片山虎之助の発言 (本会議)
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○片山虎之助君 日本維新の会の片山虎之助です。
私は、我が党を代表して、安倍総理に質問いたします。
まず、この度の草津白根山の噴火により、訓練中に亡くなられた自衛官に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた皆様に対し心よりお見舞いを申し上げます。また、身を挺して救助・捜索活動に当たられる消防、警察を始めとする関係の皆様に敬意と感謝をささげます。
安倍総理が政権に復帰して昨年末で五年を経過し、在職日数は戦後で三位、歴代では五位、今年九月の自民党総裁選を乗り越えれば歴代一位、憲政史上最長の政権となる状況も見えてきました。主要七か国、G7のトップのうち、安倍総理はドイツのメルケル首相に次いで二番目に長く、ほかはおよそ二年以下です。首相は、この五年間、地球儀を俯瞰しつつ、世界中を駆け巡り、首脳外交を展開、多くの実績を上げてきたことを評価します。
また、内政については、世界の好景気を背景に、アベノミクス効果を生かし、戦後最長の景気拡大をうかがう勢いですが、一方で、賃金や個人消費が伸び悩み、景気回復に力強さがなく、国民の実感が乏しいという指摘が多いのも事実です。
総理は、特別国会の答弁で、次の時代を切り開くための政策の実行が政治の使命と言われました。今後、更なる長期政権を目指されるならば、何を成し遂げたいのか、次の目標は何なのかを明確に国民に示していただきたい。総理、いかがですか。
また、三選されればそれ以上はなく、後継者の議論が必ず出てきます。後継者につき御所見があればお伺いします。
一方で、長期政権であるがゆえのおごり、緩み、たるみが出、モリカケ問題はその最たるものだと言われています。一時低下した内閣支持率も回復、五割前後を維持しているものの、ひところの勢いは感じられません。長期ゆえの飽きは当然出ますし、民意の移ろいやすさは、昨年の都議選、衆院選を通じても十分に証明されました。長期政権に対する負のイメージをどのように払拭されるおつもりか、併せてお伺いします。
次に、国会運営についてです。
昨年は衆院選もあって国会の実質会期が短かった上、日程闘争やパフォーマンスにエネルギーが割かれ、肝腎の政策論議がおろそかにされた気がします。今の国会は、国権の最高機関としての権威も乏しく、唯一の立法機関としての役割も不十分です。したがって、国会改革は急務で、次の提案をいたします。
第一に、強行採決と審議拒否はしないことの与野党間での原則の確立。二つ、国会が閣法の追認機関から脱却するため、議員立法審議のルール化。三つ、与党の事前審査を考慮した上で、議席数を基本とする質問時間の公平な配分。四つ、各省庁の超過勤務の最大の原因である質問通告の遅れの解消。五つ、予算委審議との調整を図った上で党首討論の抜本的な見直し。
これらについて、総理は衆参で単独過半数を持つ自民党総裁としてどうお考えか、答弁を求めます。
今年は、明治維新からちょうど百五十年目に当たります。維新とは、百事一新、全てが改まって新しくなることですが、この節目の年に改めて、維新改革、我々はグレートリセットと呼んでおりますが、その原点に立ち返り、その実現に邁進する決意です。
維新改革の核心は、身を切る改革、徹底行革と地方分権、統治機構改革ですが、そのうちの国会議員の身を切る改革については、既に議員立法で幾つかの提案をしてきました。しかし、他党の同意が得られませんので、一昨年から我が党だけで自主的に実行しております。
主なものは、第一に、議員歳費の約二割、一人月十八万円を拠出して被災地等を支援する。二つ、企業・団体献金は受け取らない。三つ、議員へ支給される文書通信交通滞在費、一人百万円の使途を公開する。四つ、党支部への寄附の税額還付は受けない等です。
改めて伺いますが、総理、一国会議員として、これに賛同されませんか。
また、我が党は、東京圏一極集中是正を目指す大きな柱として大阪都構想を推進しています。再度の住民投票への対応を含め、その実現に全力で取り組みます。あるべき地方自治の形を中央政府でなくて地方住民自らが決める、そういう新しい潮流をつくっていきたいと考えておりますが、総理の御感想があればお聞かせください。
我が党は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義など、現行憲法の優れた点を守っていくのは当然として、一方で、憲法制定当時に想定していなかったもろもろの問題が起こり、それを是正する必要のあるいわゆる憲法事実が生じた場合は、憲法改正を国民の同意を得て行うべきだという立場です。その立場から我が党は、一昨年三月に憲法改正原案をまとめ、条文まで発表しました。
第一、国民の教育を受ける権利に関し、経済的理由によってその機会を奪われない旨を明確にし、教育の機会均等を実現する教育無償化。東京圏一極集中を打破し、真の地方分権を実現するため、地域立法権や課税自主権等を拡充する国と地方の統治機構改革。第三、安全保障上の重要法案等の合憲性を的確に判断する憲法裁判所の設置の三点です。
自民党が検討中の第九条改正についても、現在、平和安全法制との関連も含め、真摯に意見集約を図っております。これらについて、総理の御意見をお伺いします。
現憲法は、制定過程で国民投票が行われなかったことが最大の欠陥です。今回、国民投票が行われれば、日本史上初めて憲法に対し国民が主権を行使したことになります。七十年以上も国民の主権を行使する機会を奪ってきたことは、私は国会の怠慢だと思いますが、総理、いかがですか。
我が党は、現憲法に規定されている義務教育の無償化を拡大し、義務教育の義務を取って教育全体の無償化を憲法に書き込み、これを政権交代や財政状況に左右されない国是としたいと考えています。しかしながら、これは教育全てを直ちにということではなく、特に高等教育機関については慎重に進め、質の確保や向上、再編や統廃合が促進されなければなりませんし、バウチャー制度の導入も検討されるべきです。総理の御答弁を伺います。
総理は、憲法改正を公約に掲げて衆院選を戦われましたが、時期にはこだわらないとも発言されています。しかし、年初の記者会見では、今年こそ憲法のあるべき姿を提示と述べられました。時期にこだわらないとしても、目安がある方が議論が進みます。最大会派の自民党総裁として、目安をいかにお考えですか。
次に、外交・安全保障についてお伺いします。
韓国は中国と接近し、また平昌五輪を足掛かりに北朝鮮との対話も始めました。日米政府は南北対話は五輪での協力に限定されると見て静観し、ただし、圧力路線が分断されることは警戒しています。北朝鮮にとっては今回も単なる時間稼ぎをするためというさめた見方もあります。
文韓国大統領は、平成二十七年の日韓合意が最終的かつ不可逆的な解決としたにもかかわらず、慰安婦合意は受け入れられないとして日本に更なる自主的対応を求めました。一方で、日韓関係全般については本当の友人になることを望むと呼びかけ、歴史問題と安全保障や経済などとの協力を分離するツートラック外交の継続を述べています。一連の韓国の動きをどう評価されますか。平昌五輪で日韓首脳会談が開かれるならば、慰安婦問題での合意の履行を迫るべきです。いかがですか。
慰安婦像は、昨年サンフランシスコに寄贈されたのを始め、フィリピンやオーストラリアなど世界各地で建てられています。史実に基づかない碑文や慰安婦像が世界中に建てられていくことに対しどう対処されるのか、お伺いします。
次に、北朝鮮問題についてです。
日本全土は、弾道ミサイル、ノドンの射程内にあり、日本国民は強い不安を感じています。日本は、矛でなくて盾としても日本独自の防衛努力は必須です。総理はかつて、防衛予算についてはGDPの一%枠にこだわらないと答弁されましたが、北朝鮮のミサイル関連については、防衛大綱、中期防改定などを待たずに積極的に措置すべきだと考えますが、いかがですか。
また、イージス・アショアの二基導入を決定、さらに、長射程のスタンドオフミサイルの配備、導入は自衛隊として初めてのもので、敵基地攻撃を意図したものではないとの説明ですが、いかがですか。
さらに、日本上空の弾道ミサイル通過、EEZへの着弾の事実を踏まえ、領海内へ着弾した場合は武力攻撃切迫事態に認定すべきではありませんか。併せて伺います。
日本着弾に備え、国民の避難訓練、避難場所の準備などはどうお考えですか。また、韓国には約三万八千人の邦人が滞在し、年間二百万人の旅行者が訪れています。こうした皆さんの保護、拉致被害者の救出、武装難民対策、感染症対策など、課題が山積です。これらについていかにお考えですか。
中国は、昨年の共産党大会で習近平総書記の権威が確立、国内の勢力構図が固まり、それを受けてか中国の対日本への対応に変化の兆しが見えてきたように思われます。昨年十一月の日中首脳会談でも、日中国交正常化四十五周年、日中平和友好条約締結四十周年への対応、また、北朝鮮問題への連携が話し合われ、さらに、一帯一路を含め経済協力の強化も話題に上がったとされています。ただ、中国は、その後も尖閣諸島、東シナ海について核心的利益として領海侵犯を常態化するなど、日本や東南アジアを牽制、一筋縄ではいかない態度を取っています。経済関係についても、東アジアを中心にその影響力の拡大に引き続き注力しており、日本との関係は微妙です。日中関係は改善の兆しはあるものの、経済、防衛等の面ではまだまだ距離があると私は率直に思いますけれども、総理、いかにお考えですか。
中国とは長らく戦略的互恵関係と言ってきましたが、その成果はどうですか。このままこの方針を貫くのか、日本として別の戦略を立てるのか、総理の見解を伺います。
労働人口が減少し、少子高齢化が進む中、労働者の自由な移動を可能とし、個々人の能力を最大限に発揮して労働生産を高めることは、今の我が国にとって喫緊の課題です。今回の働き方改革におけるいわゆる高度プロフェッショナル制度、同一労働同一賃金はこうした課題解決に資するので、方向性には賛成です。
一方で、無制限な労働を強いられる、労働者の身分が著しく不安定になる、正社員の賃金の引下げにつながるなど反対意見もありますが、現状を打破し活力を取り戻すためには、マイナス面を抑えつつ多様な働き方を推進していくことが必須です。総理の御所見を伺います。
さらに、日本の労働慣行である終身雇用、年功賃金などの見直しも必要だとも指摘されていますが、いかがですか。
我が党は、既に独自に、高プロ制度について政府案より更に対象を拡大する法案や、労働者の生産性の高い分野への移動を円滑化するための解雇ルール明確化法案を提案しています。両法案につき御意見があれば伺います。
人生百年時代を見据えて、まず高齢者の定義を実態に合わせる。日本老年学会などは、高齢者は七十五歳以上、六十五から七十四歳は准高齢者にして社会を支える側に回ってもらうことを提案しています。私は検討に値すると考えます。実際に、高齢者の就労率が高い地域ほど医療費が少なく、平均寿命も高いという調査結果が出ています。
今や、我が国は人手不足経済に突入、意欲と能力ある高齢者の活用も課題になっていますけれども、その実現には、高齢者にふさわしい仕事、柔軟な働き方、雇用環境、さらにそれを支える年金などの仕組みが整わなければなりません。しかし、現状は不十分です。
働き方改革や一億総活躍社会が叫ばれる中、幅広い高齢者活用のシステムを早急に整備、世界にモデルを示すべきだと思いますが、総理、いかにお考えですか。
全世代型社会保障を構築するため、子育て世代や子供たちに対する保障を充実させる二兆円の経済政策パッケージの方向性については、一定の評価をいたします。しかし、財源を消費増税に求めることには賛成できません。
我が党は、一〇%への消費増税には、本格的な景気回復、身を切る改革の実行等、幾つかの要件が満たされない限り凍結すべきだと主張してきました。今回の財源は、本来社会保障に係る借金の返済に充てられるものでした。この財源を振り替えることは、言わば借金返済を先延ばしし、国債を増発することと同じです。総理は、少子高齢化という最大の課題を克服するため、我が国の経済社会システムの大改革に挑戦すると宣言されているその挑戦が、付け替えと負担のツケ回しでは説得力がありません。
身を切る改革と徹底した行財政改革を不断に行い、そこに財源を求めるという姿勢こそが今の時代に必須だと私は思いますが、総理の認識をお聞かせください。
来年度予算案の規模は九十七・七兆円と、六年連続で過去最大となりました。安倍政権では予算は膨張の一途で、好景気による果実を毎年食い潰している感がします。毎年の小手先の歳出削減でなく、身を切る改革、徹底した行財政改革による歳出削減の本格的な努力が必要です。
また、当初予算を厳しいシーリングで抑制しても、補正予算で骨抜きになることが常態化し、公共事業や補助金など定型的な予算が毎回堂々と補正に計上されています。当然に、二〇二〇年のプライマリーバランス黒字化の目標の達成は困難で、数字を変えながら目標は先へ先へと延びています。それを繰り返しては、国際的信用は低下するばかりではないでしょうか。総理、いかがですか。
これを抜本的に打開するには、我が党が主張するごとく、思い切って国と地方の役割を見直し、小さな政府を目指す維新改革、グレートリセットを断行すべきです。それができるのは安定した基盤を持つ政権のみです。その意味で安倍政権の今後に期待し、我が党も引き続き、維新改革に邁進、財政再建にも真剣に取り組んでいくことをお約束して、私の代表質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕