礒崎哲史の発言 (本会議)
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○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。
会派を代表して、ただいま議題となりました政府提出の気候変動適応法案について質問いたします。
本題に入る前に、一つの調査結果を紹介したいと思います。
本年一月から二月にかけて読売新聞社と早稲田大学現代政治経済研究所が行った共同世論調査によれば、政治家を信用していないとの回答が七三%、官僚を信用していないは七〇%と高い値を示しました。これは、今もその真相が闇に閉ざされている国会での虚偽答弁、公文書の改ざん、事実の隠蔽などの不祥事が明らかになる前の調査結果です。
さらに、二日前には、安倍総理の国会答弁の信頼性を大きく揺るがす文書の存在が明らかとなりました。今同じ調査を行ったならば、果たして結果はどのようなものになるでしょうか。
今回の安倍政権下における不祥事の数々は、国民の皆さんが抱く国会議員への不信感を増大させることはあっても、その逆がないことは容易に想像が付きます。こうした不信感を取り除く方法は不祥事の真相究明しかなく、その責任は安倍政権自身と現政権を支えている与党の皆さんにあることを自覚いただきたいと思います。
その上で、我々野党が要求する資料の提出や徹底審議に対して後ろ向きの態度を続ける安倍政権に対して、さらには、総理の記憶と愛媛県から提出された記録のどちらが正しいかを明らかにするためにも、その道義的責任において、与党の皆様におかれましては毅然とした態度で向かっていただきますことを改めて指摘をしておきたいと思います。
安倍総理におかれましては、これ以上の時間稼ぎを行うなど、その責任を果たすおつもりがないのであれば、早期に退陣をいただくことが政治の信頼を取り戻すことにつながることを申し上げ、以下、法案について質問いたします。
最初に、本法律案提出の経緯や背景について伺います。
気候変動対策は、一九九四年に発効した国連気候変動枠組条約の下で実施されており、パリ協定の二度C目標の合意など、その活動が行われてきました。
一方、気候変動に関する政府間パネル、IPCCの第五次評価報告によれば、一九五〇年代以降に観測された変化の多くは過去前例のないものであり、将来、温室効果ガスの排出量がどのようなシナリオを取ったとしても、世界の平均気温は上昇し、二十一世紀末に向けて気候変動の影響リスクが高くなると予想されています。このため、温室効果ガスの排出抑制等を行う緩和だけでなく、既に現れている影響や中長期的に避けられない影響に対して適応を進めることが求められています。
我が国におきましても、近年、相次ぐ集中豪雨による被害の発生や、農作物の栽培可能地域の変化による収穫への影響など、日常の生活で気候変動が実感されることが増えております。
このような適応に関わる課題に対して、これまで省庁単位、地域単位でそれぞれ取り組まれてきたものでありますが、本法律案は、適応策を法律に位置付けるということで、総合的に強力に実施していくことを目指すものだと受け止めます。
しかし、経緯を振り返りますと、これまで国会の質疑でも適応策の法制化を求める指摘が繰り返し行われてきたところであります。平成二十八年の地球温暖化対策推進法の改正の際には、当時の民進党から適応計画の法定化を含む修正案が提出されましたが、否決をされております。
昨年夏に与党から適応策の法制化について提言があったとのことでありますが、本法律案提出の経緯及び背景を環境大臣に伺います。
次に、適応策と緩和策の関係に関して伺います。
本法律案の提出の理由は、現行の緩和策が十分に実施されても気候変動に対応できないからだとの趣旨であります。パリ協定の二度C目標を達成したとしても、気候変動の影響は避けられないとされておりますので、これは当然であります。
衆議院での審議は、緩和策と適応策を地球温暖化対策推進法と気候変動適応法それぞれの法律の下で全力で推進していくという趣旨の答弁がありました。適応はもちろん、緩和についてもこれまで以上の取組が求められると考えますが、具体的に適応策と緩和策をどのように連携させて進めていくおつもりか、環境大臣に伺います。
次に、地球温暖化対策税の使途について伺います。
石油石炭税にCO2排出量に応じて上乗せされているいわゆる地球温暖化対策税の税収は、今年度のエネルギー対策特別会計の環境省所管予算として、一千五百億円にも及ぶ金額に急増しております。
地球温暖化対策税を含む石油石炭税の税収は、その性格上、本法律案の対象とする適応策よりも、緩和策において効率的に活用されるべきものだと考えます。そして、緩和策の的確な実施は、適応策推進の大前提となります。
新たな環境基本計画を実行に移していくために、今後どのように地球温暖化対策税の税収を活用していくおつもりなのか、環境大臣に伺います。
次に、不必要な適応策実施への懸念に関して伺います。
適応策の実施の中心的な官庁は、国土交通省や農林水産省であろうかと思います。もちろん、気候変動に備えての洪水対策や品種改良など、積極的に進めるべきことが多くあります。
しかし、その一方で、適応策の名目で予算を獲得し、実際には適応になっているかどうかよく分からないような事業が行われることがあってはならないと考えます。
実際に実施された適応策が適切だったかどうかを評価する手法はまだ開発段階にとどまっているなど、不安な面があります。不必要な適応策実施を防止するための取組が機能するかどうか、環境大臣に伺います。
次に、国立環境研究所の役割に関して伺います。
本法律案では、国立環境研究所が、都道府県や市町村に対する地域気候変動適応計画の策定や推進に係る技術的援助を行うこととされております。
国立環境研究所では、広く環境分野全般に対する調査研究が行われていますが、特定の分野について技術的援助を行うという役割が法律に規定されたことはこれまでありませんでした。また、その一方で、地球温暖化対策推進法には、緩和の情報基盤として国立環境研究所を位置付けた条文はありません。
適応策に科学的知見が重要であることは承知をしておりますが、今回、法律案に国立環境研究所の役割をあえて明記した理由を環境大臣に伺います。また、こうした新たな業務の付与により、従来の調査研究がおろそかになることは避けなければなりません。国立環境研究所の体制確保への取組について環境大臣に伺います。
次に、地域での適応策の推進に関して伺います。
これまでの緩和を中心とした対策は、二酸化炭素の排出量を減らすことが主な対策ですから、再生可能エネルギーの推進といった全国共通の取組がまず大切となります。これに対して適応策は、気候変動影響の現れ方に地域的な特徴が強く出るため、地域の取組が重要と考えます。
適応計画を策定する地方公共団体は着実に増えてきているようでありますが、その実施に苦慮している実態もあると承知をしております。そこで、地方公共団体による適応計画の策定状況を始めとする適応策推進の現状についてどのように評価しているのか、環境大臣に伺います。
国には適応計画の策定が義務付けられているのに対し、地方公共団体の適応計画は、地球温暖化対策計画と同様に努力義務にとどめられております。
衆議院の答弁では、この点に関して、まだ具体的な適応策の検討が進んでいない地方公共団体もあるため、一律に計画策定を義務付けるのではなく、現時点では努力義務にしたとのことであります。
しかし、適応策は、緩和策に比べても、地域の特性に応じたよりきめ細かい対応が必要となりますので、地域のステークホルダーが連携して適応策に取り組むことができるよう、計画を策定していくことがより重要と考えます。
特に市町村の間では適応策への取組において差が大きいことが指摘されており、前述の国立環境研究所も関連し、国によるサポート強化など、一層の推進が必要であると思いますが、環境大臣の認識を伺います。
以上、質問となりますが、こうした気候変動対策といった待ったなしの課題が山積する状況において、私たち国民民主党は、対決より解決の考えの下、様々な課題に対して今後も徹底審議を引き続き求めていくことを申し上げ、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣中川雅治君登壇、拍手〕