江島潔の発言 (政府開発援助等に関する特別委員会)
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○江島潔君 それでは、ODA調査派遣第三班について御報告を申し上げます。
当班は、本年一月八日から十八日までの十一日間、ナイジェリア連邦共和国、コートジボワール共和国、ベナン共和国及びフランス共和国の四か国に派遣されました。このうち、ナイジェリア、コートジボワール及びベナンの三か国はODA調査として初訪問国でありました。
派遣議員は、堂故茂議員、蓮舫議員、そして私、団長を務めました江島潔の三名でございます。
本日は、調査を通じて得られました所見を中心に、その概要を御報告をいたします。
お手元に配付してあります当班の視察案件等資料の十二ページ以降に報告順に視察案件の写真を掲載をしておりますので、併せて御覧いただければと思います。
まず、持続的な第一次産業振興支援の重要性についてであります。
コートジボワールにおきまして国産米振興プロジェクトを視察いたしました。これは十二ページの写真の①と②に掲載してございます。
本プロジェクトでは、米の輸入依存度を下げるため、生産から精米、流通、消費に至るバリューチェーンの全体的な底上げを目指しております。
また、生産に関しまして、まず専門家が生産者のリーダーに対して指導を行い、そこで指導されたリーダーが自分の村で生産者への指導を行うという二段階の方式を取っております。これにより、プロジェクトの終了後も、習得した技術を地域において継承するプロジェクトの持続性を確保していくことが期待をされております。
続いて、写真は十二ページの二―①と②であります。ベナンにおきまして内水面養殖普及プロジェクトを視察いたしました。
本プロジェクトは、水産物の消費量が増大し、多くを輸入に頼っているベナンにおきまして内水面養殖の振興を図ろうとするものであります。二〇一〇年から一四年にかけて第一フェーズが行われ、対象地域の養殖家人口が二・五倍になる成果を上げております。昨年二月から第二フェーズが開始され、ベナン全土を対象として生産量の増加に重点を置いたプロジェクトが実施されております。
本プロジェクトでは、日本人専門家が中核養殖家を育成した後、中核養殖家が習得した技術を一般養殖家に普及させていくというアプローチを取っております。
これらのプロジェクトでは、いずれも、地元の人たちの間で技術の継承を行うことで、ODAによる支援が終わった後もその技術で自立できるような支援となっていることが特徴であり、こうした持続性のある支援の在り方は非常に重要であると感じました。
続いて、十三ページの、写真でいいますと三―①と②であります。質の高いインフラ整備の重要性についてでございます。コートジボワールにおきまして日本・コートジボワール友好交差点改善計画を視察をいたしました。
本事業は、過度に交通が集中する同交差点の立体化により渋滞緩和を行うことを目的としております。
事業実施に当たり、先方からの要請等も踏まえて、走行の安全性を重視した工法の選択、維持管理コストの低減、景観に配慮したシンプルな構造の採用等、高い施工技術を要するものとなっている反面、これが他国にはまねのできない質の高いインフラとなっているとのことでございます。
なお、本事業の基礎となる都市開発及び交通に関するマスタープランは、我が国が策定支援したものであり、日本型の開発手法の質の高さに着目をした上での選択であったとのことでございます。
経済の成長、発展を図る上でインフラの整備は極めて重要であり、今後とも要請に応じて質の高い支援を行っていく必要があると感じました。
次に、教育、人づくりに対する支援の必要性についてであります。写真は十三ページ、四―①と②を御参照ください。ナイジェリアにおきまして、ドゥルミ職業訓練施設を視察をいたしました。
同施設におきましては、早い段階で就学機会を失った女性を対象として、生計向上を目的とした製パン、理容、裁縫、家庭用品作り等の職業訓練を実施しており、年間約三百名の女性が職業技術を習得し、就業機会の向上が図られております。訓練を受けている女性から、大学に行きたいという声を聞いたのは大変印象的でありました。こうした職業訓練の場の提供により、生活の質の向上につながることが期待されます。
続きまして、コートジボワールにおきましては、アニャマ・ノール複合小学校を視察いたしました。写真は十四ページの五―①と②を御参照ください。
同校では、教室の建設等が行われたことにより、生徒の受入れ人数が増加するなど、教育の環境、質が向上したとのことであります。教育は国の発展の礎となる重要なものですが、その公平なアクセスと質の改善に役立っていることを認識をいたしました。
人材育成に関しまして、TICADⅥのナイロビ宣言では、教育、技術・職業訓練を通じた必要なスキルを伸ばす取組を加速させるとしております。
今後とも、教育、人づくりの重要性に鑑み、適切な支援を行っていく必要があると感じております。
次に、保健分野の支援の必要性であります。写真は十四ページの六を御参照ください。
これは、ナイジェリアにおいて、スラム地区の貧困層の人たちを対象とした地域保健サービス強化プロジェクトの取組を視察したところであります。保健状況の改善が急務となっているナイジェリアにおいて、貧困層にも行き届く保健医療体制づくりの重要性を実感いたしました。
続いて、写真は十五ページの七を御参照ください。ベナンにおきまして、ラギューン母子病院を視察をいたしました。
ベナン最大の母子病院である同病院において、病棟の新設や医療機材等の整備を行うとともに、同病院職員の本邦研修等を実施し、地域住民の母子保健サービスへのアクセス改善、質の向上が図られております。
ベナンにおいては、乳幼児や妊産婦の死亡率はいまだ高い水準となっております。日本の協力により、この病院では救われる命が母子ともに格段に増加をしているとのことでありますが、他地域においてもこうした医療へのアクセスの改善を図っていく必要があると感じました。
西アフリカ諸国においては、母子保健分野を始めとする保健医療サービスが十分なものとはなっておりません。各国の政府要人との会談においては、我が国の保健分野への協力に対し謝意が述べられました。引き続き、保健システムの強化に向けた支援を行っていく必要性を感じました。
続いて、ODAを通じた日本に対する理解醸成の重要性であります。
写真は十五ページ、八―①と②を御参照ください。これは、ベナンにおいて、たけし日本語学校という施設を視察をいたしました。
本校は、ゾマホン前駐日本ベナン大使によって設立をされたIFE財団が平成十五年から運営しているベナンで唯一の日本語学校であり、無料で日本語の授業及び日本文化の紹介が行われております。本校の卒業生は千四百名を超えており、そのうち約六十名が日本への留学経験があるとのことであります。
関連して、日本の国費留学制度において、試験科目で英語が必修とされており、日本語に加えて英語を学ぶことはフランス語を公用語とするベナン人にとって大きな負担となるので是非配慮をお願いしたいとの要望が述べられました。アフリカの地において多くの若者が日本語を習得しようとする熱心な姿は、とても印象的でありました。今後は、ベナン国内のみならず、仏語圏アフリカにおいて日本語教育を広めていきたいとのことでありました。
このほか、ナイジェリアにおいては、日本のテレビ番組を放映をしたいという要望も聞きました。こうした取組により、アフリカの地において日本の文化に対する理解が深まることが大いに期待をされます。ODAを通じた日本文化への理解促進は、今後、より重点を置いて取り組む分野であると感じました。
次に、紛争に伴う避難民支援と復興支援の重要性でございます。
写真は十六ページの九―①、②を御参照ください。これは、ナイジェリアにおいて国内避難民キャンプを視察をしたところであります。
ナイジェリアでは、北東部においてテロが頻発をした結果、多くの住民が避難を余儀なくされている状況であります。こうした状況を受け、日本は、国際機関と連携しながら人道・復興支援及びテロ対策支援を実施しております。
視察したこのキャンプにおきましては、国内避難民に対する職業訓練の研修の一環として、改良パーボイル技術の研修が実施されていました。
この改良パーボイル技術とは、二〇一六年に終了したJICAの技術協力プロジェクトで開発をされたものであります。この技術により米の品質が向上し、直接所得の向上につながることから非常に喜ばれているとのことであり、現在、国内避難民を含め広く普及を図っているとのことでありました。このような技術を生かした地道な貢献の重要性を実感をいたしました。
最後に、民間企業の投資の促進に向けた取組でございます。写真は十六ページの十を御覧ください。
ベナンにおきましては、タロン大統領を訪問した際に、日本のODAによる協力、支援に対する謝意が述べられるとともに、日本からの民間投資を呼び込むこと、その上での阻害要因の除去など、環境づくりを進めていきたい旨の意向が述べられました。また、ほかの二国におきましても同様の意向が述べられております。
いずれの国も若年層が多く存在しており、特にナイジェリアは将来的には米国を抜き世界第三位の人口大国となることが予測されているなど、西アフリカが人的資源の面から大きな魅力を感じる市場そのものであります。こうした地域に民間の投資を促していくことは重要であると言えます。
これに関連しまして、現地日系企業関係者との懇談において、仮に規模は小さくとも意欲を持って取り組んでいる企業については、もっとODA事業の受入れ主体となる道が開かれるようであってほしいとの指摘がありました。
現在、これらの国では、若者の雇用確保が大きな課題となっており、かつ、治安面など投資環境が必ずしも良いとは言えません。ODA等の支援によって、こうした環境整備を進めていくとともに、企業だけでは解決が困難な問題に対する国によるきめ細やかな支援が必要であると感じました。
こうした課題を解決して、日本とアフリカ諸国とのお互いのウイン・ウインの関係を構築していく必要があります。
最後に、フランスについて申し上げます。写真は十六ページの十一を御参照ください。
フランスにおいては、欧州・外務省及びフランス開発庁の担当者との意見交換を行いました。
フランスでは、マクロン政権の下で、対アフリカ重視を含む開発援助政策の新たな方向性が打ち出されているところであります。
アフリカ地域における支援において、フランスと、それぞれが得意とする分野を生かしながら協調して支援を行う必要性を感じました。
最後になりますが、今回の派遣に当たり御協力いただいた外務省及び在外公館、JICAを始め、現地で御活躍をされる青年海外協力隊や日本企業の方々に心から感謝を申し上げ、報告といたします。
ありがとうございました。