片山大介の発言 (本会議)

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○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 消費者契約法の一部を改正する法律案について、我が党を代表して質問をいたします。
 全国の消費生活センターなどに寄せられた、おととし、平成二十八年の消費生活相談件数は八十八・七万件と、依然として高い水準で推移し、年間の被害額は四・八兆円と推計されます。そのような状況に加え、成年年齢を十八歳に引き下げる民法改正案が成立した場合には、親の同意なく契約行為が可能となる十八、十九歳の消費者被害の増加が懸念されます。本改正案は、こうした消費者被害の防止に向け、規制の対象を広げるものと理解しています。しかしながら、内容については疑問も残ります。
 去年、消費者委員会の消費者契約法専門調査会から提出された報告書を踏まえ、消費者委員会は、速やかに改正法案を策定し、国会に提出することが適当であるという旨の答申、いわゆる二次答申を行っています。しかし、本改正案は、報告書の趣旨を踏まえているとは言えないところがあります。報告書と異なる内容となった背景や理由について、まず消費者担当大臣、お答えください。
 そして、ここからは具体的な点について伺います。
 まず、不当勧誘に対する契約取消しについてです。
 事業者の不当な勧誘行為によって消費者が困惑して締結した契約を取消しできるケースとして、消費者自身の社会生活上の経験が乏しいことを要件とし、その上で、不安をあおる告知、そして恋愛感情等に乗じた人間関係の濫用の二つの勧誘行為が追加されます。
 この要件は、その言葉から、若年層の被害救済に重点が置かれたものと捉えることができますが、加齢などにより判断能力が低下した高齢者や障害者等の被害に対しても適用対象とされるのかが文言からは読み取りにくい内容となっています。消費者庁の統計でも、認知症などの高齢者に関する相談件数は、この十年の推移で見ると、依然として高水準にあると報告されています。障害者等についても同様の傾向が見られます。
 平成二十六年八月に総理から消費者委員会への諮問の内容は、情報通信技術の発達や高齢化の進展を始めとした社会経済状況の変化への対応等の観点から、契約締結過程及び契約条項の内容に係る規律等の在り方を検討するよう求めたもので、若年層対策というよりは、むしろ高齢者の被害防止対策を中心に見直すものと読めます。
 今回、衆議院での修正によって、加齢又は心身の故障によりその判断力が著しく低下していることから過大な不安を抱いている消費者の不安を事業者があおって、消費者が困惑して締結した契約を取り消し得る旨が追加されました。
 この追加にはもちろん賛成ですが、著しい判断能力の低下に係る具体的な基準というのは今後どう考えていくのか、消費者担当大臣の見解をお答えください。
 また、本改正案で追加される取消し権も含め、どのような広報を展開し、事業者そして消費者双方に周知を図っていくのか、その方針も併せてお答えください。
 そして、不安をあおる告知について言えば、消費者が過大な不安を抱いていると事業者が知っていたことを消費者側で立証しなければならないとしています。でも、これを消費者が立証するのは困難なのではないでしょうか。
 悪質な手口により契約を締結してしまい後悔や自責にさいなまれる消費者に対し、更に追い打ちを掛けるように立証責任を求めるということは、消費者保護の理念と逆行しているようにも考えられます。消費者担当大臣の御所見をお伺いいたします。
 続いて、いわゆるキャンセル料について質問いたします。
 現行の消費者契約法では、解約時に事業者の平均的損害額を超える請求をされた場合は無効とされていますが、平均的な損害額の立証は、こちらも事業者ではなく、消費者側に求められています。しかし、立証に必要となる資料は事業者側にあるものなので、立証が困難なのが実情です。
 このため、専門調査会報告書では、事業の内容が似ている同種の事業者での平均的な損害額を消費者が立証すれば、当該事業者に生ずべき平均的な損害額と推定する規定を設けることが提案されましたが、本改正案にはこの内容は反映されていません。
 それに、たとえこの推定規定が導入されたとしても、立証に当たっては、消費者は複数の事業者の損害の額について資料を収集しなければなりません。それでは、依然として立証の困難性は改善されないのではないでしょうか。
 立証責任を消費者ではなく事業者に負わせることも検討の余地があると思いますが、消費者担当大臣の御所見をお伺いします。
 次に、事業者に新たに課される努力義務について質問いたします。
 消費者契約法では、消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的としていることからも、消費者保護と事業活動の円滑化が両立されることが必要です。
 今回の改正案では、事業者の努力義務として、消費者契約の条項について、解釈に疑義が生じない明確で分かりやすいものにすることや、個々の消費者の知識及び経験を考慮した上で必要な情報を提供しなければならないとしています。
 衆議院での附帯決議において、年齢、生活の状況及び財産の状況についても考慮する要素として検討を行うことを求めていますが、努力義務にとどめている以上、実効性は十分に担保されないのではないでしょうか。消費者担当大臣の見解についてお答えください。
 次に、今回の改正に盛り込まれなかった、合理的な判断をすることができない事情を利用した、いわゆる付け込み型勧誘による契約の取消し権についてお伺いします。
 高齢者、若年者、障害者などが、知識、経験、判断力の不足に付け込まれ、過大な不利益をもたらす契約を締結してしまう事例が後を絶ちません。このように合理的な判断をすることができない事情を利用した、いわゆる付け込み型勧誘による契約の取消し権を導入することは喫緊の課題と言えます。
 専門調査会で合意が困難であった理由と、今後の速やかな検討の必要性について、大臣のお考えを伺いたいと思います。
 現在、本改正案と並行して、民法改正による成年年齢に引下げの議論が行われています。消費者保護は、本人の意思で契約を結ぶことができる年齢を下げるに当たり重要なポイントとなっていることは言うまでもありません。しかし、本改正案においては、限られた要件を満たした場合の取消し権しか盛り込まれていません。
 民法改正法案が可決されますと、成年年齢は四年後、平成三十四年には十八歳に引き下げられます。それまでの間に追加的な消費者保護施策を進めるべきではないでしょうか。
 その他、消費者ニーズに応じた広報活動や消費者教育の充実など、成年年齢の引下げまでの対応方針について、消費者担当大臣、お答え願います。
 日本維新の会は、消費者契約法を、若年層から高齢者まで広く消費者を守るものとするとともに、分かりやすいものとするためにも、今後とも努力することをお約束して、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣福井照君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 片山大介

speaker_id: 8333

日付: 2018-05-25

院: 参議院

会議名: 本会議