磯部達の発言 (資源エネルギーに関する調査会)
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○参考人(磯部達君) 福岡県みやま市から参りました磯部でございます。
お手元に自治体エネルギー会社が進める地方創生というタイトルの資料をお配りしておりますので、配っていただいておりますので、これに従って御説明をさせていただきます。
私たちは、福岡県みやま市が過半数を出資する地域のエネルギー会社です。地域にある再生可能エネルギーをできるだけ活用し、あるいは、これからも住民、市民の方と再生可能エネルギーを使いつつ、地域の中で電力の売買というエネルギーを循環させることによってその収益を地域課題の解決につなげていこうという趣旨であります。
したがって、電力会社のように電力の売買によるROEの最大化、株式会社としての価値の最大化ではなくて、その収益をいかに地域の中に還元して、そこに住みやすい、そこに住み続けられるような地域をいかにつくっていくか。その地域の課題というのは様々です。高齢化の課題、あるいは子育ての要求、あるいは健康づくり、様々なんですけれども、それぞれの地域の優先課題に従った形でその収益を活用していく、それによってエネルギー事業による地方創生を進めていくということで今活動をしております。
一ページ目ですけれども、多くの地方自治体が人口減少あるいは高齢化、それによる活力減退に直面をしております。安定した雇用を維持し、あるいは若い世代の希望をかなえるためにいかに行政がいろんなサービスを提供していくかということで日々活動しておられるわけですけれども、その中で、エネルギーを基盤にしたエネルギーの地域資源というのを有効に活用できる地域がたくさんあります。実は、そうした埋もれているエネルギーを使って地域の活性化をしていくということです。
再生可能エネルギーの普及にもつながりますし、経済の循環という視点でいうと、例えば、みやま市は人口三万八千人ちょっとの非常に小さな町ですけれども、およそ電気代が年間四十億円から五十億円ぐらいかと推定をしております。その中で、大学の先生におよそ全国のマーケットを聞いておりますと、電気代の中のおよそ半分ぐらいは発電所のメンテナンスですとか電線とか電柱の交換、メンテナンス費用に使われて、残りの半分のうち、日本の場合は電力の自給自足率が六%と、ほとんどは海外に、その電力をつくるための資源を海外から求めなきゃいけませんので、九四%は実は地域の電力会社を通じて資源を海外に求めてキャッシュアウトしているということを考えると、およそ五十億円のみやま市の電気代のうち二十億円ぐらいは地元九州電力を通じて海外から資源を買ってきて、それを燃焼させて化石燃料として電力をつくり出して供給をしていると。この二十億円を、実は地域の中の再生可能エネルギーを余すところなく活用できる形になれば、海外にわざわざ流出させることはないんじゃないか、それによる地域活性化の効果というのは一定規模で考えられるのではないかということも一つの考え方です。
幸い、制度が大きく改正をいただきまして、電力の小売自由化が認められ、新規の電力事業者である私たちのような会社がその地域の貢献を目的として活動できるようになりました。しかも、その電力の料金ですとかメニューみたいなものは、その地域の特性に合わせて作ることができる、交渉で決定することができるという現状でございます。
三ページですけれども、政府の目的は、電気料金を低減させてより消費者に多くの選択肢を与える、サービスのメニューの提供を与えることができるということにするということなんですけど、実は、最後に御説明いたしますけれども、こうした電力の自由化によって、地域地域が地域の知恵で事業を進めることによって新しいビジネスチャンスを生むことができているということが、イノベーションが生まれる環境が地域に存在をしているということが挙げられると思います。
五ページを御覧ください。
我々のビジネスモデルを単純化すると、地域の中にある太陽光発電、あるいは小水力、あるいは自治体が所有しているクリーンセンター、ごみ発電所のような電力を地域のために活用する、電力の売買を地域の住民、市民あるいは地域の企業に対して提供する、その利益を、その収益を更にその地域を良くするための市民サービスあるいは産業振興に使っていくという目的で、こうしたモデルをみやま市が少し先行的に始めさせていただきましたけど、今、多くの自治体さんから、このモデルのような形で地方創生を進めていきたいという御相談をいただいておりまして、こうした地域再生可能エネルギーを活用した地方創生の在り方をこれから日本の中で定着していけるようになればということでございます。
六ページですけれども、私たちの基本的な考えは、今申し上げましたように、地域の中に再生可能エネルギーを循環させて電力を販売する、その収益をもって市民へのサービスを行っていく、地産地消の産業振興に充てていくということであります。
七ページを飛ばして、次、八ページ目でございます。
こうした市が保有するメガソーラーがございました。元々、東京の事業者に土地を貸して、そこで電力の収益、土地の収益を上げていこうという考えもあったようですけれども、市長は、地元のために、地元の人たちと一緒にこの再生可能エネルギーをつくり、地元のために使っていこうということで、市内の商工会議所のメンバーに声を掛けて、市役所が筆頭株主になって発電所を造りました。今、この電力は私たちが地域のために使っています。
一方で、実は、私たちの調達電力の最大のボリュームはこの左の住宅の屋根に付いている太陽光で、おうちで消費された自家消費の残りの余剰電力をたくさんの方々から調達をして買い集めて、FITという制度で九州電力に今までは売っていらっしゃいますけれども、それを地域のためにということで私たちがお声掛けをして買い集めて、それを地域の市民の方々に更に循環をさせていくということで、地域の住民、市民とともに再生可能エネルギーをその地域の中で使いこなしていくという活動をしています。
一方で、そうした地域エネルギーの取組とともに、九ページですけれども、今ちょうど、人口減少に伴って小学校の統廃合を幾つか進めておりますけれども、その跡地を利用したバイオマスのプラントの建設を今ちょうどしているところで、この秋に完成予定でございます。
生ごみや食物残渣やあるいはし尿といったものを集めて、市民の方々のそうした生活そのものの資源をメタン発酵させて堆肥にして、液肥にして、それをまた農家、農民の方に配ってお米、果物、野菜を作っていただき、それをまた市民の方々が口にし、残渣を処理をして液肥にする、堆肥にするというような資源循環の町化、こうした取組もエネルギーとともに進めていこうということで、今行っているところでございます。
ということで、十ページにありますように、我々は、行政が五五%を出資して、市民のために電力及びサービスを供給する会社として設立をいたしました。
十一ページですけれども、御覧のように、みやま市の人口統計が出ていますけれども、毎年五百人ずつ人口が減少しています。二百人が社会減、三百人が自然減ということで、社会減と言われる、子供たちが結婚だとか就職を機にみやま市から出ていってそのまま帰ってこない。それによって高齢化が進み、独り暮らしの方々が非常に増えてきて、若者が流出することによって地域が疲弊をすると。これは地方に共通した課題だと思います。
そうした地域の課題を市民とともに、何とかこの町をもう一回元気にするためにどうしたらいいんだろうということを、市民のアイデアとともに、この電力の収益基盤をもって地域課題を解決をしていくということで、十二ページですけれども、輸入に頼らずに自給自足を目指して、可能な限り、徐々にですけれども、長期目標を定めて、目標値としては再生可能エネルギー一〇〇%の地域を目指していこうということです。そして、市内で雇用を増やして経済を活性化して、高齢者にも働く機会をつくり、そして、みやまにずっと住み続けたいと思っていただけるような若い世代をつくり上げていくという、元気な町をつくっていくためにこの再生可能エネルギーを活用しているということでございます。
私たちの会社の資本構成は、十三ページにありますように、みやま市が五五%、地元の地銀さん、筑邦銀行さんが五%、そして、みやま市に本社がある民間企業みやまパワーホールディングスの三者で構成をしております。私が代表を務めておりますが、みやま市の市長、筑邦銀行の役員、みやまパワーホールディングスの会長がそれぞれ私たちの取締役に入っていただいて、四者で構成をしていると。
そうしたエネルギーの収益の使い道ですけれども、次の十四ページ、こうした一例として、タブレットを配っております。その中には、行政として市民に直接届けたいお知らせ情報、防犯とか防災とか、あるいは、こうした寒い季節ですから水道管の凍結の防止みたいな呼びかけを、タブレットを通じて私たちが行政と連携をしながら情報配信をしています。
それと、このみやま横丁という紫色のボタンですけれども、ヤフーとか楽天とかアマゾンとかというような普通のインターネットのショッピングサイトと同じなんですが、違うところは、みやま市の商工会に加盟している地元の商店でお買物ができ、地元でお金を落としていって地元で経済を回していこうという目的で、電力の御契約をいただいた方にポイントを付けて、そのポイントでお買物をしていただくということで、我々の社員が集荷をして配達をしています。配達をするときに、御高齢の御利用でしたら、ちょっとお声掛けをして見守りの目になったり、それと、見守りサービスというのは、電力データを利活用した、ふだんと違う電気の使い方を私たちが把握をして、そのことでお年寄りの安否を見守る、あるいは子供が帰ってきたときの状態、情報を働くお父さんやお母さんに知らせるというようなことをしています。
それ以外に、比較的やはり高齢化率が進んでおりますので、高齢者に優しい町づくり、何とかして行政の福祉サービスだけでは手が届かないようなところを私たちがカバーをして、より安心、安全に暮らしていただけるような地域づくりをしていこうという活動でございます。
十五ページは、その一環として、この写真の真ん中にあるのが私たちの本社ですけれども、地域の中で六次産業化、農業就業人口率が六〇%の本当に穏やかな農業地帯ですけれども、新鮮な野菜や果物を通じて、ジャムにしたりジュースにしたりというような加工品を市民とともに作り出していこうというスペースのためにコミュニティースペースをつくりました。
そのコミュニティースペースでは、高齢者のタブレット教室ですとか子供たちの環境学習の場ですとか月に一回ぐらいはコンサートを開いたりとか、地域の方々が集まって、そこで様々な意見交換をしたり課題を認識したり、そしてこの町づくり、この町をどうしたらもっと元気な町にしていけるのかというようなことを、コミュニティーのスペースとしてもこの電力の収益を活用しながら地域の拠点としております。
実は、電力の売買というのは非常に技術的に難しいと言われているんですけれども、私たちは、今、グループ全体で五十数名、この二年ちょっとで五十名の雇用をしております。地元ばかりです。全て内作をして、システムの導入からシステムのオペレーションから、東京とは限りませんけれども、大阪や東京の企業に頼らずに全て地元の人たちで運営をしているということで、地域の課題解決につながるような取組を今行っているところでございます。
一つ、最後に、十八ページですけれども、実は電力というのは目に見えないのでなかなか分かりづらいところはあるんですけれども、家電ごとに電力波形が違いますので、エアコンが黄色、例えば冷蔵庫が赤、照明が緑というように、全ての家電ごとに色分けができます。そうした部屋ごと、家電ごとの電気の使い方を我々が電力データを分析することによって、もっとあなたの御家庭だったらこういう行動をすれば省エネルギーにつながりますよ、CO2削減につながりますよというようなメッセージの配信ができます。それを今、環境省の委託事業で進めておりまして、これちょうど一年間二百世帯の方々からデータをいただきまして、今その効果の御報告を環境省に対してする予定でございます。
そうした地域全体のCO2削減だけではなくて、例えば地域のイノベーション、ビジネスとして考えたときには、家電ごとの買換え提案ですとかエコリフォームの提案ですとか、先ほどから山地先生や、御報告がございましたけれども、例えばエコキュートを買い換えたらどうですかというような単なる商品の提案ではなくて、個別具体的な、その御家庭の電気の使い方に合った御提案を我々が地域の家電店、地域の工務店とともに提案をすることによって地域が更に元気になっていくという、経済活動が進んでいくというようなことで、電力データを利活用しながら地域を元気にするという方法としては非常にいろんなことがこれから考えられるのではないかなと思います。
最後に、二十ページですけれども、行政が関与する意味や必要性というのが非常に大きいと思っておりますので、こうした公的サービスを提供して、地域の中で持続可能な経営を地方自治体とともに考えていくということがこれから非常に重要になってくるのではないかなというように思っております。
以上で私の意見陳述を終わらせていただきます。
ありがとうございました。