中川雅治の発言 (本会議)
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○国務大臣(中川雅治君) 武田議員より、大きく六問御質問いただきました。
まず、緩和策と適応策を一体的に位置付けない理由、一体的推進の必要性、また、緩和策が最大の適応策であるとのお考えに対する認識についてのお尋ねがありました。
緩和策と適応策は、車の両輪というべき関係にあり、それぞれ個別の法制度に基づいてしっかりと推進すべきものです。
緩和策については既に地球温暖化対策推進法に基づく対応が進められていますが、適応策についてはこれまで法的な位置付けがありませんでした。このため、地球温暖化対策推進法と今回の法案により、緩和策と適応策を車の両輪として進めるための法的基盤を整えることとしたいと考えております。
また、緩和策が最大の適応策とのお考えに関して、緩和策が重要であることは言うまでもないことであり、それは既に地球温暖化対策推進法に明記されているところです。
地球温暖化対策推進法と今回御審議いただく本法案の二つを礎に、緩和策と適応策を共にしっかりと推進してまいります。
次に、削減目標の引上げについてのお尋ねがありました。
パリ協定は、二度目標の達成のため、今世紀後半に温室効果ガスの実質排出ゼロを目指して各国の取組を前進させていく歴史的な枠組みであり、この趣旨を十分に考慮し、全ての国が脱炭素化に向けて取り組んでいくべきと考えております。
我が国においては、平成二十八年五月に閣議決定した地球温暖化対策計画に基づく取組を着実に実施し、まずは二〇三〇年度二六%削減目標を達成することが重要です。
また、同計画では、対策、施策の進捗状況を毎年厳格に点検するとともに、少なくとも三年ごとに目標及び施策について検討を行い、必要に応じて計画を見直すこととしております。
パリ協定の目指す脱炭素社会の実現に向け、温室効果ガスの国内での大幅な排出削減を目指すとともに、世界全体の排出削減に最大限貢献してまいります。
次に、石炭火力発電についてのお尋ねがありました。
石炭火力発電は、最新鋭技術でもCO2排出係数が天然ガス火力の約二倍です。また、御指摘のとおり、我が国においては多数の新増設計画があり、仮にこれらの計画が全て実行されると、我が国の二〇三〇年度の削減目標の達成は困難となります。
さらに、世界の流れを見ますと、パリ協定が発効し、諸外国で石炭火力発電に対する抑制の動きがある中、ビジネスも投資家も脱石炭に向けてかじを切っております。こうした中で、二〇五〇年八〇%削減、そして、その先の世界全体での脱炭素社会の構築に向けて、石炭火力発電は抑制し、さらには、CCS付き石炭火力発電以外は卒業していく必要があると考えています。
こうした認識の下、環境省としては、今後も石炭火力発電の新増設については引き続き厳しい姿勢で臨んでいきたいと考えております。
次に、石炭火力発電所の海外輸出についてのお尋ねがありました。
我が国は、パリ協定を踏まえ、世界の脱炭素化をリードしていくため、相手国のニーズに応じ、再エネや水素なども含め、CO2排出削減に資するあらゆる選択肢を相手国に提案し、その選択に応じた支援を行います。その際、我が国としては、再エネ、水素の促進に積極的に取り組んでまいります。
こうした提案、支援を含めた低炭素型インフラ輸出を積極的に進める中で、エネルギー安全保障及び経済性の観点から石炭をエネルギー源として選択せざるを得ないような国に限り、当該国から我が国の高効率石炭火力発電への要請があった場合には、OECDルールも踏まえつつ、相手国のエネルギー政策や気候変動対策と整合的な形で、原則、世界最新鋭である超超臨界圧以上の発電設備について導入を支援することとしております。
一方、世界に目を向けると、石炭火力発電所に対する新規融資の中止や融資を引き揚げる動きが続いております。こうした世界の潮流にも目を向け、我が国においても石炭火力発電所への融資については適切な対応を取っていくことが必要と考えております。
次に、地方公共団体への支援についてのお尋ねがありました。
気候変動の影響は、地域の気候や社会経済状況により異なることから、地域レベルのきめ細かな気候変動影響の予測に基づき、地域の実情に応じた適応策を進めていくことが重要です。
このため、環境省は、農林水産省、国土交通省と連携し、地域における気候変動影響の将来予測に関する調査や科学的知見に基づく適応策の検討を進めることなどにより、地方公共団体の取組を支援してきました。
引き続きこのような支援を行っていくとともに、計画策定マニュアルの作成、提供、国立環境研究所による気候変動影響に関する情報の提供等の技術的サポート、地域協議会を通じた優良事例の共有や地域の関係者による連携協力の推進などを通じて、地方公共団体における適応策の実施を後押ししてまいります。
最後に、気候変動の影響に関する科学的な評価のための情報基盤の整備と評価手法の確立についてのお尋ねがありました。
気候変動は、農業、自然災害、生物多様性など、様々な分野に影響を及ぼします。これらの分野に対して影響評価するためには、環境分野だけでなく、気象、農業、防災など、様々な分野の科学的知見を充実し、集約する必要があります。
このため、国立環境研究所が中核となって、国や地方の関係研究機関との連携協力体制の構築を図り、気候変動適応情報プラットフォームに情報を集約して情報基盤を整備し、様々な気候変動の影響に関する情報を提供してまいります。
また、国立環境研究所に集約、蓄積した情報や関係する最新の科学的な知見を踏まえ、おおむね五年ごとに中央環境審議会の意見を聴いて、気候変動の影響を評価することとしています。この中で、科学的な知見の充実に合わせて評価手法も改善しつつ、気候変動の影響の評価を行ってまいります。(拍手)
〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕