山谷えり子の発言 (憲法審査会)
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○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
憲法九条についての考え方を申します。
まず、平和主義の理念はしっかり守る、憲法は国の基、国柄が反映され、社会の安定、人々の幸せに資するものであらねばならないと考えます。現憲法の平和主義、基本的人権、国民主権、基本原理を守ることは重要です。その上で自衛隊に関する論争に決着を付けるべきです。
国民の自衛隊への信頼は今九割を超えています。今月も、私のふるさと福井の大雪で、自衛隊の方々、大変なお働きをしてくださっています。感謝です。自衛隊の存在を国民の九割が信頼し、好印象を持っているのに、憲法学者の六、七割が違憲という、自衛隊の正当性が傷つけられています。教科書には違憲との指摘も書かれたり、教室で違憲論を先生が語り、自衛隊員の子がいじめに遭う現実もある。
自衛隊の存在を憲法に明記することは、安全の根幹に関わり、安保上の意義を持ちます。自衛隊は、憲法九条二項の下、政府見解として、戦力に至らない自衛のための必要最小限度の実力とされ、合憲の解釈です。平和主義の下、自衛のための実力組織を持つこと、自衛のための必要最小限度の実力行使は主権国家として当然で、国際社会では国際平和活動への寄与も求められています。
そこで、どのように書き込むかはこれから議論するところでありますが、例えば条文として、九条二項の後、前項の下、我が国の平和と独立、国民の生命と財産を守り、国際平和に寄与するための自衛隊を置くといったように、自衛隊の目的、性格を明確に示すことがよいのではないかと考えます。現実を見、国民の理解が得られるようにしていくことが重要で、九条一項、二項を残し、自衛隊を明記する加憲であります。
シビリアンコントロール明記もあり得ます。シビリアンコントロールは民主主義国家体制を守る上で不可欠で、その重要性は共通認識と言っていいと思います。憲法六十六条との関係もありますが、国民の理解が得られるようにしていく努力を続けたいと思います。
次に、緊急事態条項の重要性についてです。
前回、憲法審査会でも発言しましたが、今後予測される首都直下地震や南海トラフ巨大地震のような大規模災害などに備え、緊急時に国民の安全を守り、復興のスピードを上げ、国難を乗り越えるために憲法にどう位置付けるかが大切です。
東日本大震災の折、憲法に定める権利や自由を大きく制約するおそれがあって災害緊急事態の布告を行わなかったと政府役人は語り、また、現場でも十分な対応がし切れなかったという反省が地方議員から上がっています。瓦れき処理にも憲法の保障する財産権の壁が立ちはだかったと語る自治体責任者の声もありました。現憲法の下でも公共の福祉の考え方があるという意見もありましょうが、憲法に考え方が明記されていないと、後に次々と違憲訴訟になって自治体が堪えられないのではないかという現場の思い、現実があります。
緊急事態において政府の権限をどこまで認めるか、憲法に明記しなければ被害の最小化はできません。まず、内閣総理大臣は、大地震その他の大規模災害が発生し、当該災害が激甚なものである場合、国民の生命、財産を守るため、閣議にかけて緊急事態の宣言を発し、緊急措置をとることができるというように、政府のリーダーシップを示し、同時に、議会的統制が必要と考えますので、緊急事態の措置について法の定めるところとし、国会の承認を必要とする方向で国会の関与を明記してはいかがかと思います。
また、緊急事態に際し衆議院議員が不在となる場合があるという議論もあります。そこで、緊急事態の宣言が効力を有する期間は衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができるなどの規定が必要と考えます。これは、国会議員の身分保障の優先ということではなく、復興、国難を乗り越えるため、国家国民への役割を果たすため必要だからであります。
こうしたことを緊急事態条項として書き込む方法のほか、第五章の内閣の職権や第四章の国会の衆参両議院議員の任期の条文に加えていくことなど、考え方はいろいろあると思います。各議員が、各党が具体的議論に入っていくことが国家国民に対する責任であると考えます。
なお、立憲主義を、憲法は国民が権力を縛るためのルールと理解し、解説する方も日本には多いのですが、同時に、国民の幸福を守ろうとする政府に国民は一方で協力、理解するということもセットであってこそ立憲主義の本来であり、人間社会の現実と調和、つながりを見詰めた考え方、国際的考え方であろうかとも考えます。
以上です。