山井和則の発言 (本会議)
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○山井和則君 私は、国民民主党・無所属クラブを代表して、高鳥修一厚生労働委員長に対する解任決議案に賛成の立場から討論をいたします。(拍手)
高鳥委員長は、生活困窮者自立支援法改正案を野党欠席のまま採決したばかりか、働き方改革法案の審議まで強行いたしました。高鳥委員長が、今国会での職権での委員会立てなどは、十二回に上ります。
働き方法案の目玉である高度プロフェッショナル制度など、重大な問題点を含む働き方法案の審議を強引に進め、強行採決しようとした高鳥委員長は、不適格です。立法府の一員であり、国会の役員の一人である常任委員長でありながら、過労死をふやす危険きわまりない法案を行政府の下請として強行採決させるような高鳥委員長は、解任すべきです。
以下、その理由を申し上げます。
私は、この数年間、過労死防止対策推進法の制定にかかわって以来、過労死ゼロの実現をライフワークとし、数十人の過労死の御遺族のお話をお聞きし、数々の過労死の裁判も傍聴してきました。高度プロフェッショナルに対しては、過労死の御遺族から、過労死がふえるとの悲痛な批判が続出しています。
高度プロフェッショナルは、専門職、高度な方々、労働者を労働時間の規制から外し、無制限に働かせることを可能とし、定額働かせ放題、スーパー裁量労働制と言われています。現在の法案では、対象は年収の高い労働者に限られますが、一旦導入されれば、いずれ中所得者にも対象が広がります。
過労死の御遺族や過労死問題を担当する弁護士の方々からは、高度プロフェッショナルは、過労死がふえるのみならず、たとえ過労死しても過労死認定はほとんど受けられないと悲鳴が上がっています。高度プロフェッショナルでは、過労死認定、つまり労災認定のもととなる労働時間についての把握義務が事業主になくなるからです。
また、驚くべきことに、二十四時間連続勤務を上司が指示することも、過労死のリスクが極めて高い月二百時間の残業をさせることも、高度プロフェッショナルでは合法であります。まさに、定額働かせ放題、過労死促進法です。
ここで、皆さんにどうしてもお聞きいただきたい二つの文章があります。過労死でお父さんを亡くした二人の遺児についての文章です。読み上げさせていただきます。
まず最初に、過労死でお父さんを亡くした小学生が書いた「ぼくの夢」という詩です。
大きくなったら ぼくは 博士になりたい
そしてドラえもんに出てくるような
タイムマシンを 作る
ぼくは タイムマシンに乗って
お父さんの死んでしまう 前の日に行く
そして 仕事に 行ったらあかんて 言うんや
大きくなっても ぼくは 忘れはしないよ
得意な顔して作ってくれた
パパ焼きそばの 味を
ぼくは タイムマシンに乗って
お母さんと一緒に 助けに行こう
そして 仕事で 死んだらあかんて 言うんや
仕事のための命じゃなくて
命のための仕事だと ぼくは伝えたい
だから 仕事で 死んだらあかんて 言うんや
次は、過労死でお父さんを亡くした三歳の女の子についての毎日新聞の記事を、少し長くなりますが、読み上げさせていただきます。
毎年六月になると思い出すことがある。過労死で夫を亡くした女性の話を聞きに東海地方を訪れた時の話だ。もう、十年以上前のことだが、蒸し暑さと共によみがえる。
家を訪ねると、三歳ぐらいの女の子が、白いレースのワンピースに赤いエナメルの靴でおすましして、玄関にちょこんと座っていた。誰かを待つかのように、背筋を伸ばし、ほんのり笑っていた。
二時間近く女性の話を聞いた。昼夜問わず携帯で指示を受け、月百時間を超える残業。体がきついと退職を決意した直後、営業車の中で休んでいて突然死した。まだ三十代になったばかり。結婚七年目で授かった愛娘を残して世を去らねばならなかった無念に胸が締め付けられた。
帰り際、少女は、まだ玄関に座っていた。気丈に振る舞っていた女性が大粒の涙をこぼした。「休みの日は、かわいい格好して、良い子にしてれば、お父さんが迎えにきて遊びに連れてってくれると待っているんです」。体全体で父を求めるいじらしさに涙が止まらなかった。長時間労働は家族みんなから大事な時間を奪う。少女の小さな背中はそう告発していた。
この詩や記事にあるような過労死の遺児を減らすことこそが政治の責任ではないでしょうか。
責任感が強く、真面目な人ほど過労死をしています。我が国では、二日に一人、過労死が発生し、過労死の遺児が数多く生まれています。
与党の皆さんに申し上げます。
万一、強行採決により高度プロフェッショナルが導入されることになれば、必ず過労死は起こります。高度プロフェッショナルより労働時間規制が厳しい裁量労働でさえ、既に多くの過労死が続出しているからです。
ああ、しまった、高度プロフェッショナルを導入しなければよかったと反省しても、失われた命は戻りません。その御遺族や残されたお子さんに対して、与党の皆さんはどのように説明をされますか。どのようにおわびをされますか。
きょうも、過労死の御遺族の方々が祈るような思いでこの本会議場の傍聴に来られています。あすの強行採決をやめてほしい、高度プロフェッショナルを法案から削除してほしい、過労死の地獄の苦しみをこれ以上誰にも味わわせたくないと御遺族は必死に訴え、昨日、一昨日と、安倍総理との面談を求め、雨にぬれながら、官邸前で座込みもされました。
安倍総理は、御遺族の方々に採決の前に必ず面談し、高度プロフェッショナルの削除を決断すべきです。
四年前、与党の皆さんも含め、全会一致で過労死防止対策法を成立させました。国民の命を守りたいという願いは与野党同じです。与党の皆さん、どうか、高度プロフェッショナルを削除する修正に応じていただけませんか。人の命を奪う法案の強行採決はやめていただけませんか。与野党合意できる部分を審議し、与野党合意で採決しようではありませんか。働き方改革には与党も野党もありません。国民の命を守るために、ともに頑張ろうではありませんか。心より心よりお願いを申し上げます。
このような人の命を奪う法案を強行採決しようとした高鳥委員長は解任すべきです。
政治は国民の命を守るために存在します。国会議員には国民の命を守る責任があります。もし、国民の命を奪う法案の強行採決が行われるなら、私は体を張って阻止するということを強く訴え、私の賛成討論とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)