尾藤廣喜の発言 (厚生労働委員会)
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○参考人(尾藤廣喜君) 捕捉率が日本は非常に低いということは、本当に大きな問題だと思うんですね。
その原因はいろいろあると思うんですけど、一つは、やはり制度の中身が本当に知られていない。例えば、申請したら必ず受け付けられなければならないということすら知られていない。現場でも平気で申請を拒否をしているというふうな状況とかですね。あるいは、どういう場合に生活保護を受けられるのかということについてもちゃんと知られていない。例えば、自動車を持っていても一定の場合だったら生活保護受けられますけれども、それも知られていない。あるいは、年金を受けていたらもう受けられないんじゃないかなというふうに思っておられる人、働いていたら受けられないんじゃないかなと思っている人、先ほど奥田参考人言われましたけど、半就労半福祉というのがあるわけですし、生活保護受けながら働いている方ももちろんたくさんおられるわけですけど、そういう状況を分かっていない。ただ、非常にその制度自体に誤解が広がっていて、それが制度の利用に結び付いていない。
私は、そういう状況を解消するのは本当は行政の責任だと思うわけです。ドイツですと、そういう場合、制度を周知徹底するのは行政の責任だという法律がございますので、ちゃんとPRも熱心にやっています。そういう発想を変えていって、制度というものをきちっとPRするということと、それから、現実に水際作戦と言われるような違法な申請拒否などをやらないということ、非常に大事だと思うんですね。
それと、もう一つは、先ほど奥田参考人が言われたことといみじくも同じなんですけど、例えばなかなか相談に来ない、申請しない。これ、福祉事務所に申請したらひどい目に遭ったとか、そういう体験で、二度と行きたくないという人、非常に多いわけですよね。だから、そういうバリアみたいなものをもっと下げる必要があるんじゃないかな、もっと努力をしなきゃいけないんじゃないかなということが一つです。
それから、基準が引き下げられたことによる被害の問題は、私はもうずっと、この間、いろんな生活保護を利用している方たち、特に母子加算と老齢加算が削減、なくなったときからずっと相談にもちろん乗っておりますので、例えばお風呂に入るのも一週間に一回とか二回しかできないとか、食事を二回にしているとか、特に高齢の方非常に多いですね。それからもう一つは、子供さんを持たれる母子家庭の方非常に多いという生活実態がありますので、その中で下位一〇%の方、つまり生活保護の捕捉率が低いために生活保護を申請していないかもしれない方たちも含めて比較をして基準を決めていくという手法は、まさにそういう貧困をどんどんどんどん拡大していく手法になるんじゃないかなと思うので、そういうやり方はもうやめていただきたいというふうに思っています。その生活実態から見ても、今の基準の決め方というのは非常に問題だなというふうに思っております。
以上です。