふえるわけではありません。こうした貧困世帯の可処分所得の増加が、今後、いつどのようにしてもたらされるのか。まさかトリクルダウン理論ではないとは思いますが、その過程を説明願います。
 一方、池田真紀君外九名提出の生活保護法の一部を改正する法律案は、通称子供の生活底上げ法案と呼んでいます。そもそも、子供の生活を底上げしなければならない立法事実は何であるのか、提出者に答弁を求めます。
 生活保護についてお尋ねします。
 そもそも、生活保護の基準の算出に用いられる年収階級第一・十分位のデータはどのようにして集められているのでしょうか。本当に苦しい生活をしていて調査にも応じられない世帯はないと言えるのでしょうか。厚労大臣にお尋ねします。
 ことしの秋から生活保護費が引き下げられます。生活保護基準の見直しによって直接影響を受け得る国の制度は何項目ありますか。また、それらの制度の利用者にできる限りその影響が及ばないように対応する方針であるとのことですが、ここで言う、できる限りその影響が及ばないとはどのような対応なのか、具体的に総理にお答えをいただきたい。
 また、個人住民税の非課税限度額を参照している医療保険等の自己負担限度額の軽減など、間接的な影響も考えられます。今回の生活保護基準の見直しが間接的に影響を与える制度は何項目あり、平成三十一年度以降の税制改正において影響が出ないようにする方針なのか、総理に答弁を求めます。
 加えて、地方単独事業は何項目が生活保護基準の見直しにより影響を受け得るのか、総理に答弁を求めます。
 これらの事業に対して、国はどのような方針で地方に要請をしていくのでしょうか。まさか、その趣旨を理解した上で各自治体において御判断いただくよう依頼するなどと、地方任せにはしないでしょうね。もし地方任せだとすると、後ほど指摘をする準要保護者への就学支援事業などにばらつきが出ることも予想されます。住むところによって、満足に義務教育を受けられない子供が出ることは許されません。総理から明確な対応方針について説明を願います。
 こうして見ると、生活保護基準の減額は、現在生活保護を受給していない人にも影響を及ぼします。さらなる生活困窮者が出てくるのではないかと考えますが、総理の見解を求めます。
 年収階級第一・十分位による丈比べで基準額を決め、基準額の減額をする。その結果は、先ほど述べたように、さまざまな制度への影響から、さらなる貧困層を生み出す。貧困層がふえれば、保護基準が下がり、また第一・十分位が下がるという負のスパイラルが発生し、結果として保護基準の切下げが続くことになるのではないかと考えます。新たな手法で生活保護基準の作成を検討するべき時期だと考えますが、総理の見解を求めます。
 また、生活保護基準を下回り、本来は生活保護を受給することができる方が、生活保護を受給していない事実もあるのではないかと考えます。総理は、なぜ生活保護を受給できるのにしない人がいるのだとお考えですか。こうした実態を調査し、その理由を考察することが制度改正につながると私は考えます。こうした調査の必要性について、総理の見解を求めます。
 加えて、気になるのが物価です。安倍政権は物価上昇目標を二%に定めています。この目標が毎年達成されたならば、五年に一回の生活扶助の見直しを行うと、次の見直しまでに生活扶助費は実質一割以上下がることになります。平成二十六年四月の消費税増税時には、生活保護費を二・九%引き上げました。安倍政権の目標の物価上昇が達成された場合には、生活扶助部分を含む生活保護基準は見直すのか、厚労大臣に見解を求めます。
 さて、こうして見てきた生活保護基準ですが、一方で、生活保護からの離脱、いわゆる廃止に至る道のりは長くなっています。廃止に至る理由の第一、これは死亡、第二位はその他となっています。そして、第三位が働きによる収入の増加です。四分の一以上を占めるその他が多いのが気になります。その他とはどんな理由が含まれるのか、厚労大臣に、入り得る理由、幾つか例示をしていただきたい。その他の内訳をしっかり調べ、生活保護廃止に至るヒントを得ることが必要と考えます。その他には何が当たるのか、事実と、そしてその他の内訳を調査することについて、厚労大臣の見解を求めます。
 さて、生活保護世帯が生活保護廃止により生活を営むと幾らぐらいの費用がかかるのか、試算を厚生労働省にお願いをしています。平均的な医療費がかかる中、通院をする四十代の夫、三十代の妻、そして小学校低学年と保育園に通う二人の子供がいる四人世帯が東京二十三区で生活保護を受けながら生活をしている場合、この生活保護で受ける現金、現物給付に相当する賃金を得るために、ボーナスなしの年俸制の会社員だとすると、一体幾らの額面での年収が必要となるのか。つまりは、幾ら以上稼げば生活保護より豊かな生活ができるのか、厚労大臣に答弁を求めます。
 子供の貧困は深刻です。義務教育といえどもかなりの費用がかかります。平成二十八年度、文部科学省の実施した子供の学習費調査報告によれば、公立小学校の学校教育費の平均は年間六万円、学校給食費は約四万四千円、ランドセルが影響しているのでしょうか、一年生の通学用品費は約五万円もかかっています。中学生は、塾などの学校外での活動費も入れれば、年平均四十八万円です。
 こうした費用を支援する就学援助は、就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者には必要な制度です。この制度は保護者みずからの申告が必要とされているようですが、周知徹底ができていないのではないでしょうか。担任からの情報なども含めて、該当する対象者に丁寧な説明ができるようにするべきです。文科大臣の見解と対応を求めます。
 あわせて、高等学校等奨学給付金についても同様に、周知と漏れのない対象者への説明をするべきと考えますが、答弁を求めます。
 今回議員立法で提出された、いわゆる子供の生活底上げ法案で提案された児童扶養手当などの支給対象の拡大は高校卒業後の支援につながると考えますが、その必要性と効果をどのように考えたのか、提出者に答弁を求めます。
 また、児童扶養手当について、支給額の増額を提案されています。この必要性と想定される効果についても提出者に答弁を求めます。
 児童養護施設等への入所措置を受けていた者に対して生活や就労を支援する社会的養護自立支援事業は、まだ実施率は低いようです。特に就労相談支援事業は、児童養護施設設置自治体、全国六十九自治体のうち、幾つの自治体が実施をしているのか。また、コーディネーターを配置している自治体は同じく幾つであるのか、厚労大臣に答弁を求めます。
 また、低くなっている理由、そして今後の対策、さらには、いつまでに全ての自治体で実施されるようになるのか、その見通しも答弁を求めます。
 二〇〇六年に貧困のない世界を目指す取組でノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏は、暴力の根源には貧困があると訴えています。広がる格差は疎外感を生み、そこにテロや暴力主義が入り込むすき間をつくってしまう。貧困は根本的な問題で、目を背けることは許されないとも訴えています。
 そんな中で彼が注目するのが、企業のソーシャルビジネスです。企業が本業を通じて利潤を上げると同時に、貧困など社会の課題解決に取り組むビジネスのことです。貧困家庭が求める商品やサービスについて専門的な知見のある企業が支援に乗り出すことは、最初は負担ですが、やがて、企業イメージのアップなどを通じて、その投資は回収できるものになるでしょう。また、国の支援とは違った視点での支援も可能となるでしょう。
 安倍総理も、春闘の賃上げだけでなく、こうした要請をぜひ経済団体にお願いをしていただけないかについてお答えを求め、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

発言情報

speech_id: 119605254X01420180330_017

発言者: 岡本充功

speaker_id: 25675

日付: 2018-03-30

院: 衆議院

会議名: 本会議