森田俊和の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○森田俊和君 国民民主党の森田俊和でございます。
 私は、国民民主党・無所属クラブを代表いたしまして、ただいま提案のございました石井大臣の不信任決議案につきまして、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 まず、申し上げたいことがございます。
 私は、日ごろ、国土交通委員会の委員として、石井大臣の政治姿勢に触れてまいりました。さまざまな課題に対して丁寧に、実直に向き合っておられるその姿勢に、私は深い敬意を抱いております。
 しかし、その大臣が、IR担当大臣として内閣委員会に来られると、ふだんの表情とは異なり、顔はかたく、答弁も大まかなものとなり、審議が滞ることもございました。石井大臣は本当にこの法案を成立させたいのかなと疑問に思うこともございました。
 今回、こういった形で、その石井大臣の不信任に賛成をしなければならないというのは、私にとってはとても残念で、心苦しいことでございます。
 さて、大臣の不信任案に賛成の理由でございますが、これはIRの進め方に関してのことでございます。
 IRそのものについては、国民の皆様の中にも賛否両論ございます。賛否両論あるからこそ、問題点を一つ一つ明らかにし、国民の皆さんの意見も伺い、その結果として法案を修正することで、いろいろな立場の方から、なるほど、これならいけると合意を得られるようなものにしていく必要があると考えてまいりました。
 現状では、まださまざまな問題点は解消しておらず、ゆえに国民の皆様の理解も得られているとは言えない状況であり、こうした中で性急にIRを進めていくことには大きな疑問を感じざるを得ません。
 IRの主な問題点として、四点申し上げます。
 まず、カジノの違法性の問題です。
 カジノ設置の大前提であるこの問題に対して、いまだにすっきりと納得できる答えが得られておりません。
 賭博罪の違法性阻却の着目点として、八つの要件が挙げられております。
 例えば、運営主体についてです。
 今まで、競馬や競輪などは公営でやってまいりました。今回の法案で、IRは純粋な民間企業が運営を行うことになっております。カジノは民間でなければできないのでしょうか。そんなことはありません。例えば、お隣の韓国の例では、自国民を対象にしたカジノを運営している江原ランドは、公的機関が五一%以上の株を持っております。
 法案の中で、カジノについては刑法の賭博罪に係る規定を適用しないという規定をわざわざ設けております。免責条項を設けないと疑義が生ずるというような法案となっております。
 長い歴史の中で、賭博は犯罪の温床になるなどの経験があったために、賭博は違法であるということが規定されてきたはずです。カジノにはこれを適用しませんということで済んでしまうのなら、今までの法的な秩序は一体何だったんだろうかということになってしまいます。やはり、今まで公営ギャンブルなどで積み重ねてきた法秩序に沿う形で、運営主体の問題など、違法性についての問題を解決していくことが必要ではないでしょうか。
 次に、送客施設の問題です。
 私は、祖母の遺言により、ギャンブルをやりません。私だけではなく、やらない方も国民の中には大勢いらっしゃることと思います。そういった皆さんにIRの意義を理解していただくには、この送客施設というものが不可欠だと考えております。
 これまでの議論では、日本の魅力を発信する、行ってみたい方にはチケットなどを手配するという説明がなされてまいりました。しかし、送客施設はIRのビジネスモデルとは相反するものです。できるだけ施設内にいてもらってお金を使ってもらうのがIRですから、IRの運営企業が本気で送客をやるのでしょうか。
 観光の本質は、その国の歴史や文化を訪ね、自然をめでることにあります。IRはあくまで呼び水であり、日本ってすばらしいなと思っていただけるような、ファンをふやすきっかけであるべきです。
 送客について、はい、やっていますというアリバイづくりで終わってしまうのでは、真の日本版IRにはなり得ません。送客機能を周辺地域の観光振興にどのように具体的に結びつけるのか、明確にしていく必要があると考えております。
 次に、ギャンブル依存についての問題です。
 これまでの説明の中では、入場回数の制限、本人確認の徹底などの具体策が示されてまいりました。その一方で、条件付とはいえ、カジノ事業者が利用者にお金を貸せるようになっており、依存を助長する危険もございます。
 カジノを利用するのは、七、八割が日本人であるとの想定がなされております。ギャンブル依存の問題については、ほかのギャンブルも含めた包括的な対応が必要だと思っております。カジノを制限しても、ほかの日は競輪、競馬に行っているというのでは意味がありません。ほかのギャンブルも含めた包括的な対応をきちんとやるということを、カジノを認める前提にすべきと考えております。
 この問題を放置したままカジノを始めて、やはりギャンブル依存の方がふえましたということは、決して許されません。
 次に、治安対策でございます。
 この法律案では、暴力団員の入場禁止など、IRそのものについての対策については規定をされています。しかし、施設周辺の安心、安全の確保についての方針は示されておりません。ラスベガスでは、昨年、六百名の方が死傷するという事件がありました。また、韓国では、カジノの周辺地域に金融業者、風俗店などが立ち並び、景観や防犯の面から問題となっております。
 地方への立地などを考えると、地元の警察では対応し切れないということもあります。また、外国からのお客様のことを考えると、入国管理当局との連携も考慮されるべきだと考えております。
 周辺住民の方の不安を解消すべく、周辺地域も含めた安心、安全の確保について、国としての方針を明確に定めるべきではないでしょうか。
 以上、申し上げましたように、IRについては、まだまだ解決すべき問題があります。よって、更に議論を重ね、公聴会の開催などを含めて国民の皆様の理解を得られるように努力をして、必要なら法案を修正していくというのが、あるべき進め方であると考えます。
 大臣は、こうした進め方ではなく、急いで法案を成立させようとしておられます。大臣のふだんの政治姿勢とは異なる今般のIR法案の扱いに対し、私たちは、残念ながら、担当大臣としてふさわしくないと判断せざるを得ません。
 以上、石井大臣の不信任決議案に賛成することを表明いたしまして、私の賛成討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 119605254X03820180615_012

発言者: 森田俊和

speaker_id: 5694

日付: 2018-06-15

院: 衆議院

会議名: 本会議