田村智子の発言 (議院運営委員会)
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○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、ただいまの動議のうち、特定複合観光施設区域整備法案、すなわちカジノ実施法案を本日の本会議の議題とすることに反対の意見を表明いたします。
七月六日、本法案の本会議趣旨説明、質疑を行うことに、国民民主、立憲民主とともに、私も本委員会で反対の意見表明を行いました。会期末まで審議が可能な平日が十日間しかない、これでは、政府が重要法案と位置付け、問題も国民的な批判や懸念も多い本法案について十分な審議を保障することができないからです。
残念ながら、与党と維新の会の賛成によって本法案は審議入りし、同時並行で西日本豪雨災害が起きてしまいました。維新の会を除く野党が、未曾有の豪雨災害への緊急対応のため、石井IR担当大臣を国交大臣として災害対応の任に集中させるべき、法案審議は先送りをと強く求めましたが、内閣委員長は最後まで職権立ての委員会を繰り返したのです。
与党は、災害についての質問を石井大臣が国交大臣として答弁したと言いますが、石井国交大臣が行うべきは、内閣委員会への出席ではなく、国交省で土砂災害対応の陣頭指揮を執ることであり、被災地に直接入って実態をつかむことである、災害特など災害問題の集中的な審議に応じることであったはずです。
このように、審議日程が不十分というだけでなく、災害のただ中という下では法案審議を深めたとはとても言えず、このまま本法案を成立させることはあり得ません。今国会では廃案とし、どうしてもというのならば、再提出の上、落ち着いた環境で改めて徹底した審議を行うべきです。
なぜ徹底審議が必要か。その最大の理由は、本法案が刑法違反の立法となる危険性が余りにも大きいからです。
本法案に賛成の皆さんは、国際会議場、展示場、レジャー施設などの複合施設がIRであり、カジノはその一部にすぎないと言いますが、国際会議場や観光施設を造るために法律は必要ありません。刑法で犯罪とされる賭博の開張及び賭博行為を合法化するためには、どうしても違法性を阻却する特別立法が必要なのです。憲政史上初めて民営賭博を合法化する、つまり賭博罪を犯罪ではないとする、それがどれほど重い立法行為であるかは明らかです。
これまでカジノ解禁の議論が国会議員の中で行われたとき、法務省は、公営ギャンブルがなぜ刑法違反とされないのかを基に八項目の違法性阻却の要件を示しています。その一つが目的の公益性です。収益が全て公益となる、これが公営ギャンブルですが、カジノの粗利益はその七割がカジノ事業者の懐に入ります。また、射幸性の程度は、ギャンブル依存症を生まないために絶対に必要な要件で、競馬などは開催日が休日、祝祭日に限定されている。政府が遊技だと言うパチンコでも、警察庁によって出玉規制が行われている。では、カジノはどうか。二十四時間年中無休で営業し、政府が示した入場制限では、週六日カジノに興じることも可能です。
最も重要な賭け金の制限など、賭博行為そのものの規制は法律ができてからカジノ管理委員会で検討するが、参考となるのは海外カジノのゲーミングだというのです。これでどうして違法性が阻却されていると言えるのでしょうか。違法立法によって犯罪を合法化することは絶対にやめるべきです。
問題や懸念は山積み、それでもなぜ本法案を急ぐのか。安倍総理も石井IR担当大臣も、議員立法であるIR整備推進法で一年を目途にカジノを含むIR整備の法律を作ることを求められたからだと言います。
ところが、その議員立法の提案者である自民党などの衆議院議員がアメリカのカジノ企業関係者からパーティー券購入の形で資金提供を受けていたことが明らかになっています。カジノ解禁で利益を得るアメリカ企業からお金をもらい、そのために議員立法を立案していたとしたら、受託収賄にもつながります。これは立法事実に関わる重大疑惑です。その解明に蓋をし、推進法を母体とする本法案を強行するなど断じて許されません。
以上、本法案の重大な問題点の一点を指摘しました。
圧倒的多数の国民が成立を望んでいない、来日する外国人観光客の多数も望んでいないカジノ実施法案を本会議で採決することはやめ、廃案とすることを求め、意見表明を終わります。