中川雅治の発言 (環境委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(中川雅治君) 環境大臣及び原子力防災を担当する内閣府特命担当大臣の中川雅治です。
 第百九十六回国会における参議院環境委員会の御審議に先立ち、環境政策及び原子力防災に関する私の考えを申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いいたします。
 今日の環境問題は、気候変動、廃棄物問題、さらには原子力災害による汚染など、人類のあらゆる社会経済活動から生じ得る、多様で複雑なものとなっています。一方で、我が国は、経済成長のみならず、地域活性化、少子高齢化への対応、国土強靱化などの経済社会の諸課題を解決しなければなりません。あらゆる観点からのイノベーションを進め、環境政策に取り組むことで、経済社会上の諸課題の同時解決を実現し、将来にわたって質の高い生活をもたらす新たな成長につなげていくことが必要です。このような考え方に立ち、本年は、環境基本計画や循環型社会形成推進基本計画の改定を行い、これらの計画に基づき、持続可能な地域づくりを目指す地域循環共生圏の構築や東日本大震災からの復興、創生などの施策を展開してまいります。
 国内外で進める気候変動対策について申し上げます。
 パリ協定の下、世界は脱炭素社会に向けて大きく動いています。我が国は、世界の脱炭素化を牽引するとの決意の下、温室効果ガスの国内での大幅な排出削減を目指すとともに、世界全体の排出削減に最大限貢献し、我が国の更なる経済成長につなげてまいります。
 このため、国内については、二〇三〇年度の温室効果ガス排出削減目標の着実な達成に向け、再生可能エネルギーの最大限の導入に取り組むとともに、徹底した省エネルギーの推進、フロン類対策、ESG投資など環境金融の充実強化、クールチョイス、賢い選択を旗印とした国民運動等を進めます。また、我が国の削減目標達成に深刻な支障を来すことが懸念される石炭火力発電については厳しく対応してまいります。
 そして、途上国がパリ協定を実施するに当たって、温室効果ガスの排出状況等に関する透明性を高めることを支援する見える化パートナーシップや二国間クレジット制度などを通じて、我が国が有する優れた制度や技術の海外展開を図ってまいります。
 さらに、二〇五〇年までに温室効果ガスを八〇%削減することを目指し、長期低排出発展戦略について、関係審議会等における検討状況も踏まえながら、来年度の早い段階で政府全体としての検討を開始できるよう、関係省庁と連携して取り組んでまいります。今後の中長期的な排出の大幅な削減のための有効な手段の一つであるカーボンプライシングについて、精力的に、多面的かつ具体的な検討を進めてまいります。
 気候変動の影響が顕在化しつつある中、適応策の充実強化も喫緊の課題です。気候変動の影響及び適応に関する情報基盤の整備等を行い、各分野で適応策を充実強化するため、今国会に気候変動適応法案を提出しました。
 被災地の着実な環境再生の推進について申し上げます。
 東日本大震災の発生からこの三月で七年が経過します。私は、今年一月にも被災地や中間貯蔵施設などの現場に赴き、地元の多くの方々と直接対話をする中で、復興の取組への決意を新たにいたしました。被災地の状況をしっかりと捉え、被災地の皆様の思いに寄り添い、復興、創生に誠心誠意取り組んでまいります。
 復興の更なる加速化に向け、中間貯蔵施設の整備とこれに必要な用地の取得、施設への除去土壌等の継続的な搬入を引き続き安全かつ着実に進めるとともに、最終処分量の低減を図るため、除去土壌等の減容、再生利用に関する取組を進めます。また、放射線に係る住民の健康管理や健康不安への対応についても、福島県の県民健康調査への支援などを適切に進めてまいります。
 帰還困難区域については、これまでに三つの自治体の特定復興再生拠点区域復興再生計画が認定されました。これらの計画に基づき、除染とインフラ整備等を一体的に進めてまいります。
 指定廃棄物等について、福島県では、安全確保を大前提として、既存の管理型処分場への搬入を着実に進めます。また、その他各県についても、それぞれの状況を踏まえつつ、引き続き安全な処理の実現に向けて地元と調整を進めてまいります。
 国内外における資源循環の展開について申し上げます。
 将来にわたり地域社会、暮らしを支えるため、更新時期を迎えつつある一般廃棄物処理施設の整備を広域化、集約化しつつ適切に支援するとともに、浄化槽についても普及を進めます。
 また、近年の災害の経験を踏まえ、今後想定され得る大規模災害もあらかじめ念頭に置いて、災害廃棄物の円滑な処理体制の確保等の強靱化対策を進めてまいります。
 さらに、使用済小型家電から二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックのメダルを製作する取組を始め、3Rの推進に取り組んでまいります。
 また、廃棄物処理や浄化槽を始めとする我が国の優れた技術について、環境インフラ海外展開基本戦略を踏まえ、積極的な海外展開を図り、途上国における循環型社会の構築等に貢献するとともに、我が国の循環産業等の発展を支援します。
 魅力ある我が国の自然の保全、活用と生き物との共生に向けた取組について申し上げます。
 国立公園満喫プロジェクトを積極的に推進し、国立公園を訪れる訪日外国人の人数を二〇二〇年には一千万人にすることを目指します。美しい景観や温泉といった地域固有の自然を保全しつつ、資源として積極的に活用することで、多くの方にその大切さを理解してもらいながら後世に引き継いでいけるよう、我が国の国立公園を世界水準のナショナルパークへと改革していきます。
 生物多様性を確保するための取組については、人と自然との共生を目指す愛知目標の達成に向け、まず、ヒアリ等の外来種について水際対策を強化し、徹底的な早期発見、早期防除を進めるとともに、トキやツシマヤマネコなどの希少種保全などに取り組みます。また、鹿やイノシシなどによる被害を防止するための鳥獣管理を推進します。さらに、災害時の対応等を含め、ペットの適正な飼養などを進めます。
 現在及び将来の世代が良好な環境の中で健康に暮らす、そのための安心、安全の基盤を確保するための取組は、環境省の原点であります。様々な環境リスクの低減に向け、しっかりと取組を進めます。
 まず、水俣病を始めとする公害健康被害対策、石綿健康被害者の救済については、引き続き真摯に取り組みます。補償給付等の財源を来年度以降も措置するため、今国会に公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律案を提出しました。
 また、化学物質の環境リスクの管理を進めていくほか、子どもの健康と環境に関する全国調査、いわゆるエコチル調査や、水銀に関する水俣条約の実施に着実に取り組んでまいります。
 PCB廃棄物については、期限内の処理を確実に達成できるよう取組を進めます。
 PM二・五については、国内の排出源対策やアジア各国との越境汚染対策に関する協力を推進します。また、土壌汚染対策、琵琶湖や瀬戸内海などの水環境の保全、農薬の動植物に対する影響評価の充実、マイクロプラスチックを含む海洋ごみ対策の総合的推進にも着実に取り組んでまいります。
 次に、原子力防災等について申し上げます。
 万が一の原子力発電所の事故に対応するため、内閣府特命担当大臣として原子力防災に取り組みます。原子力防災会議を中心に、関係省庁を挙げて、地方自治体の地域防災計画、避難計画策定への支援、要配慮者への対応や防災資機材の整備への財政支援、原子力防災業務に携わる人材の育成などにきめ細かく取り組んでまいります。
 原子力災害に対する備えに終わりや完璧はありません。今後とも、原子力総合防災訓練等を通じて、各地域の防災計画、避難計画の継続的な充実強化に努めてまいります。
 また、原子力規制委員会が独立性の高い三条委員会として科学的、技術的見地から公正中立な立場で規制を進められるよう、環境大臣としてしっかりとサポートします。
 美しい地球を次の世代に引き渡していくのは、今を生きる私たちの責任です。引き続き、環境政策と原子力防災に共通する、人と環境を守るという根源的な使命に対し、全力を尽くしてまいります。
 以上、環境大臣として、また、原子力防災担当の内閣府特命担当大臣として、当面の取組の一端を申し上げました。
 柘植委員長を始め、理事、委員各位におかれましては、今後とも、環境行政及び原子力防災の一層の推進のため、御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。

発言情報

speech_id: 119614006X00220180308_004

発言者: 中川雅治

speaker_id: 13569

日付: 2018-03-08

院: 参議院

会議名: 環境委員会