中川雅治の発言 (本会議)
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○国務大臣(中川雅治君) 滝沢議員から六問御質問いただきました。
まず、今後の気候変動とその影響についてのお尋ねがありました。
我が国の年平均気温は、様々な変動を繰り返しながら、百年当たり約一・二度Cのペースで上昇しています。将来の気温上昇は、世界各国における温室効果ガスの排出削減対策の程度により異なりますが、二十一世紀末の我が国の年平均気温は、二十世紀末と比較して一・一から四・四度C上昇すると予測されています。
降水量については、大雨の頻度が増える反面、降水の日数が減少する傾向が既に現れており、将来更にこの傾向が拡大すると予測されています。
我が国における気候変動の影響については、現時点において、農作物の収量の変化や品質の低下、漁獲量の変化、動植物の分布域の変化やサンゴの白化、桜の開花の早期化などが既に現れています。将来は、農作物の品質の一層の低下、多くの種の絶滅、渇水の深刻化、水害、土砂災害を起こし得る大雨の増加、高潮、高波リスクの増大、夏季の熱波の頻度の増加などのおそれがあると予測されています。
次に、気候変動適応計画の着実な策定と実施についてのお尋ねがありました。
気候変動の影響は、自然災害、農業、生物多様性など、様々な分野に及ぶものであり、気候変動適応計画の下、関係省庁が連携協力して適応策を推進していくことが重要です。
このため、本法案においては、例えば、関係省庁と協議しながら環境大臣が適応計画の案を策定することや、広域協議会において、地方環境事務所が旗振り役となって国の出先機関同士で地域の実情に応じた協力を進めることなど、環境省が精力的に働きかけながら幅広い関係者の連携協力を推進するための規定を随所に盛り込んでいます。
さらに、本法案では、気候変動適応計画において関係省庁の連携協力体制を定めることとしており、関係省庁との連携をより強固なものとしてまいります。
これらの規定をてこに、環境省が旗振り役となって新たな気候変動適応計画を策定し、関係省庁一丸となって適応策を推進してまいります。
次に、関係研究機関との連携についてのお尋ねがありました。
気候変動の影響は様々な分野に及ぶものであり、これらの影響に対処していくには、環境分野だけでなく、農林水産業、防災など、様々な分野の研究機関と連携し、情報の共有や研究開発を進めていくことが重要と考えております。
こうした観点から、本法案においては、適応の情報基盤の中核となる国立環境研究所が、農林水産省、国土交通省を始めとする関係省庁所管の研究機関との連携に努める旨の規定を盛り込んでいます。
また、地方の研究機関と国立環境研究所とが気候変動影響に関する情報を共有し、連携していく旨の規定も盛り込んでいます。
これらの規定の下で、国立環境研究所を中核として国や地方の研究機関との連携協力体制の構築を図り、様々な気候変動の影響に関する情報の共有や研究開発等を推進してまいります。
次に、適応の国際協力についてのお尋ねがありました。
開発途上国は気候変動に特に脆弱であり、開発途上国の適応能力の向上、さらには、インフラ輸出の促進という観点からも、適応に関する国際協力は重要と認識しています。
このため、環境省においては、バイの協力として、インドネシア、フィリピン、島嶼国などで、各国のニーズに応じて気候変動影響の将来予測や適応計画の策定の支援を行ってきました。
今後は、こうしたバイの協力を引き続き実施していくことに加え、マルチの協力として、アジア太平洋地域の適応に関する情報を一元的に提供するアジア太平洋気候変動適応プラットフォームを二〇二〇年までに構築してまいります。
これらのバイ、マルチの協力を通じて、開発途上国による科学的知見に基づく適応策の立案、実施に貢献するとともに、我が国の民間事業者が有する適応技術、サービスの国際展開を推進してまいります。
次に、長期的な温室効果ガスの排出削減についてのお尋ねがありました。
パリ協定の下で、世界は脱炭素社会に向けて大きく動いています。我が国も、優れた技術、ノウハウなどの強みを生かしながら、国内での温室効果ガスの大幅な排出削減を目指し、同時に、世界全体の排出削減に最大限貢献し、二〇五〇年、そして、その先の世界の脱炭素化を牽引してまいりたいと考えています。
一方、こうした大幅削減は、従来の取組の延長では実現が困難です。そのためには、大胆な脱炭素化の方向性を示し、社会のあらゆる分野で脱炭素化に必要な投資やイノベーションを促していくことが重要です。
こうした観点から、気候変動対策を契機として、我が国の新たな成長につなげていく骨太な長期戦略の策定に取り組んでまいります。
最後に、長期戦略の検討についてのお尋ねがありました。
長期戦略については、世界の脱炭素化を牽引するとの決意の下、骨太な戦略とすることが重要です。こうした観点から、本年三月、環境省においては、長期大幅削減に向けた基本的考え方を取りまとめたところです。
この基本的考え方においては、革新的な技術のイノベーションはもとより、今ある技術を最大限普及させる経済社会システムのイノベーションが重要であるといった温室効果ガスの長期大幅削減の鍵となるメッセージ等を打ち出したところです。
来年は我が国がG20議長国を務める重要な年であることも踏まえつつ、政府全体としての長期戦略の検討作業の加速化に向けて調整を進めてまいります。(拍手)
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