中川雅治の発言 (本会議)

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○国務大臣(中川雅治君) 片山議員から十一問御質問いただきました。
 まず、法制化の時期及び立法事実、法制化の必要性についてのお尋ねがありました。
 気候変動の影響は様々な分野において全国各地で現れており、今後更に深刻化するおそれがあります。このため、将来の気候変動の影響に関する科学的知見に基づき、適応策を充実強化することが重要です。
 こうした認識の下、政府においては、平成二十七年に気候変動影響評価の報告書を取りまとめました。その上で、適応計画を閣議決定し、本計画の下で各省庁が適応策を実施してきているところです。さらに、平成二十八年には適応の情報基盤である気候変動適応情報プラットフォームを構築し、平成二十九年には適応計画のフォローアップを行ってきました。
 こうした取組を着実に進めてきた結果として、今般、我が国の適応策を法的に明確に位置付け、国のみならず、地方公共団体、事業者、国民と連携協力して適応策を更に強力に推進するため、本法案を国会に提出し、御審議いただくこととしたものです。
 次に、地球温暖化対策推進法の改正ではなく、新たな法案とした理由についてお尋ねがありました。
 地球温暖化対策推進法は、国、自治体、事業者等の各主体による省エネや再エネなどの温室効果ガスの排出削減対策の取組を推進するものです。一方、本法案は、気候変動影響に対応して、防災、農業等の各分野におけるリスク回避、軽減の取組を後押しするものであります。
 このように、両者は法律の性格や施策体系が異なるため、適応策の重要性に鑑み、地球温暖化対策推進法とは別に新法として法案を作成し、国会に提出したものです。
 パリ協定及び地球温暖化対策推進法の下で地球温暖化を防止する緩和策に全力で取り組むことはもちろんのこと、本法案の下、気候変動影響に対する適応策を充実強化させ、緩和策と適応策の二つを車の両輪として進めてまいります。
 次に、適応計画の見直し時期についてのお尋ねがありました。
 本法案では、気候変動影響に関する最新の科学的知見を踏まえ、おおむね五年ごとに気候変動影響の評価を行うことを規定するとともに、この評価結果を勘案し、必要に応じて気候変動適応計画を見直すことを規定しています。
 このように、気候変動適応計画の見直しは、おおむね五年ごとに行う気候変動影響評価と連動することとしておりますが、それ以外にも、適応策の進捗状況など、その他の事情を勘案して計画を見直すこともあることから、必要な時期に柔軟に見直すことができる規定としております。
 次に、気候変動影響評価と適応計画の見直しの関係性についてお尋ねがありました。
 適応策は気候変動影響に関する科学的知見に基づき推進していくことが重要であり、本法案では、最新の科学的知見を踏まえて気候変動影響評価を行うこととしております。
 気候変動影響評価では、例えば、将来の気温や降水量の変化、農作物の品質への影響、動植物の分布域の変化等、最新の科学的知見を盛り込むこととしています。
 このように、気候変動影響に関する最新の科学的知見が盛り込まれた気候変動影響評価の結果を踏まえて、必要となる対策を盛り込み、気候変動適応計画の充実強化を図ることを想定しています。
 次に、気候変動適応計画のフォローアップについてお尋ねがありました。
 本法案に基づく気候変動適応計画については、関係省庁の連携の下、定期的に施策の進捗状況のフォローアップを行っていくこととしており、その結果や最新の科学的知見に基づく気候変動影響の評価の結果を踏まえながら気候変動適応計画を見直していきたいと考えています。
 施策の進捗状況を踏まえた気候変動適応計画のフォローアップや見直しに当たっては、関係省庁の連絡会議の場のみならず、中央環境審議会などの関係審議会等を通じた様々な専門家、有識者からの意見聴取等を通じて、専門性と客観性を担保しながら進めていきたいと考えています。
 次に、評価手法の開発についてのお尋ねがありました。
 気候変動適応計画の効果的な推進のためには、それぞれの施策が気候変動の影響による被害の回避、軽減にどれだけ貢献したのかなど、適応策の効果を定量的に把握、評価していくことが重要です。
 しかしながら、適応策の効果を把握、評価する手法は、適切な指標の設定が困難であること、適応策の効果を評価するには長い期間を要すること等の課題があり、諸外国においても具体的な手法はまだ確立されておりません。
 このため、本法案では、政府は、気候変動適応の進展の状況を的確に把握し、及び評価する手法を開発する旨規定しております。
 環境省としては、諸外国の検討状況の情報収集や調査研究を推進するとともに、地方公共団体や民間事業者と連携し、それぞれの具体的な適応の取組の効果について、可能な限り定量的な指標をもって評価できるよう、しっかりと事例を集めながら、適応策の効果を把握、評価する手法の開発に努めてまいります。
 次に、国立環境研究所の技術的助言等についてお尋ねがありました。
 本法案においては、適応の情報基盤の中核を担う国立環境研究所が、気候変動の影響に関する科学的情報の収集、分析、提供等を行うとともに、地方公共団体の計画策定に係る技術的助言等を行うことを規定しております。
 今後、地方公共団体が気候変動の影響の評価を行う場面において、地域の農業や生態系などの具体的な項目の影響予測に関する技術的助言を行うことや、適応計画の策定をする場面において適応策の優良事例についての情報を提供するなど、国立環境研究所が技術的サポートをしていくことを想定しており、環境省としてもその取組を支援してまいります。
 次に、国立環境研究所の体制と業務効率化についてのお尋ねがありました。
 国立環境研究所については、これまでも、独立行政法人通則法に基づき、業務運営の効率化に関する事項を含む中長期目標の策定、中長期計画の認可等を通じ、継続的な業務の見直し等により、効率化に努めてまいりました。
 本法案に基づいて新たな業務を着実に進めるため、国立環境研究所の組織、人員を含め、必要な体制の整備を進めてまいります。
 本法案により新たに追加される業務についても、中長期目標や計画の改正等を通じ、継続的に業務の効率化に努めてまいります。
 次に、地方公共団体の適応計画への助言や指導についてのお尋ねがありました。
 地方公共団体における適応計画に関する計画は、現在、四十三都道府県、十八政令指定都市、さらには、それ以外の一部の市町村や特別区においても策定されているものと承知しております。
 地方公共団体においては、既存計画に適応策の重要性を記載するなどの対応が進んでいる一方で、具体的な適応策の検討はこれからの段階であるところが多いため、国として、地方公共団体の取組をより一層後押ししていくことが必要だと考えております。
 こうした観点から、本法案では、国立環境研究所による気候変動の影響に関する情報の提供等を通じて、地方公共団体に対する技術的助言を行う旨を規定しております。
 環境省としても、職員が各地域に足を運び本法案に関する説明会を開催するなど、地方公共団体の自主的な取組を尊重しつつ、計画の一層の充実強化に必要な後押しを行ってまいります。
 次に、地方公共団体への支援についてのお尋ねがありました。
 地域の実情に応じた適応策を進めていくためには、地域における人材や知見の充実が重要です。
 このため、環境省は、農林水産省、国土交通省と連携し、地域における気候変動影響の将来予測に関する調査や科学的知見に基づく適応策の検討を進めることなどにより、地方公共団体の取組を支援してきました。
 引き続きこのような支援を行っていくとともに、計画策定マニュアルの作成、提供、国立環境研究所による技術的サポート、広域協議会を通じた優良事例の共有や地域の関係者による連携協力の推進などを通じて、環境省としても、積極的に各地域に足を運びながら、地方公共団体における適応策の実施をしっかりと後押ししてまいります。
 最後に、地域気候変動適応センターについてのお尋ねがありました。
 地域気候変動適応センターは、国立環境研究所からの情報提供や技術的助言等を受けつつ、地域の適応策の推進のために情報の収集、分析、提供等を行う拠点となるものです。
 同センターは、既に活動を行っている地方公共団体の環境研究所や地域の大学などに地方公共団体が役割を付与することで、その活動を活性化していくことを想定しております。また、本法案においては、複数の地方公共団体が同一の機関を共同のセンターとして位置付けることも可能としております。
 市町村において同センターを確保できるまでの間は、環境省としても、都道府県等と協力を得つつ市町村への情報提供等に努めるとともに、国立環境研究所において可能な限り市町村の技術的サポートをすることとしております。
 環境省としては、市町村においても同センターの確保ができるよう、都道府県等とも連携しつつ、市町村や地域の研究機関等に積極的に働きかけてまいります。(拍手)

発言情報

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発言者: 中川雅治

speaker_id: 13569

日付: 2018-05-23

院: 参議院

会議名: 本会議