大西健介の発言 (本会議)

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○大西健介君 国民民主党の大西健介でございます。
 私は、国民民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました厚生労働大臣加藤勝信君不信任決議案に対して、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 まず、人の命がかかった法案を、与党が数の力で、十分な審議を尽くさないまま採決しようとしていることに、満身の怒りを込めて抗議をいたします。
 全国過労死を考える家族の会の寺西代表らが、官邸前に座込みまでして、採決までに安倍総理に直接会って話を聞いてほしいと面会を申し入れていましたが、これを拒み、最後まで家族に向き合おうとしなかった冷酷な態度には、心から失望しました。
 安倍総理は、この国会を働き方改革国会と位置づけて、七十年に及ぶ労働基準法の歴史的な大改革と言ってきました。また、提出法案は八本もの法案を束ねたものであり、私たち野党も対案を提出して並行審議を行っていることを考えれば、十分な審議時間をとって丁寧な議論を行う必要があります。
 ところが、衆議院での対政府質疑は、わずか三十時間程度であり、うち四時間三十七分は、いわゆる空回しであり、審議が尽くされたとは到底言うことができません。
 まず、申し上げなければならないのは、そもそも、現在の安倍内閣のもとでは、働く人の命と健康がかかった重要な法案の審議を行う土台が崩れているということです。
 愛媛県が参議院に提出した文書によれば、昨年一月二十日までに加計学園の獣医学部新設の計画を一切知らなかったというこれまでの総理の国会答弁が虚偽だった疑いがあります。国権の最高機関である国会に対して、また、主権者である国民に対して、うそをついていたとすれば、そのような内閣のもとでは、どんなに重要な答弁も空疎となり、何を信じてよいのかわからなくなってしまいます。
 ちなみに、愛媛県の文書から、当時官房副長官だった加藤大臣が加計学園関係者と面会していたことが発覚しました。加藤大臣は、面会した事実を認める一方で、安倍総理への報告は否定をしています。しかし、加藤大臣は、なぜこれまでこの事実を黙っていたのでしょう。
 文書には、官邸への働きかけを進めるため、面会をセットしたと書かれており、総理に報告しなかったというのは、にわかには信じられません。加計学園の地元岡山県選出の加藤大臣が、獣医学部新設に何らかの影響を与えたのではないかと疑われても仕方がないと思います。
 以下、加藤勝信君が厚生労働大臣の任にあたわない理由を申し上げます。
 第一に、加藤大臣は、家族の会や労働組合を始め、多くの反対の声を無視して、過労死防止とは真逆の高度プロフェッショナル制度を抱き合わせで提案をしました。委員会での審議を通して、高プロは、二十四時間連続勤務も合法となり、定額働かせ放題の過労死促進法であることが改めて明らかになりました。
 過労死したNHK記者、佐戸未和さんのお母さんは、高プロは労働時間の把握が困難なため、労災申請さえもできなくなり、死人はふえても過労死は減ると述べています。過労死した人が生き返ることはありません。高プロで過労死がふえたら、大臣は責任をとれるんでしょうか。
 第二に、厚労省が、比べてはいけないデータを比較して、裁量労働制の方が一般の労働者より労働時間が短いという印象操作を行っていたことが明らかになりました。
 政府は、答弁撤回と謝罪に追い込まれ、当初予定していた裁量労働制の拡大を法案から削除しました。
 また、加藤大臣が当初廃棄したと答弁していた調査票が厚労省の地下倉庫から発見され、省ぐるみで隠蔽を図ろうとしていた疑いが持たれています。
 さらに、労働政策審議会に議論の出発点として提出をされていた平成二十五年度労働時間等総合実態調査のデータに二割もの不適切データがあることが判明し、削除されました。大臣は、傾向は変わらない、統計としての有効性はあると説明していますが、料理の二割が腐っていて、その部分を取り除いたので、さあ召し上がれと言われて、食べることができるでしょうか。
 それどころか、与党が採決を提案したけさの厚生労働委員会理事会で、厚労省が、精査後のデータから更にミスが見つかったことを報告しました。与党の皆さんは、こんな状態で採決を認めるんでしょうか。仕切り直しをして、労働時間の実態把握からやり直しを行うべきであります。
 労働時間データに関する厚労省の失態に次ぐ失態には、あいた口が塞がりません。これだけとっても、加藤大臣は十分に罷免に値すると思います。
 第三に、私は、予算委員会において、裁量労働制は一旦導入されると濫用を見抜くのが困難であることを指摘しましたが、安倍総理や加藤大臣は、野村不動産に対する特別指導に言及した上で、厳しく指導監督を行っていくと答弁しました。
 ところが、野村不動産では、二〇〇五年以来、六百名を超える営業職に違法に裁量労働制が適用されていたにもかかわらず、過労死の約四年前に是正勧告を行った際には違法適用を見抜けなかったことがわかっています。過労死がなければ濫用はわからなかったにもかかわらず、過労死の事実を知りながら、国会を欺く答弁をしていたとすれば、断じて許すことができません。
 第四に、加藤大臣の不誠実な答弁は、質疑を混乱させ、野党の貴重な質疑時間を奪っています。大臣の悪質な論点ずらし答弁は、ネット上で御飯論法と呼ばれています。御飯論法とは、朝御飯は食べたかと聞かれて、朝食にパンを食べていても、御飯は食べていませんと答えるようなごまかしの答弁のことであります。働く人の命と健康にかかわる質疑で不誠実な答弁を繰り返す大臣は即刻辞任すべきです。
 第五に、加藤大臣のもとでは、東京労働局長の、何なら皆さんの会社に行って是正勧告してもいいと報道機関に圧力をかける発言がありました。労働行政に対する信頼を著しく失墜させる行為は、部下の労働局長の更迭で済むものではなく、大臣も責任をとるべきです。
 第六に、加藤大臣は、高齢者を中心に磁気ネックレス等を預託販売し、昨年末、事実上倒産したジャパンライフの会長と会食をしていました。ジャパンライフの宣伝チラシに掲載された総理側近の加藤大臣と会長の会食を見て信用した高齢者が大切な老後の資金をだまし取られたとすれば、大臣は、消費者被害の広告塔の役割を果たしたことになります。
 最後に、森友学園への国有地売却をめぐる決裁文書が改ざんされた問題で、佐川理財局長が、廃棄した、なかったと国会で答弁してきた交渉記録が出てまいりました。その上、国会での答弁とつじつまを合わせるために、文書の破棄を指示していました。官僚がリスクの高い所業に手を染めた背景には、官邸が省庁の幹部人事を一元管理する内閣人事局の存在があるとの指摘があります。
 二〇一四年に創設された内閣人事局の初代局長に抜てきされたのが、ほかならぬ加藤大臣であります。加藤大臣と安倍総理は、義父の加藤六月氏と安倍晋太郎氏との関係以来の親戚のような深いつき合いと言われており、加藤大臣は総理のお友達の一人です。森友、加計問題では、総理や昭恵夫人のお友達によって行政がゆがめられていることが問題となっております。総理のお友達として内閣人事局長に抜てきされた加藤大臣は、官邸の全自動そんたく機のシステムをつくり上げた戦犯の一人であります。
 加藤大臣の座右の銘は、「菜根譚」にある一点の素心だそうです。人間として生きていく上では、少しでも純粋な心を持っていることが必要であるという意味だそうであります。もし加藤大臣に純粋な心が残っているのであれば、潔く身を引かれることを進言し、私の賛成討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 大西健介

speaker_id: 25767

日付: 2018-05-25

院: 衆議院

会議名: 本会議