山添拓の発言 (本会議)
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○山添拓君 日本共産党を代表して、消費者契約法の一部を改正する法律案について質問します。
法案に先立ち、日を追うごとに明らかになる安倍政権のうそとごまかしの数々について、改めて指摘しなければなりません。
財務省は、おととい、森友学園との九百五十ページに上る交渉記録を公表しました。佐川前理財局長が国会で廃棄済みと答弁したのに合わせて、決裁文書の改ざんと並行して廃棄を進めたといいます。悪質極まりない隠蔽です。
麻生財務大臣、まず、国民と国会に対し謝罪すべきではありませんか。
交渉記録には、安倍昭恵氏付きの職員だった谷査恵子氏が財務省理財局に問い合わせた状況として、国有地の賃料減額で優遇を受けられないかと総理夫人に照会があり、当方からお問い合わせさせていただいたと記されています。昭恵氏の指示による問合せであることは疑いようがありません。これでも昭恵氏は関与していないと強弁するおつもりですか。
公文書改ざん、組織的隠蔽、虚偽答弁、事務次官のセクハラ、民主政治の根幹を揺るがし、個人の尊厳を否定する事態が次々明らかになっています。いずれも麻生大臣の下での疑惑と不祥事です。大臣は、それでも辞任する必要はないと開き直るつもりですか。
安倍政権で続発する重大疑惑の徹底究明こそ、国会に求められる最優先の課題です。働かせ方大改悪の一括法や、TPP、カジノ実施法など、悪法の強行に暴走するなど言語道断であることを指摘し、以下、法案について質問します。
悪質な勧誘や不当な契約から消費者を守るための包括的なルールとして制定されたのが、消費者契約法です。今度の法改正は、二〇一六年の改正で積み残しとなった検討課題について、必要な措置を講ずるとした衆参の附帯決議に基づくものであり、消費者団体や日弁連などが粘り強く求めてきました。
一方、安倍総理は今国会の施政方針演説において、成人年齢を十八歳に引き下げる中で、消費者契約法を改正し、若者などを狙った悪質商法の被害を防ぎますと述べました。民法改正で成人年齢が引き下げられれば、十八歳、十九歳の若者が親の同意なしに高額の買物や借金やクレジットカードの利用ができるようになる一方、未成年者であるというだけで取消しができる未成年者取消し権がなくなります。
ところが、本法案による新たな契約取消し権は、不当な勧誘行為による契約などに限られ、若年層の保護として全く不十分です。上川法務大臣は、本法案が、十八歳、十九歳から未成年者取消し権を奪う代償措置となるとでもお考えなのですか。
例えば、国民生活センターによれば、マルチ商法の相談件数は、二十歳から二十二歳が、十八歳、十九歳の十二・三倍、フリーローン、サラ金の相談件数は十一・三倍とされ、二十歳を境に明らかに増加しています。未成年者取消し権が、消費者被害から未成年者を保護する最大の防波堤となってきたことをどう認識していますか。法務大臣、お答えください。
十八歳、十九歳の未成年者取消し権が奪われれば、この世代の消費者被害が拡大することは目に見えており、防止のための施策が必要です。悪徳業者による悪質な勧誘や不当な契約は、手を替え品を替え行われます。被害が増加した一部の類型をその都度加えるのではなく、幅広い受皿となる取消し権が必要です。事業者が消費者の判断力、知識、経験等の不足に付け込んで締結させた契約について包括的な取消し権を設定する消費者契約法の改正が必要ではありませんか。
また、特定商取引法、割賦販売法、貸金業法を改正し、若年者を対象とする勧誘や資力要件とその確認方法の厳格化、キャッシングにおける総量規制などを設けるべきと考えます。
以上、消費者保護の観点から福井大臣の見解を求めます。
未成年者取消し権に代わる施策とは言い難い本法案には、更に重大な懸念があります。本法案には、新たに契約取消しができる場合として、過大な不安をあおった契約や恋愛感情等人間関係を濫用した契約を追加しました。その要件に社会生活上の経験が乏しいという文言を追加したことが、国会内外で厳しく批判されています。
福井大臣に伺います。
この要件は、主体を若年層に限定する趣旨ですか。こうした類型の被害は専ら若年層だけで問題になるとお考えですか。
社会生活上の経験が乏しいという文言では、通常は若年者しか含まれません。一方で、高齢者や中高年の勤労者で社会生活上の経験がある者でも、精神的こんぱいやうつ病などのために判断力を失い、いかがわしい精神セミナーや再就職セミナーに勧誘されるケースは十分にあり得ます。しかし、大臣が幾ら中高年も含まれると言い、解説や事例集で対応しようとしても、法律に社会生活上の経験が乏しいと書き込めば、裁判などの実務において消費者が保護される保障はありません。だからこそ、この文言自体の削除が求められ、また次善策として衆議院で修正提案がなされたのではありませんか。
衆議院における修正は、新たに加齢や心身の故障による判断力の低下を利用して不安をあおった契約や、いわゆる霊感商法について追加して定めました。この下でも、社会生活上の経験が乏しいという文言は若年層に限られないという衆議院での答弁に変わりはありませんか。お答えください。
そもそも、政府が社会生活上の経験が乏しいとの要件を追加したのは、いつ、誰の判断によるものですか。本年一月二十二日、安倍首相が施政方針演説で、成人年齢の引下げと消費者契約法改正とをリンクさせて述べたのを受け、首相発言に合わせるために追加したのではありませんか。
この点に関わる衆議院の審議で、大臣が自らの答弁の修正と撤回を繰り返すという混乱が生じました。社会生活上の経験が乏しいという要件にあくまで固執するために、この文言に高齢者も含まれるとしたり、含まれないとしたり、本会議答弁を委員会で修正しようとしたりするなど、まさに迷走です。余りにも場当たり的ではありませんか。消費者委員会での議論もなくこの文言を追加したことこそが大きな混乱を招いているという認識をお持ちですか。
以上、福井大臣の答弁を求めます。
内閣府の二〇一三年の調査によれば、十八歳、十九歳の若者が親の同意なく一人で高額な商品を購入するなどの契約をできるようにすることについて、反対、どちらかといえば反対の合計は七九・四%に上ります。
成人年齢の引下げを議論した二〇〇九年法制審議会の最終報告では、法整備に関して、若者の自立を促すような施策、消費者被害の拡大のおそれを解決する施策が実現されること、これらの施策の効果が十分に発揮されること、施策の効果が国民の意識として現れることという三つのハードルをクリアするよう求めています。上川大臣は、これらのハードルが既にクリアされたと認識しているのですか。
若者の自己決定権を尊重することは当然です。しかし、必要な保護まで奪うべきではありません。高校を卒業し、進学や就職によって初めて社会へと歩みを進める十八歳、十九歳の消費者被害を防止する、包括的で実効性のある施策が求められることを改めて指摘をして、質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣福井照君登壇、拍手〕