藤巻健史の発言 (本会議)

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○藤巻健史君 日本維新の会、藤巻健史です。
 まず初めに、森友問題に係る財務省の公文書改ざん疑惑問題については、政府が国民に対してしっかりと説明責任を果たすことを要求いたします。
 もし改ざんがあったのなら、国民を裏切る行為であり、犯罪ですし、公文書の管理に関する法律を幾ら整備しても、機能しないものになってしまいます。
 さて、我が党を代表して、本日の議案について質問いたします。
 一九八六年から二〇一六年の三十年間の税収と歳出を比べてみますと、税収が一・三倍となったのに対し、歳出は一・八倍にも膨れ上がっています。この結果、借金が千八十六兆円にも積み上がり、対GDP比で世界最悪の状況となってしまいました。
 ところで、学者の中には、インフレのことをインフレ税と表現する方がいらっしゃいます。インフレは、債権者が大変な思いをし債務者が得をするということで、債権者から債務者への富の移行、すなわち債権者である国民から日本最大の債務者である国への富の移行という意味で税金と同じだからです。
 このまま借金総額が極大化すると、尋常なる方法での財政再建が不可能になり、大増税、すなわち大インフレ税の徴収という形での決着しかなくなるのではないかと危惧いたします。
 税制改革は国会審議を経なければならないのに、実質大増税と同じながら、国会審議を経ることもなく、インフレ税、すなわちインフレが財政再建のために導入されては、国民はたまったものではありません。インフレは、消費税よりも圧倒的に逆進性が強く、コントロール不能になれば国民生活が苦境に陥るからです。だからこそ、このような財政状況下にあっては、確実に歳出を削減し税収プラス税外収入を増やしていくことが極めて重要だと考えます。
 私ども日本維新の会は、身を切る改革を行った上で国と地方の歳出を真に必要なものに絞り込むことが重要だと考えています。また、税収プラス税外収入を増やすにも、安易に増税に頼ることなく、経済発展により税収の自然増を図るべきだと考えています。例えば、名目GDP、すなわち経済規模が二倍になれば国民生活も二倍豊かになり、税収も二倍になるのがあるべき姿だと思うのです。
 世界的に権威のある経済誌インターナショナル・エコノミーの昨年夏号の特集は、日本病は世界に蔓延するかでした。低迷する日本経済をかつての英国病になぞらえているのです。情けない話ですが、逆に言えば、根本的な改革さえすれば他国並みの経済成長はできるということでもあります。経済規模が三十年間で一・八倍になっていれば、増税せずに税収の一・八倍は達成できたはずです。そうなっていれば、借金もたまらなかったはずです。
 そこでまず、総理にお聞きいたします。
 この二十年間、日本の名目GDPは一倍、三十年間ではたったの一・五倍にしかならなかったわけですが、アメリカ、イギリス、オーストラリア、シンガポール、中国は自国通貨ベースでGDPをいかほど伸ばしていたのか、お教えください。
 もし、他国が名目GDPを三十年間で二倍にできていたのなら、日本も二倍にするのは難しいことではなかったはずです。財政政策、金融政策を最大限に発動したにもかかわらずこの結果なのは、何が問題だったのでしょうか。そして、それは今後克服可能だと思われるのか、お答えください。
 総理はよく経済低迷の理由をデフレのせいにされていますが、デフレだったから景気が悪くなったのではなく、景気が低迷していたからデフレになったのではないでしょうか。
 私ども片山虎之助共同代表が予算委員会での代表質問でお聞きしましたように、安倍政権は財政再建を二の次に考えているようにも見受けられます。まさか、幾らばらまいても後でインフレ税で没収するからいいやなどとは考えていないと思いますが、その点は確認しておきたいと思います。総理、いかがでしょうか。
 今回の税制改革では、日本維新の会が成長促進のために主張していた中小企業の事業承継を容易にするための税制改革も含まれており、必要な改革が含まれている点では敬意を表します。
 しかし、税制は国が将来どうあるべきかを示すものでもあり、強力な誘導手段でもあります。結果平等主義の国家を目指すのか、機会平等主義の国家を目指すのかなどのメッセージ等がそこには含まれているべきだと思います。
 私ども日本維新の会は、簡素、公平、中立ではなく、簡素、公平、活力という理念に基づいた税制改革を目指しています。この観点から、幾つか総理に質問いたします。
 給与所得控除額が八百五十万円超で頭打ちとなる改正案ですが、これが同じ政府の掲げる働き方改革とどう結び付くのか疑問です。相反する政策のようにも思えます。八百五十万円の年収の人とは大金持ちではありません。その人たちに対しての所得税も累進性が既に十分過ぎるほど強いのですが、今回の法案はその累進性を更に強めることになります。
 私ども日本維新の会は、経済活動促進のためにフロー課税は低減し、薄く広いストック課税税制を目指すという観点から、所得税の税率構造のフラット化を検討しています。この方向にも逆進いたします。所得再配分機能が極限まで行くと、働き方改革どころか、働いても働かなくても手取りは同じ、すなわち結果平等社会ということになってしまいます。
 この税制改革による税収増は一千億円と聞いております。この増収分の一部を基礎控除に振り替えるという話です。しかし、なぜ税収中立で物事を考えるのでしょうか。例えば、いわゆる土地改良予算は一時二千百二十九億円と大幅に圧縮されていましたが、平成三十年度政府案と前補正予算案の合計額は五千八百億円と再び増加しています。これを四千八百億円に抑え、一千億円を抑え、大金持ちとは言えない人たちへの増税を回避した方が国の活力につながるのではないでしょうか。総理、お考えをお聞かせください。
 また、賃上げ及び投資の促進に関する税制ですが、この法律自身に問題があるとは思いません。しかし、労賃とは、他の物やサービスと同様、需給で決まるものです。税制で賃上げを図るという計画経済的な政策よりも、日本への対内直接投資を増やしたり空洞化を防ぐなどして日本人労働力に対する需要を増やすことの方が、より重要で、政治が対処すべき課題だと思いますが、総理、いかがでしょうか。
 最後に、名目GDPを拡大し、税収増をも狙えるという観点からすると、日本が世界より一歩進んでいるブロックチェーン技術の発展を温かく見守ることが重要だと考えます。ブロックチェーンは次世代プラットフォームにもなる可能性を持ち、経済産業省が一昨年四月に出したレポートによれば、影響のある市場は七十兆円近くにも上るとのことです。
 また、昨日、予算委員会で我が党の浅田議員が質問、提案しましたとおり、ブロックチェーンは改ざんができないというシステムです。今回、森友問題で起きている公文書改ざん疑惑など、ブロックチェーン技術を使えば起こりようがなくなります。行政にとっても非常に有効な技術となると考えます。
 一方、ブロックチェーン技術と裏表の関係にある仮想通貨では、取引所大手のコインチェック社で事件が起こりました。これは、交換所の問題であり、仮想通貨自体の問題だとは思えません。しかし、千五百もあるという仮想通貨には、まがいもののような通貨もあると聞きます。
 ブロックチェーン技術を育てる観点からも将来の税源として期待する観点からも、仮想通貨取引の税制整備や法整備は極めて重要な課題だと考えます。
 ブロックチェーン、そして仮想通貨の将来性について、そして法整備、税制整備の必要性についての総理のお考えをお聞かせください。
 我が党は、税負担を求める前に、まずは身を切る改革、徹底行革が必要とのスタンスです。民間の活力を最大限発揮できる制度を実現すると同時に、本当に支援が必要な人たちへのサポートを手厚くし、将来世代への思い切った重点投資を可能にすることを目指していきます。
 以上、国民の皆様にお約束して、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 119615254X00620180309_008

発言者: 藤巻健史

speaker_id: 32307

日付: 2018-03-09

院: 参議院

会議名: 本会議