太田房江の発言 (本会議)
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○太田房江君 自由民主党の太田房江です。
私は、自民・公明を代表し、ただいま議題となりました消費者契約法の一部を改正する法律案について、福井消費者担当大臣に質問いたします。
平成十三年に消費者契約法が施行されてから十七年、その間も、政府においては、平成二十年に消費者行政担当大臣を設置、平成二十一年には消費者庁を発足させ、消費者行政の強化を図ってまいりました。
消費者行政が、製品や事業ごとに所管が多数の省庁にまたがる中、消費者事故などに素早く、かつ強力に対応するために、横串を刺した一元化が必要であったからです。
消費者庁の創設は、当時の福田康夫総理の強い思いが実を結んだものです。当時は、国民から熱気を持って迎えられたと記憶をしておりますし、私も旧通産省で消費者行政を担当していた経験もあり、消費者庁の発足に大いに期待をいたしたところであります。
そこで、消費者庁は、消費者を取り巻く環境が多様化、複雑化する中で、消費者行政全般の推進に向けて今後どのように取り組んでいかれるのか、まずはその姿勢についてお聞かせください。
近年、社会生活上の経験が乏しい消費者を狙って、過大な不安をあおったり、消費者が勧誘を行う者に対して恋愛感情を抱いていることなどに乗じたりする不当な勧誘行為が目に付きます。このような事情から、今回の法改正では、いわゆる困惑類型として、不安をあおる告知や恋愛感情等に乗じた人間関係を濫用して社会生活上の経験不足を不当に利用する行為を追加しております。
現在、成年年齢を十八歳に引き下げる民法改正案が国会において審議されています。十八歳から二十歳までの方々は、現行法では未成年を理由に契約を取り消すことができましたが、成年年齢引下げにより、この年齢層の方々は未成年を理由にした取消しができなくなります。このため、契約について経験が乏しい十八歳から二十歳までの方々が狙われ、消費者トラブルに巻き込まれるのではないかという懸念が指摘をされています。
この追加された困惑類型のターゲットは、若年層だけではありません。再雇用や健康などに不安を覚える方も不当な勧誘行為の対象になるおそれがあります。
今回の改正により追加される不当な勧誘行為は取消しの対象となりますが、あわせて、消費者側にもトラブルに巻き込まれないような教育等を徹底させることも必要だと考えます。
そこで、今回追加される困惑類型による消費者トラブルを効果的に防ぐためには、高齢者の方々はもちろんとして、成年年齢が引き下げられる年齢層の方々を含むあらゆる世代の方々にその危険性を理解してもらう必要があると考えます。この点についてどのようにお考えでしょうか。
次に、今回の改正案では、不利益事実の不告知について、現行では故意とされている要件を、故意又は重大な過失に改めます。
例えば、分譲マンションの販売時に、事業者が、日照、眺望の良さを説明しつつ、隣地に、その日照、眺望を妨げる建物が建つことを告げないで売ったことが不利益事実の不告知に該当する可能性があると、このような事例として理解されます。
しかし、故意はまだしも重過失については、どのような事例が当たるのかという限界事例については、消費者はもちろん、事業者もなかなか分からないと思います。
消費者庁においては、消費者側はもちろん、事業を所管する官庁や事業者と連携しながら、どのような事例が故意又は重過失に当たっているのかという判断が適切にできるよう周知を図ることが大切だと考えますが、どのように取り組んでいかれるおつもりでしょうか、お尋ねをいたします。
現行法においても、当社は一切の損害賠償責任を負いませんという事業者の損害賠償責任を免除する条項、いかなる場合にも契約は解除できませんという事業者の債務不履行により生じた消費者の解除権を放棄させる条項は無効です。
今回の改正案では、さらに、事業者が自らの責任の有無や消費者の解除権の有無を決定する権限を付与する条項、これも無効化されることになります。これにより、当社が過失のあることを認めた場合に限りと契約書に書いてある場合がありますが、これを消費者の泣き寝入りの原因にする、こういう事例、減っていくということを期待しております。
しかし、今回の法改正を知らない消費者に悪質な事業者が無理を迫るトラブルが続くことも懸念されています。損害賠償免責条項や解除権放棄条項について、どのような契約においてどのような条項が無効になるのか、消費者に分かりやすく例示すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
今回の改正案により、昨今問題となっております不当な勧誘行為を取り消したり、不当な契約条項を無効にしたりすることができるようになることは大きな前進です。同時に、消費者全般を同様の誘惑行為から守るためには、消費者庁と事業所管官庁とが連携をして適切な指導、監督、処分などを行うことも必要だと考えます。
その点から、消費者庁と事業所管官庁との情報共有や連携した調査などが求められていると思います。ネガティブ情報の公開などと同時に、事業者の前向きな改善姿勢、これらを公開することで、結果的に消費者側と業界側双方にプラスとなるのではないでしょうか。
そこで、不当な勧誘行為等があった事業者の情報共有のために、消費者庁と事業所管官庁が車の両輪となって一層の連携を進める中で消費者トラブルの回避や解決が進むことが望ましいと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
最後に、今回の改正法の施行期日について伺います。
消費者の保護という観点からは迅速な施行が求められていると思いますが、一方、事業者側から見ますと、体制の整備や従業員教育などに十分な準備期間が必要という声があります。特に今回は、消費者の後見等を理由とする契約解除を不当条項とするものも含まれており、現在、この条項を含めた契約書を使っている業界団体などへの周知徹底を図るためには、ある程度の期間は必要だと思います。
そこで、改めて、消費者保護の立場と事業者の側の準備期間の確保という双方のバランスから、今回の施行までの期間の考え方を分かりやすく御教示ください。
また、施行を待たずとも、不当な勧誘行為と思われる事案についてはどのように適切な対応をしていかれるつもりでしょうか。
消費者問題がその時代の状況を反映して変化することを踏まえ、是非、消費者担当大臣、消費者庁には、引き続いて、時代の流れを的確に把握し、しっかりと消費者行政に取り組んでいただきますようお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣福井照君登壇、拍手〕