中川雅治の発言 (本会議)
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○国務大臣(中川雅治君) 礒崎議員から七問御質問いただきました。
まず、本法案の提出経緯及び背景についてのお尋ねがありました。
気候変動の影響は様々な分野において全国各地で現れており、今後更に深刻化するおそれがあります。このため、将来の気候変動の影響に関する科学的知見に基づき、適応策を充実強化することが重要です。
こうした認識の下、政府においては、平成二十七年に気候変動影響評価の報告書を取りまとめました。その上で、適応計画を閣議決定し、本計画の下で各省庁が適応策を実施してきているところです。さらに、平成二十八年には適応の情報基盤である気候変動適応情報プラットフォームを構築し、平成二十九年には適応計画のフォローアップを行ってきました。
こうした取組を着実に進めてきた結果として、また、各方面からいただいた御提言、御要望も踏まえ、今般、我が国の適応策を法的に明確に位置付け、国のみならず、地方公共団体、事業者、国民と連携協力して適応策を更に強力に推進するための本法案を国会に提出し、御審議いただくこととしたものです。
次に、適応策と緩和策の連携についてのお尋ねがありました。
気候変動の脅威に対応するには、緩和策と適応策の二つを車の両輪として進める必要があります。
本法案の下、適応策を充実強化させていくと同時に、地球温暖化対策推進法の下で地球温暖化を防止する緩和策に全力で取り組んでまいります。
具体的には、適応策については、本法案に基づき、国、地方公共団体、事業者、国民の役割を明確化し、新しい法定の気候変動適応計画の下で関係者が一丸となって適応策を強力に推進したいと考えております。
緩和策については、二〇三〇年度二六%削減の達成、二〇五〇年八〇%削減、そして、その先の世界全体での脱炭素社会の構築に向けて、地球温暖化対策推進法に基づき、徹底した省エネルギーや再生可能エネルギーの最大限の導入等の対策をしっかりと進めてまいります。
地球温暖化対策推進法と今回御審議いただく本法案の二つを礎に、緩和策と適応策を共にしっかりと推進してまいります。
地球温暖化対策税の使途についてのお尋ねがありました。
地球温暖化対策税の税収は、従来より、適応策ではなく、省エネの推進、再エネの導入支援等の緩和策、すなわちCO2排出抑制対策に活用しています。
第五次環境基本計画では、あらゆる観点からのイノベーションの創出や経済社会的課題の同時解決を実現し、将来にわたって質の高い生活をもたらす新たな成長につなげていくという理念を掲げております。この理念を実現すべく、地球温暖化対策税の税収を活用し、CO2削減に資する技術の開発、実証、行動科学の手法やデジタル技術も活用した経済社会システムの脱炭素化、環境省再エネ加速化・最大化促進プログラムに基づく地域の脱炭素化と地方創生の同時実現等を実施してまいります。
次に、不必要な適応策を防止するための取組についてのお尋ねがありました。
本法案では、国立環境研究所が中核となって科学的な適応の情報基盤を構築し、国、地方公共団体、事業者等が効果的に適応策を実施できるよう、将来の気候変動影響に関する精度の高い情報を提供していくこととしています。これにより、適応策の観点から、効果的かつ効率的な事業の推進を図ってまいります。
また、本法案では、気候変動適応計画に基づく施策の進展の状況を的確に把握し、評価する手法の開発に努める旨規定するとともに、気候変動適応計画を必要に応じて見直すこととしております。
これらの仕組みにより、適応策を具体的に実施するそれぞれの府省庁において、必要性や緊急性を踏まえ、適応策の効果的かつ効率的な実施が図られるものと考えております。さらに、環境省としては、関係府省庁と連携し、適応策の進捗状況の定期的な把握や気候変動適応計画の見直しを行うとともに、本法案に基づいて速やかに評価手法の開発に取り組み、効果的なPDCA手法の確立に努めてまいります。
次に、適応法案への国立環境研究所の役割の明記及び体制確保についてのお尋ねがありました。
気候変動への適応を進めるためには、将来予測に関する知見が必要となります。国立環境研究所には、気候変動の影響や将来予測に関する研究、さらに適応に関する情報基盤構築の実績があります。
国立環境研究所における気候変動の影響に関する情報の収集、分析、提供、地方公共団体等に対する技術的助言等の業務を本法案に位置付けることで、地域レベルで実効性の高い適応策を展開してまいります。
また、従来進めている調査研究に加え、この法案に基づく新たな業務も着実に進めることができるよう、国立環境研究所の組織、人員を含め、必要な体制の整備を進めてまいります。環境省としても、引き続き、国立環境研究所の体制整備を支援してまいります。
次に、地方公共団体の適応策推進の現状についてのお尋ねがありました。
地方公共団体においては、現在、四十三都道府県、十八政令指定都市、さらには、それ以外の一部の市町村や特別区においても適応に関する計画が策定されているものと承知しております。
また、適応計画の策定以外にも、例えば、地域レベルの気候変動影響に関する調査や、米などの高温耐性品種の開発、洪水ハザードマップの作成、熱中症やヒートアイランド対策などの適応の取組が進んでいるものと認識しております。
こうした地方公共団体の自主的、積極的な取組は極めて重要であり、今後更に後押しする必要があると考えております。
最後に、地方公共団体における計画策定とそのサポートについてのお尋ねがありました。
気候変動の影響は地域により異なり、また、特に市町村においては適応策の取組状況も差が大きいことから、地域の幅広い関係者の連携の下、市町村を含む地方公共団体の取組をしっかりと後押ししていくことが重要と認識しています。
こうした観点から、本法案では、地域における関係者の連携を更に強化するため、広域協議会に関する規定を盛り込んだところです。
また、本法案においては、地方公共団体に対して国立環境研究所が技術的サポートを行うものとしております。
今後は、環境省としても積極的に各地域に足を運び、本法案に基づき、環境省が旗振り役となって、地域のステークホルダーとの連携の下、地方公共団体の取組をしっかりと後押ししてまいります。(拍手)
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