山地憲治の発言 (資源エネルギーに関する調査会)

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○参考人(山地憲治君) 地球環境産業技術研究機構、英語の略称のRITEというふうに呼ばれることが多いんですが、そのRITEの研究所長を務めております山地でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 私は、再生可能エネルギーに関する審議会のメンバーを幾つか務めておりますけれども、先週は、調達価格等算定委員会で来年度以降のFIT、固定価格買取り制度の買取り価格等について意見を取りまとめたところでございます。また、昨年末から審議を始めておりますが、再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会の委員長も務めております。このような経験を踏まえまして、本日は再生可能エネルギー大量導入の課題と対応というテーマで話をさせていただきます。
 お手元に一枚物の要旨が配られていると思いますが、その要旨に沿って、まず改正FIT法等による対応を含めまして現在の再生可能エネルギーの状況を説明させていただき、その後で今後の対応について私見を交えて私の意見を申させていただきたいと思います。
 まず、要旨の最初の世界的な再生可能エネルギーの大量導入ということでございますが、過去十年、二〇〇六年から二〇一六年の十年間で、太陽光発電は約五十倍になりました。六ギガワット、ギガワットというのは百万キロワットでございますが、六百万キロワットから三億三百万キロワット。それから、風力発電では約六倍、七千四百万キロワットから四億八千七百万キロワット。太陽光、最近は数千万キロワット、多分昨年度七千万キロワット入りましたので、恐らく現在は太陽光は四億キロワットに近いというふうに思います。
 我が国でも、FITの導入後、太陽光発電を中心に再エネ発電は非常に急増しております。FIT導入前、これは二〇一二年六月末ですが、と比べまして、昨年度末、一七年三月末、この間五年弱でございますが、この間に太陽光は約七倍になりました。五百六十万キロワットだったものが三千九百十万キロワット、現在は四千万キロワットを相当超えております。
 二〇一六年度、昨年度の電源構成において、水力以外の再エネ電源、太陽光、風力、バイオマス等ですが、この発電量が水力発電を少し上回りました。水力発電が、ちょっと昨年度は少し水力の出が悪かったんですけど、七・五%、全体のですね、その他の水力以外の再生可能エネルギーは七・八%でございまして、一五・三%、今や一五%を超えているということで、二〇三〇年のエネルギーミックスの目標が、再生可能エネルギー、二二から二四%ですから、それに近づきつつあるということです。
 それから、認定量というのがございます。後でちょっと説明いたしますが、二〇一七年の三月末、昨年度末ですね、FITの認定量では、太陽光とバイオマスは二〇三〇年のエネルギーミックスの目標を過剰達成しているという状況でございます。ただ同時に、買取り価格の水準は、まだ欧米、特に欧州ですね、二倍以上で、国民負担も非常に急増しております。
 二〇一七年度の賦課金、賦課金というのについても後でちょっと説明しますが、キロワットアワー当たり二・六四円、電力多消費の特別な産業を除いて電力消費者に均等に負担が掛かっているわけですが、これによって年間賦課金としては二兆円を超えました。これは大体ほぼ二十年続きますから、この規模での再エネ事業者への補助が行われているということであります。
 賦課金と申しますのは、買取り価格を決めますが、それから電気としての価値といいますか、回避可能費用といいますけど、これは今、卸市場に連動しているんですけど、それを差し引いた部分を賦課金として消費者に割り当てる。例えば、太陽光発電は事業用は税抜きで四十円から始まったわけですが、電気の価値あるいは市場価格で十円ぐらいですから、その三十円分というのは賦課金という形で、電気事業者が負担するんではなくて、皆さんのところへツケが回っていると、そういう感じでございます。
 この二兆円を超える補助というのは、エネルギー政策の費用としては空前の規模だと思います。これが二十年近く続くというわけですが、比較しますと、サンシャイン計画というのを御存じの方多いと思うんですけど、第一次オイルショック後行われた、これ約二十年間続いたんですけど、総額で四千四百億です。九〇年代に我が国の太陽光発電、住宅用の太陽光発電の設置補助というのを始めましたが、これがピークのときで年間百億円ぐらいです。それと比べて桁違いの補助が行われているということは現実でございます。
 さて、それで、改正FIT法というものが二〇一六年の国会で成立いたしまして、これはまず、太陽光に偏った導入が行われている、それから国民負担が今言ったように年間二兆円を超えて急増している、それに対応するために、二〇一六年の五月に改正FIT法が成立して、昨年の四月から施行されている。
 これ、幾つか項目がありますが、まず一つは新認定制度というものであります。これの目的は、未稼働案件の排除ということで、従来は系統に接続を申込みした段階で認定されておりましたが、系統接続の契約をしたと、それで負担金を払うということの確認した後の認定ということで、認定時期を後ろへずらしました。それとともに、認定から運転を開始するまでの期間を制限することができるようにしました。太陽光の場合、事業用の場合は三年。
 それから、適切な事業規制。これは特に小型の場合に多いんですけれども、五十キロワット未満ですと住宅の宅地分譲みたいな形でかなり広いところを分割して売る、それで景観破壊とかあるいは森林伐採とかといういろんな環境問題が顕在化したので、それを健全な事業を継続させるということで、規制の強化であるとか、あるいは所有者が誰なのかということを看板を作るというような情報開示ということをこの事業規制の中で整備いたしました。
 それから、新認定制度の認定の問題ですけど、認定された段階の、時点での買取り価格が適用されるわけです。改正前は接続申請時の認定でしたので、それから実際工事をして運転開始するまでにかなりの時間がありますが、太陽光の場合は本当は早いんですけれども、ただ、太陽光パネル、物すごく価格が急落していますので、認定時の高い買取り価格を維持したまま稼働を遅延させてもうけようというインセンティブが働く、これを防止するための対応を取ったということです。
 それから二番目は、コスト効率的な導入ということで、これはまず、大規模太陽光発電から入札というものをやりました。それから、中長期的な買取り価格目標というものを決めることにしました。
 まず、今年度から始めたものは、二メガワット、二千キロワット以上の大型の太陽光発電について、今年度一回、来年度二回、試行的な入札をやって制度の整備をするということになっています。今年度の一回目は終わったんですが、募集規模ほど実は落札がありませんでした。その原因等を調べると、意欲はあるんだけど、ちょっと保証金の没収のルールとか、その辺りでなかなか進まないということがあったので、保証金の取扱いなどを今修正した、意見をまとめたところであります。
 それから、中長期目標という意味では、事業用の太陽光発電の目標は二〇二〇年には十四円、三〇年には七円、風力についても二〇三〇年には八から九円、陸上風力ですが、そういうことを目標を決めました。
 また、それ以外に、逆に地熱とかすごく時間が掛かるものもあるので、そういうリードタイムの長い電源の導入促進のためには、少し先の買取り価格も提示ということもやるようにいたしました。
 以上が改正FIT法の対応でありますけど、その次で、先ほど申し上げた、長い名前なのでちょっと略称にしましたが、再エネ大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会での対応でございます。
 これは審議中なのでありますが、この小委員会で決定した事項については適宜実施ということで、実際並行して実施されております。この小委員会は、エネルギー基本計画を作っている基本政策分科会からのタスクアウトであって、再エネのコスト競争力を持たせて主力電源にしよう、それから一方、実は今、足下問題になっているのは、系統制約というのが目立っている、それの克服ということを目的としたもので、幾つか項目はありますが、三項目まとめましたが、更なるコスト低減をしてコスト競争力のある主力電源に持っていく、そのために、やっぱり入札制度の活用を更に広げていく。太陽光の大型から見ましたが、来年度からは木質バイオマスの一万キロワット以上とかというものも入札対象とする。それから、太陽光発電以外にも、認定から運転開始の期限を付けるというような対応をしております。
 それから、事業環境整備。これは、規制のリバランスといっているのは、規制をある程度、環境問題を起こしているので厳しくするところもあるんだけれども、しかし環境アセスで余りにも長い時間が掛かっているというようなところに関しては少し緩和していく、そういう意味でリバランス。
 それから、FIT期間終了後、実は家庭用の買取りは十年なものですから、本格的な買取りが始まる前、自公政権時代に決定して二〇〇九年の十一月でしたか、導入した住宅用家庭の買取りが来年終わります。その後、じゃ自立させなきゃいけないというので、その自立支援促進。
 それから、洋上風力。ヨーロッパで非常に盛んなんですけれども、日本でも今、だんだんだんだん始まっているんですが、これをどう促進していくか。そういうことに対応した海洋、海域の利用ルールの整備とか、そういうものをやっております。
 また、FIT期間終了後の自立促進としては、電気自動車とか、あるいはゼロエネルギービルとか、ゼロエネルギー、ZEBとかZEHとか言っていますが、そういうものと組み合わせて自家消費を促進するとか、あるいはVPP、バーチャルパワープラントの電源として活用するというようなことの整備を進めています。
 それから、問題は系統制約の克服であって、今、日本版コネクト・アンド・マネージということが言われているので、これは次の項目で説明しますが、それとともに接続に伴う費用負担が過大であるとか公平であるとか、そういうことがあるのでそれの見直し。
 それから、系統情報の開示、公開、そういうことですね。つまり、系統が空いているのにつなげないのはなぜかとか、接続費用、何でこんなに高いのとか、手続遅いね、そういう苦情に対応するということを今やっております。
 今注目されているのは、その日本版コネクト・アンド・マネージと言われているものですが、これは、電気というのは瞬時、瞬時で需給バランスを取らなきゃいけない、こういう電気の特性について理解不足というところもあるんですが、ただ、送配電部門が中立化していくという、今、電力システム改革の制度整備がまだ遅れているという側面もあります。
 かつては、発電、送配電、販売というのが、垂直一貫という言い方をしていましたけれども、電気事業を行っていたわけで、送配電部門の整備とか運用というのも電力会社の回線の中で行われていたわけですね。電力会社は、キロワットアワーという電気エネルギーを販売して収入を得ていますけれども、現実には容量であるキロワットとか調整力であるデルタキロワットとか、そういうものを総合調整して電気の質と安定供給を実現していたわけです。
 今は、それぞれの市場、キロワットアワーの市場、キロワットの市場、デルタキロワットの市場で調整するというものを準備している段階にあるわけです。ここを認識しておかないと、私は見ていると、無用の誤解であるとかあるいは疑心暗鬼が起こっているというふうに思います。
 実際に何をやろうとしているか。これも三つあるんですけど、まず一つは想定潮流の合理化というものです。
 これは、ここに電源稼働の蓋然性評価とか自然変動電源の出力評価と書きましたが、今までどうやってきたかというと、接続契約をしている電源は、定格、最大の出力で動くと想定してどれぐらい空いているか、それを配分していたわけですけれども、実は、垂直一貫のときも、空いているところを、今定格で動いていないところが空いていればほかのものを運用していたわけですが、今、そこを分離されたものだからなかなかそれができなくなっているというわけです。だから、どれぐらい電線に電気が流れるのかを現実に即して想定をきちんと行って、空きを見付けてそこを接続契約させよう、これが想定潮流の合理化です。
 二番目は、ちょっとまたニックネームが付いているようですけど、N―一電制と呼んでいます。これは送電線の事故時に瞬時に電源制限を行って運用容量を拡大しようというものです。ただ、電源制限と費用負担の分離をさせなきゃいけないというところがあります。
 ちょっと詳しく説明しますと、N―一というルールは、これも瞬時瞬時供給に係っている、どの送電線が一本故障しても停電が回避されて周波数とか電圧が健全に保てると。普通、電線というのは、二回線というか二本通っているんですけど、一本落ちても通せるとなっているから、基本的にこのN―一ルールとなると二回線の場合には五〇%しか流れない。この部分を、しかし、いつも事故が起こるわけじゃないんだから、事故が起こったらリレーで瞬時に電源を切ると、そしてその予備として持っていた部分も活用しようというのがN―一電制です。ただ、電源制限された電源というのは販売できなくなるので損をするわけですけど、その損は、しかし、制限された電源だけが持つんじゃなくて損害の負担ルールを決めようと、そこがまだ決まっていないものですから、切られる電源と費用負担が一致する場合には来年度からでもやろう、そういう議論を進めています。
 それから、あと電源制限された部分、ごめんなさい、ちょっとその次を見てください、時間がないので。ノンファーム接続というのがございます。これは送電容量のそもそも枠を与えないんだけど、空きがあるときは送ってもいいよと、そういう接続です。これもかつての電気事業はやれていたはずなんですけど、今、プレーヤーが分かれたからできなくなりまして、この新規電源接続を、空き容量が存在、与えないんだけども、空いていたら使ってもいいよ。
 ただ、この場合、問題になるのは、市場の中でゲートクローズというのがありまして、キロワットアワー取引で一時間前にゲートクローズをする、その後、実はリアルタイムで調整するんですが、ゲートクローズまでに枠を与えちゃうわけです、このノンファームにも。じゃ、そのゲートクローズ後の調整をどうするか、費用負担をどうするか、そういう議論をしているところであります。
 以下、私見のところにあるんですけれども、基本的に皆さんの前でまず申し上げたいところは以上でございますので、時間が参りましたので、その残りの部分については、質疑がございましたらその中で御対応したいと思います。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 山地憲治

speaker_id: 14388

日付: 2018-02-14

院: 参議院

会議名: 資源エネルギーに関する調査会