世耕弘成の発言 (経済産業委員会)
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○国務大臣(世耕弘成君) 平成三十年度の経済産業省関係予算案について御説明申し上げます。
この五年間で、名目GDPと企業収益は過去最高の水準となりました。また、雇用についても有効求人倍率が四十七都道府県で一倍を超えるなど、経済は着実に成長軌道への道を歩み始めております。こうした動きを確かなものとし、日本が世界をリードしつつ、持続的な成長につなげていくためには、コネクテッドインダストリーズの実現が鍵となります。これにより、生産性革命を成し遂げるとともに、少子高齢化、環境・エネルギー制約などの日本が抱える社会課題の解決を図ってまいります。
このため、平成三十年度の経済産業省関係予算案は、一般会計三千四百五十五億円、エネルギー対策特別会計七千七百九十八億円、特許特別会計一千五百五十二億円、合計一兆二千八百五億円を計上しております。また、この他、復興庁計上の東日本大震災復興特別会計のうち四百六十八億円が経済産業省関係予算案として計上されております。
平成三十年度予算案について主要な柱に沿って御説明いたします。
第一の柱は、コネクテッドインダストリーズによる社会課題の解決、競争力強化です。
日本が世界の中で産業競争力を維持していくため、現場に蓄積されているリアルデータを活用し、これらのデータとIoT、AIを組み合わせることが重要です。具体的には、自動走行の実証や、家電から得られる生活関連データを活用する実証事業などにより、異業種間の連携やデータの協調領域の整理及び新たなサービスの創出を図っていきます。そして、それらのデータの国際標準化を見据えた支援を行うとともに、こうした大量のデータを処理するための次世代技術開発にも取り組んでまいります。
また、コネクテッドインダストリーズの実現には、IT人材の育成と安心してデータをやり取りできる環境整備も不可欠です。
人材育成については、AIやビッグデータを用いる新たな教育サービスであるエドテックやリカレント教育の充実を図るとともに、ITの突出した才能を持つ若者の育成や起業・事業化支援を未踏事業により推進します。
さらに、こうしたAIやIoT技術の進展に伴うサイバー攻撃に対応するため、専門人材の育成や、産業分野におけるサプライチェーン全体での対策、電力などの重要インフラの対策強化に取り組みます。
加えて、行政からの生産性革命を進めます。行政手続のデジタル化や、事業者が提出した情報について同じ内容を再び求めないワンスオンリー化を着実に実行してまいります。
第二の柱は、中小企業・小規模事業者への支援です。
深刻な人手不足に直面する中小企業・小規模事業者について、集中的に支援を行います。円滑な世代交代のため、事業承継税制の対象の抜本的な拡充に加え、事業引継ぎ支援センターの相談機能の強化を行います。
下請企業の取引条件は、自主行動計画に基づく取組により着実に成果が出てきています。昨年末に取りまとめたフォローアップ結果を踏まえ、改善の動きが鈍い業界に対しては更なる改善要請を行ってまいります。また、自主行動計画の策定業種を八業種から十二業種に拡大します。
商工中金は、今回の不正事案を猛省するとともに、真に中小企業にとって意味のある金融機関となるよう、解体的出直しが必要です。有識者会議の提言を踏まえ、第三者委員会の設置などガバナンスを強化した上で、今後四年間で中小企業にとって付加価値の高い分野に重点化する新たなビジネスモデルを確立できるよう、しっかりと監督してまいります。
昨年末、約二千社の地域未来牽引企業を選定しました。こうした企業や自治体、金融機関等の関係者が一堂に会する機会をつくり、新たなビジネス展開をサポートすることなどにより、地域経済の活性化を促進してまいります。
第三の柱は、資源エネルギー政策の着実な実施です。
責任あるエネルギー政策を推進していきます。長期的なエネルギーの将来像について、現在、集中的に議論を進めており、早期に成果を得てまいります。これをエネルギー基本計画の見直しの議論に反映し、今夏の取りまとめを目指します。
この上で、徹底した省エネを推進し、エネルギー使用の最適化を図っていく必要があります。そのため、中小企業を始め事業者の省エネ設備の導入や住宅、ビルのゼロエネルギー化を進めるとともに、蓄電池の研究開発などを進めます。
また、再生可能エネルギーについては、最大限の導入と国民負担の抑制を両立するため、コスト低減や系統制約の克服に向けた技術の開発、実証に取り組んでまいります。
水素技術は、日本が世界のフロントランナーです。昨年十二月に策定した水素基本戦略に基づき、福島県浪江町での再生可能エネルギー由来の水素製造や国際水素サプライチェーン構築の実証を進めます。水素ステーションの整備や技術開発、規制改革など、あらゆる取組を抜本強化し、世界に先駆けて水素社会を実現します。日本の水素技術で世界各国の成長と両立したエネルギー転換を促し、世界の脱炭素化を日本が牽引します。
原子力については、更なる安全性向上のための技術開発や立地地域の実情に応じた地域振興支援を行ってまいります。
エネルギーセキュリティーの強化に向け、国内外の資源開発を進めるとともに、製油所の耐震化や給油所への災害対応力の強化など、石油供給インフラの強靱化を進めます。
第四の柱は、対外経済政策の展開です。
TPP11の早期発効と日EU・EPAの早期署名を目指し、これらを活用した中堅・中小企業の海外展開を積極的に支援するとともに、RCEPについても妥結に向けて一層努力してまいります。また、我が国の質の高いインフラシステムの輸出や新興国での人材育成にも取り組んでまいります。
国際博覧会については、二〇二五年の開催国決定投票が本年十一月に行われます。いよいよ選挙戦のラストスパートです。オールジャパンの体制で大阪、関西への誘致活動に全力で取り組んでまいります。
最後の柱は、福島の復興加速です。
福島の復興と安全かつ着実な廃炉・汚染水対策は、経済産業省の最重要課題です。昨年九月に改訂した中長期ロードマップに基づき、安全確保の最優先、リスク低減重視の姿勢を堅持しつつ、地域社会とのコミュニケーションを一層強化しながら進めてまいります。
帰還困難区域を除くほぼ全ての地域で避難指示が解除され、周辺住民の方々の帰還が進んでいます。これらの地域で真に生活を再建するためには、産業の復興が要です。福島相双復興官民合同チームによる支援を通して、事業、なりわいの再建を進めてまいります。
福島イノベーション・コースト構想に基づき、南相馬市でロボットテストフィールドの建設が始まりました。様々な分野のロボットやドローンの実証と性能評価が一か所でできる世界に類を見ない拠点です。福島での新たな産業、雇用の創出に向けた取組を本格化してまいります。
以上が平成三十年度経済産業省関係予算案の概要でございます。
委員各位におかれましては、よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。