柚木道義の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○柚木道義君(続) 冒涜ですよ。あなたたちは、ではどこまで過労死家族会の声を聞かれたんですか。
過労死家族会の皆さんのその思いを、文書まで改ざんをして厚生労働委員会に提出をしました。これらは全て、安倍総理がこの国会を働き方改革国会と銘打ったため、何としても働き方法案を通すことを、厚生労働省の現場はもとより、加藤大臣、さらには、今般、高鳥厚生労働委員長までもが安倍総理をそんたくして、今般新たに、不適切データが全体の二割、二千五百件にも及ぶ大量の労働時間調査データの削減問題も、原因の究明、説明の責任も果たさないままに強行採決を企図した疑念が強まり、これだけでも重大な解任の理由となり得ます。
加えて、委員長解任決議案提出への理由の一つは、まさに昨日の厚生労働委員会での強行採決を企図した目的の疑念にあります。
あたかも、安倍政権与党において、モリカケ問題の新たな疑惑、イラク自衛隊日報隠蔽問題の調査の公表、そして働き方法案の強行採決と、仮に一日のうちにこの疑惑の一括セット公表と強行採決が行われれば、一つ一つの国民への悪印象を薄めて、一日でまとめて終わらせて、その後、安倍総理は外遊に旅立たれ、国民の皆様が忘れるのを期待する。
実際に、昨晩の報道は、日大監督、コーチの会見に隠れ、一つ一つの報道は小さな扱いとなり、まんまと印象操作は成功したかのように見えますが、そのような国民を欺くようなやり方を主導したとの疑念、このまさに疑念を持たざるを得ない厚生労働委員長の責任は極めて重大で、まさに委員長解任に値するものと言わざるを得ません。
第一に、今国会、衆議院厚生労働委員会での高鳥委員長の委員会運営の問題について、以下、申し上げます。
高鳥委員長のもとで、委員長職権での委員会立てなどは、何と十二回にも上ります。さらに、野党が出席をできない状況で、政府・与党で審議を強行する空回しも、合計十七時間二十三分にも及んでいます。
委員会運営の問題については、厚生労働委員会から政府に対する資料要求にしても、積み残しが残り、昨日段階で、まず、裁量労働制データ作成の経緯。次に、労働時間の精査結果の統計的な検証結果。三点目、労災認定に当たり、労働時間の把握が困難だった事例の類型。四点目、夜間勤務の健康への影響についての資料。五点目、大臣との面会における過労死家族会の主な概要、これは隠蔽、改ざんされたものが出てきています。そして、五月二十三日、昨日の理事会提出資料を労政審へ差し戻す。さらには、労働時間等実態調査の精査結果の異常値を改めて精査。以上、七つもの事項が積み残しになっています。
さらに、私たち野党が要求している次の項目についても、高鳥委員長は、残念ながら、いまだに対応されていません。
一つ、昨年十月に、東京労働局が野村不動産の労災認定を行い、方針を固めたことに関連する黒塗りの資料について、一部でもマスキングを外せないか。二、厚労省が五月二十一日に提出した労働時間調査の精査結果について、異常値があるのではないか。三、労働時間調査について、委員会で指摘した十件に加えて、更に不適切なデータがあるのではないか。
このように、厚生労働委員会での資料要求や野党要求がたなざらしになっていること、これはまさに高鳥委員長の重大な責任でございます。
更に指摘すべきなのは、厚生労働委員会での仕切りです。
今国会で加藤厚生労働大臣は、わざとすれ違い答弁を繰り返して、答弁するふりをしながら、肝心なことには答えないという姿勢を繰り返しました。高鳥委員長は、これを本来ならば、ただして、改めさせて、答えさせるべきところを、見過ごして、すれ違い答弁を放置したまま審議を続けることが多数ありました。
高鳥委員長は、このように加藤大臣が繰り返すすれ違い答弁を放置し、質問をはぐらかす加藤大臣の答弁を結果的に容認、黙認しています。委員長として、質問者の質問に対して誠実に答えない大臣答弁があった場合には、これをやめさせて、質問に対して正面から答弁させるように指導していくのは当然のことであります。
また、高鳥委員長の委員会設営の問題点の第二は、さまざまなデータへの対応が不十分な点です。
まず、働き方改革法案の審議は四月から始まりましたが、ことしの二月、働き方改革法案の議論のもとになった裁量労働データについて疑わしい点が多数明らかになったため、このデータを調べた監督官の調査手法について調べると厚労省は約束をしておりました。しかし、法案審議に入ってもその回答がまだ出されておりませんし、不十分なままの回答でございまして、高鳥委員長は、法案審議入りの条件として、厚労省に調査手法についての確認を行うように働きかけて当然のところですが、残念ながら、委員長にはその努力が見えません。
また、働き方改革法案の審議では、裁量労働制の労働者の方がそれ以外の通常の労働者の労働時間よりも短いというおかしな結果が示されるなど、この調査に多くの問題があることが明らかになり、これも原因として、法案から裁量労働制を拡大させる条項が削除されました。
さらに、厚労省もこのデータについてみずから再調査をして、先ほど申し上げた約二割ものデータを削除する。統計の信頼性、妥当性にも大きな疑義が生ずる前代未聞のことが起こりました。
法案審議は、正しいデータ、正しいエビデンスに基づいて議論しなければなりません。法案のもとになるデータが誤っているなら、前提がひっくり返るのですから、法案審議は労政審から当然やり直さなければなりません。
言うまでもありませんが、委員会で正しいデータに基づいた議論を進めるようにするのが、議会の議論を交通整理する委員長の役割ではないでしょうか。
第三に、野村不動産で裁量労働制の対象となっていた従業員の過労自死と東京労働局による特別指導に関する加藤厚生労働大臣のミスリードも放置したままです。
野村不動産で裁量労働制が違法に適用されていたことが明らかになり、昨年十二月、東京労働局が前例なき特別指導に入りました。加藤厚労大臣は、野村不動産について、しっかり監督指導を行っているところでありますと、あたかも成功事例かのように答弁をされました。ところが、特別指導を公表した十二月二十六日その日に、野村不動産の過労死認定もされていました。
つまりは、長年、東京労働局は野村不動産の裁量労働の違法を放置して、過労死が見つかって初めて特別指導したのです。加藤大臣は、過労死が起きてから初めて裁量労働の違法を取り締まったのに、それを隠して、しっかり監督指導を行っていると答弁していたのです。
高鳥委員長は、野村不動産の裁量労働制の違法適用、過労死、特別指導についての加藤大臣のミスリードを放置したまま、東京労働局と厚生労働省の問題追及にむしろブレーキをかけたと言っても過言ではありません。委員長として不適格だと言わざるを得ません。
第四に、高度プロフェッショナル制度についてのエビデンスなき厚生労働省の議論を黙認していることも大問題です。
私自身も、また、多数の野党委員の皆さん、場合によっては与党の方からも質問がありました。多くの野党の議員が、法案から高度プロフェッショナル制度を削除するように求めました。
ちなみに、この高度プロフェッショナル制度は、高度な専門性を持つ専門家などに、時間で縛らず自由に働けるという大義のもと、労働時間の規制を外し、休日や深夜の時間外労働の残業代をゼロにして、定額働かせ放題ができる制度です。
しかし、例えば、四週間で最初の四日間さえ休ませれば、あとの二十四日間は休日も時間制限もないわけですから、二十四時間ずっと働かせるという究極の定額働かせ放題という、とんでもない制度であることが法案審議の中でも明らかになりました。裁量労働制以上に労働時間規制から外れ、働かせる側にとって都合のいいことずくめですが、この対象になった労働者からは過労死が続出しかねません。
高鳥委員長は、労働者の命にかかわる高度プロフェッショナル制度の導入についても、厚生労働省の非常に不十分なエビデンス、情報開示をもってよしとしています。最重要の論点であるにもかかわらず、高鳥委員長の政府、厚生労働省寄りの偏った姿勢は、まさに委員長としては不適格だと言わざるを得ません。
安倍総理は、本日から二十七日日曜日まで、ロシアなど海外出張に行かれるとお聞きをしておりますが、昨日、厚生労働委員会では、安倍総理出席の質疑後の質疑について、高鳥委員長は、委員長職権で開会を強行、決めるなど、野党側に対して強行採決を想起させるような運営を行ったことは、重大な瑕疵と言わなければなりません。私自身も、用意していた質問項目を一つ一つ丁寧に質疑、確認していくことも困難な状況に陥り、他の委員の皆さんも同様な状況に陥りました。
その中でも、全国過労死を考える家族の会、きょうもおいででございます。その家族の会の皆さんは、一昨日の参考人質疑の中で、代表の寺西笑子さん始め五人の方が、自分たちが愛する家族を過労死で失い、地獄の苦しみを味わうのは私たちだけでたくさんです、過労死防止のために、私たちは残りの人生の全てをかけて活動しておりますという趣旨の面会要請を安倍総理にお出しをしていました。
一週間もたなざらし、放置をしたあげくに、安倍総理からの御答弁は、所管の厚生労働大臣が受けるとあっけない一言で、あくまでも、過労死家族の会の、ぜひとも私たちの声を直接お聞きいただきたく、面会を切にお願い申し上げますという、本当に悲鳴にも似た叫び、面会要請を拒絶されました。
家族会の皆様は、この間、毎回の委員会質疑を傍聴され、一昨日、昨日と、官邸前に、そうでなくともすぐれない体調を押して、座込みを、演説を行い、その間の安倍総理、先週の金曜日の夜には、この面会要請を直接報告を受けておられます。その後の首相動静を見れば、私が見た限りでは、安倍総理がお会いできるタイミング、チャンスは何度かあったと思います。
おまけに、昨日は、加計学園理事長とこれまで十九回の面会、三年前にも、十五分面会して、そういう新しい獣医大学の考えはいいねとコメントした、愛媛県文書で明らかになった問題も大きな論点となったわけですが、加計理事長とは十九回、あるいは短時間でも面会はできても、過労死家族会の皆様とは面会拒絶とは、余りにも冷たい姿勢ではないでしょうか。
安倍総理出席の質疑の傍聴に直接足を運べば、総理出席質疑の後に、ほんのわずかでも、ほんの少しでも面会できるかもしれないとの一縷の望みにかけて、昨日も総理の答弁を固唾をのんで聞いておられた過労死家族会の皆様の落胆の様子が質疑席から見てもわかるほど、本当に気の毒な御様子でございました。
これについても、本来、高鳥委員長は、この議論を仲裁して、安倍総理と過労死家族会の皆様との面会を仲介し、理事会室を提供するなど、面会の仲介を果たすぐらいのことが望まれる場面でありました。実際に、委員から、委員長からのお許しがあれば、理事会室をお借りして短時間でも面会していただきたいと、切なる要請が質疑でもあったわけであります。
委員長としては、両者が合意すれば理事会室での面会をあっせんすることが求められる場面でもあったわけですが、残念ながら、高鳥委員長はこうした調整力を発揮されることもなく、安倍総理は過労死家族会の皆様と面会することもなく、外遊へ向かってしまわれることになりました。
安倍政権与党は、高度プロフェッショナル制度の事後撤回を可能とするという法案修正を出してまいりましたが、残念ながら、これには何ら実効性を伴いません。対象範囲も、このままでは、ともすれば法案の強行採決の後に、法律が施行された後になって省令で決めることになります。
現実的には、自分の裁量で仕事の量、仕事の内容を選べる人などは、極めて限られた方しかおられません。会社に同意を求められたら断れない、断ったら不利益変更され、場合によっては職まで失ってしまう。私たちは、そうした状況に追い込まれ、おまけに心身ともに健康を害し、命まで失ってしまわれた方々、その御家族のお話を、これまで多くの方々からお聞きしてまいりました。
安倍総理は、あるいは政権与党の皆さんは、そうした方々の悲痛な叫び声に、声なき声に、これまでどれだけ向き合ってこられたのでしょうか。
一昨日、厚生労働委員会の参考人意見陳述において、愛する家族を失い、そのことで、生涯、なぜとめられなかったのか、命を失うぐらいだったらなぜ仕事をやめることが、やめさせることができなかったのかと自身を責め続けながら、同じ苦しみ、悲しみを二度と味わってもらいたくないと、全国過労死家族会の寺西代表を始め、出席された五人の方々はこうも述べておられます。
裁量労働制あるいは高度プロフェッショナル制度、これは実際に家族を失った私たちでなければわからない。高度プロフェッショナル制度を事後で断れるとか、全く違う。アリの一穴になるのは過去の経緯からも明らか。過労死なのに自己責任、勝手に働いて勝手に死んだ、労働時間管理もなくなる、だから過労死しても過労死認定すらされなくなる。したがって、制度上の過労死はなくなって、実際の過労死はどんどんふえてしまう。おまけに泣き寝入りをして路頭に迷う家族がふえる。家族の中には幼い子供たちも出ます、つまり遺児もふえてしまいます。たとえ労災が認められても、死んだ人は決して、二度と帰ってこない。
安倍総理は、本会議で、生活困窮者支援法審議の際に、この場で、御自身はお金に困ったことはないと率直に述べられました。それならば、せめて、家族が突然過労死をしてしまって、路頭に迷う、お金に困ってしまう人が出るかもしれないこの法律を強行する、そんなことをやめていただきたい。困ってしまわれている方、困ってしまわれる方への共感力や想像力をお示しいただきたい。
そして、政権与党の皆さん、このような、本当に過労死で、過労自殺で、突然、突如に家族を失ってしまった方々が大反対をしている過労死合法化法案の強行採決をしないでいただきたいと遺族会の方はおっしゃっています。
実は、四年前の昨日は……(発言する者あり)実は、四年前の昨日、高鳥厚生労働委員長への解任決議案を提出した昨日は、過労死家族会の寺西代表を始め、家族会の皆様は喜びの涙に暮れた日でありました。それは、過労死防止法が与野党全会派賛成で、まさに昨日、安倍総理が出席をされた衆議院厚生労働委員会で可決した日でありました。よもや四年後の同じ日に、それと真逆の法案の強行に反対するために同じ場に来ようとは夢にも思わなかったと御遺族の皆さんはおっしゃっています。
安倍総理からは遺族会の皆さんの心の底からの面会要請を拒絶され、過労死家族会の皆さんが委員会室の外に出ると、雨が降っておりました。それでも家族会の皆様は、一昨日に続いて昨日も、涙雨の中、安倍総理への面会を求めて、体調を崩されておられる方もおられる中で、総理官邸前で……(発言する者あり)過労死の御遺族の方におっしゃったらどうですか、杉田さん。遺族会の方に言われたらどうですか。