東徹の発言 (本会議)

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○東徹君 日本維新の会の東徹です。
 会派を代表して、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案について質問いたします。
 まず、現状について伺います。
 安倍総理は、今国会を働き方改革国会と称して、本法案を最重要法案として扱われてきました。しかし、裁量労働制についての不適切なデータ問題で、法案から裁量労働制に関わる部分が削除され、厚生労働省からのデータ資料の出し直しが三回もありました。また、厚生労働委員会では、年金の過少支給問題が発覚したことによる集中審議が一回、東京労働局長の特別指導等の問題発言に関する集中審議が二回行われるなど、なかなか法案審議に至ることができませんでした。
 大変お粗末であるとしか言いようがありませんが、このような厚生労働省の現状をどのようにお考えなのか、安倍総理の見解をお伺いいたします。
 労働生産性について伺います。
 総理は、働き方改革は成長戦略そのものであって、労働生産性を改善するための最良の手段と答弁されています。
 現在の我が国の労働生産性はOECD諸国の中でも二十位であり、米国の三分の二程度しかないと言われています。長時間労働を是正することによって業務の効率化が促される面はあると思いますが、労働時間制度の変更だけでは労働生産性は向上しません。
 むしろ、商品やサービスに付加価値を付け、その価格を上げていかなければなりませんが、我が国では、業務の効率化が行われた場合、逆に価格を下げ、いいものを低価格で顧客に提供することで経済成長を遂げてきた歴史があります。
 働き方改革を経済成長につなげる前提である労働生産性の向上についてどのような手段で達成するのか、安倍総理のお考えをお伺いいたします。
 学生の新卒一括採用について伺います。
 世界でも珍しい我が国の新卒一括採用は、企業内で人材育成することを前提に、若年者のスムーズな就職が可能になる反面、新卒時の就職がうまくいかなかった者との間に格差が生じています。少子高齢化による人手不足やAIの導入など、技術や経済環境の急激な変化に対応するためには、様々な経験を有する幅広い年代の人材が活用されていかなければなりません。
 今後、新卒一括採用の在り方や、転職しやすい環境の整備を始めとする雇用の流動化について、安倍総理の見解をお伺いいたします。
 働き方改革の効果について伺います。
 本法案が成立すれば、時間の制約等があって働くことができていなかった人が働けるようになるなど、多様な働き方が可能となると言われていますが、本法案によって本当にそれが実現できるのか、安倍総理にお伺いいたします。
 仮に、多様な働き方が実現でき、子育て世代の就業者が増えたり非正規で働く人の給与水準が上がれば、出生率の改善にもつながり得ると考えられます。
 そこで、働き方改革と少子化対策との関係についてどのように考えているのか、安倍総理の見解をお伺いします。
 また、高齢化の進展により労働者の平均年齢が上がっていくことから、疾病を抱えながら働く人の割合は拡大していくと見込まれます。高齢者や、さらに、病気の治療をしながら働くことを希望する人が働くことのできる社会をつくるため、働き方改革として具体的にどのような対策を講じていくのか、安倍総理にお伺いいたします。
 高度プロフェッショナル制度について伺います。
 現実には、会社員として雇用関係に基づく労働時間規制が一律に適用されていても、自分のペースで土曜日、日曜日、祝日や深夜に働いている人もいます。本法案では長時間労働の規制が罰則付きで導入されますが、時間に縛られない働き方を用意しておかないと、罰則を回避するため、雇用から請負に契約形態が移り、働く人にとって社会保障などの面で不利が生じてしまいかねません。
 雇用関係の下で安心して働ける選択肢を用意するためにもこの制度は必要であると考えますが、使用者、労働者双方のメリットについてどのように考えているのか、安倍総理にお伺いいたします。
 我が会派は、五月二十一日、与党及び希望の党と法案の修正協議を行い、高度プロフェッショナル制度については、労働者がした同意の撤回に関する手続を定めることとしました。これにより、一旦同意した労働者も実施後に高プロから外れるため、労働者にとって出入りが可能な新しい働き方の選択肢を用意することができます。
 一方で、同意を拒否したことを理由に不利益に取り扱われることを禁止した規定は、同意を撤回する場合には適用されません。そのため、労働者は、撤回によって会社から不利益に取り扱われることを恐れて、撤回しないことがあり得ます。
 労働者に安心して高プロを選択してもらえるよう、撤回によって不利益に取り扱われることがないことを明確に示すべきと考えますが、加藤大臣の見解をお伺いいたします。
 また、高プロについては、過大な業務命令により二十四時間働かされることもあり得ると指摘されており、政府は、このような業務命令が出された場合、高プロの要件を満たさなくなると答弁されています。
 高プロの趣旨に反するような過大な業務命令がそもそも出されないよう、政省令やガイドラインで示すなどの対策が必要と考えますが、加藤大臣の見解をお伺いいたします。
 同一労働同一賃金について伺います。
 類似の業務にもかかわらず、雇用形態の違いのために、賃金などに生じている大きな格差を是正することは重要です。しかし、定年までの雇用保障と年功賃金が保障されている現在の正社員制度では、低コストの非正規労働者を雇用の調整弁とすることによって維持されており、このような正規と非正規の労労対立こそ問題の本質です。
 正社員制度の見直しがなければ、安倍総理の言う非正規という言葉をなくすことはできないと考えますが、安倍総理の見解をお伺いいたします。
 労働基準監督署の業務の民間委託について伺います。
 厚生労働省は、本年度の予算措置として、三六協定が未届けの事業所に対する相談指導を民間に委託しようとしています。これは、我が会派の労基署等の業務の民間委託などに関する提案に沿うもので、評価しております。
 重要なことは、民間委託によって、労働基準監督官が本来行うべき監督業務に集中し、過労死やサービス残業の撲滅につなげていくことでありますが、今後の取組について加藤大臣の見解を伺います。
 最後に、今後の労働政策等について伺います。
 本法案にある長時間労働の是正や同一労働同一賃金の導入は、正社員の長期雇用、年功賃金を前提とする我が国の労働法制を大きく転換するものと考えますが、今後のあるべき労働政策についてどのように考えているのか、安倍総理に伺います。
 また、現在の我が国では、専業主婦世帯よりも共働き世帯が上回っており、これに対応した制度が求められています。職種や地域を限定した正社員制度の普及や、共働き世帯を前提とする税や社会保障制度への見直しについて、安倍総理の見解を伺います。
 我が国は、少子高齢化が更に加速し、人口減少はもちろんのこと、生産年齢人口も減少していきます。経済成長や社会保障制度の持続可能性を考えた場合、より多くの人が働きやすい環境を整えていくことは重要であります。
 本法案には、八つの法案を束ねたもので多くの内容が含まれており、また、省令に委任されている事項も多いことから、委員会での審議には十分な時間を確保することが必要であることを指摘申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 119615254X02520180604_025

発言者: 東徹

speaker_id: 17811

日付: 2018-06-04

院: 参議院

会議名: 本会議