宮川伸の発言 (本会議)

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○宮川伸君 立憲民主党の宮川伸でございます。
 国務大臣石井啓一君不信任決議案に対して、立憲民主党・市民クラブを代表し、断固賛成の立場で討論を行います。(拍手)
 石井大臣を含む安倍政権のもとで、森友学園、加計学園、防衛省の日報問題など、我が国の議会制民主主義が崩壊しかねない大問題が次々と起こっています。
 特に、森友学園の公文書改ざん問題におきましては、大阪航空局がごみ撤去費の積算等を行っており、その所管大臣である石井大臣の責任は重大であります。しかしながら、いまだに真実は解明されておらず、積極的に問題解決に取り組まない石井大臣は、その職を辞すべきです。
 石井大臣を含む安倍政権の国会軽視は看過できるものではありません。
 働き方改革、高度プロフェッショナル制度の強行採決はひどいものでした。結論ありきの議論、議論の根本となるデータが誤っていてもお構いなし答弁、国民の多くが反対していてもお構いなし答弁、家族を失い、深い悲しみを抱えている方々が目の前にいてもお構いなし答弁、きちんと答弁をせずに数の力で押し切る、このようなやり方を許すわけにはいきません。
 特定複合観光施設区域整備法案、いわゆるカジノ法案の審議におきましても、石井大臣は、問題の本質にきちんと向き合わない答弁、結論ありきの答弁を繰り返しております。
 第一に、なぜカジノが必要なのか、誰のためのカジノかという基本的な質問にきちんと答えていません。
 石井大臣は、日本型IRの必要性について、世界じゅうから観光客を集め、我が国を観光先進国に引き上げる原動力とするとの旨を述べています。そして、その主な収入源としてカジノが必要だという説明をしております。
 私は、てっきり、外国人観光客がカジノを楽しみに日本型IRを訪れ、他の施設も利用し、観光客がふえるのだと思っていました。しかし、そうではないようです。
 日本を訪れる外国人旅行者に対して行ったアンケート調査によると、カジノに行きたいと答えた人はたったの七%だそうです。これで、なぜカジノが外国人観光客を引きつけると言えるのでしょうか。カジノでお金を使うのは、外国人ではなくて、日本人なのではないでしょうか。
 ゴールドマン・サックス証券や国際カジノ研究所の試算でも、カジノは日本人客が中心となるという試算が示されているそうです。カジノにおいては、外国人観光客ではなくて、日本人がターゲットなのではないでしょうか。石井大臣はこのことを明確に国民に説明をしておりません。
 政府は、民間の調査結果は詳細がわからないので参考にしないという趣旨の発言をしています。政府の、みずから必要な調査をせずに、繰り返し、幅広く世界じゅうの観光客を引きつけるとだけ説明するこの姿勢は、結論ありきの論議としか言いようがありません。これは、誤りだらけのアンケート調査の結果を用いて高度プロフェッショナル制度を強行採決した姿勢と全く変わりがありません。
 第二に、ギャンブル依存症の問題です。
 カジノ新設によって、ギャンブル依存症になる方がふえるのではないかとの懸念があります。これに対して石井大臣は、世界最高水準のカジノ規制、これがあるから大丈夫だとおっしゃっていますが、本当にそうでしょうか。
 まず、カジノ施設の規模の制限についてですが、IR推進会議では、相対的のみならず、絶対的な上限規制値を入れるべきだと指摘していましたが、なぜかこれが法案から抜け落ちました。なぜ抜け落ちたのか、上限規制がなくて、世界最高水準のカジノ規制と言えるのか、石井大臣は明快な答弁をしておりません。
 次に、貸金業務の問題です。
 カジノ事業者は、お客にお金を貸すことができます。しかも、貸し出す総量について厳格な決まりがありません。カジノ事業者がみずから限度額を設定できる。
 石井大臣は、一定の資金力のある日本人だけが対象であるから大丈夫だと説明をしておりますが、お金持ちだってギャンブル依存症になるのではないでしょうか。元大王製紙の井川意高会長や元関脇貴闘力関のような例も皆さん御存じだと思います。本法案によってお金持ちが依存症にならないということを、石井大臣は明快な答弁を行っておりません。
 次に、カジノ管理委員会の問題です。
 カジノ管理委員会は、依存症者が出ないようにカジノを規制する立場の機関です。公正性、中立性を保つことが重要でありますが、何とこの事務局にカジノ事業者が入ることができるそうです。そして、石井大臣は委員会質疑の中で、カジノ事業者はカジノの実態をよく知っているから事務局に入ってもよいという趣旨の発言をしております。信じられない発言です。カジノを規制するカジノ管理委員会側にカジノ事業者が入って、公正性、中立性が保てるはずがありません。
 そもそも、ギャンブル依存症の現状を政府はどれだけ理解しているのでしょうか。しっかりと現状を調査して、今いる依存症の方々をどうやって救うのか、あるいはこれ以上依存症の方がふえないようにどうすればよいのか、そういった対応こそ、先にやるべきことではないでしょうか。
 現状把握をきちんとせずに進むやり方は、高度プロフェッショナル制度の強行採決と全く同じやり方です。
 第三に、石井大臣は、国民へのわかりやすい説明を怠り、多くの国民が反対しているにもかかわらず、法案審議を強引に進めていることです。
 読売新聞の世論調査によると、カジノ法案を今国会で成立させるべきだと答えた人はたったの二三%、そうは思わないと答えた人は六九%。何と七割近い国民が反対をしています。
 また、ギャンブル依存症問題を考える会代表の田中紀子さんは、雑誌の中で、カジノ法案は依存症者大量生産工場と化す危険性があることや、IR実施法の特定金融業務という条文が追加されたことに対する懸念を述べられています。
 このように、国民の疑問に対して、石井大臣は丁寧な説明を怠っています。国民無視の、被害者に寄り添わない審議のやり方、高度プロフェッショナル制度の強行採決と全く同じです。
 このほか、刑法との整合性の問題、マイナンバーカードの問題、倒産後の処理の問題、まだまだ議論が必要な問題が残っています。これで審議を打ち切って採決することなどあり得ません。
 安倍政権の成長戦略は、幾つも筋の悪いものがあります。過労死がふえる高度プロフェッショナル制度、人の殺傷に使われるかもしれない武器輸出、福島原発事故の反省に立たない、無責任に高レベル放射性廃棄物を後世に残す原発輸出、そして、今度はカジノです。
 現状においても、世界でギャンブル依存症患者が飛び抜けて多い、ギャンブル依存症大国と言われている日本に、なぜ、さらなるリスクをつくるのでしょうか。人の命よりもお金を優先する、このような成長戦略は即刻やめるべきです。
 以上のとおり、国民に真摯に向き合わず、結論ありきの対応しかとらない石井大臣の不信任決議に賛成の討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 宮川伸

speaker_id: 9436

日付: 2018-06-15

院: 衆議院

会議名: 本会議