舞立昇治の発言 (本会議)
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○舞立昇治君 自由民主党の舞立昇治です。
私は、自民・公明を代表し、ただいま議題となりました卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案について、齋藤農林水産大臣に質問します。
我が国は、起伏に富んだ東西南北に広がる国土を有し、四方を海に囲まれ、様々な農林水産物に恵まれた国です。また、農林水産物の生産に併せて様々な加工製造業も発展し、私たちの食卓は多種多品目の野菜、魚介類、食肉、果物等に満たされてきました。こうした私たちの豊かな食生活は、平成二十五年には和食がユネスコ文化遺産として認められるなど、世界に誇るべきものです。思えば、このすばらしい食文化はどのように受け継がれ、どのように支えられてきたのでしょうか。
全国各地の気候風土にかかわらず、例えば、野菜を安定して届けるためには、全国各地の産地から切れ目のない出荷が必要です。こうした産地リレーは、生産者の安定出荷の努力を基礎とし、その出荷を受ける卸売市場が適切にコーディネートするからこそ構築できるものです。生鮮食料品等の円滑かつ安定的な供給に重要な機能を発揮している卸売市場等の重要性は論をまちません。
一方で、現在、食品流通は大きく変化し、この流れは今後も続くことが予想される中、私は、我が国の豊かな食卓を支える食品流通を今後とも維持発展させる立場から質問したいと思います。
近年、国民の食料需要や消費は大きく変わり、生鮮食料品の消費の縮小、加工食品や外食での消費の拡大、直売所やインターネット通販といった購入流通ルートの多様化等、卸売市場法制定時の昭和四十年代と比較し、食品流通を取り巻く環境は大きく変化しています。
この変化を受けて、平成二十八年十月六日、規制改革推進会議農業ワーキング・グループ等が、生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通、加工の業界構造の確立に関して提言を行いました。この中の卸売市場に関する箇所、特に、卸売市場法という特別の法制度に基づく時代遅れの規制は廃止するという提言は、その後、全国の市場関係者の不安や懸念を招くこととなりました。私自身、関係者の皆様から、卸売市場を廃止するつもりなのか、実態と乖離した議論だ、市場流通が弱体化し混乱が生じるなど、多くの意見をいただきました。
自民・公明は、こうした懸念や厳しい意見を受け止め、昨年秋以降、迅速に議論を開始し、卸売業者、仲卸業者といった市場関係者のほか、卸売市場に出荷する生産者、卸売市場で調達する小売業者等からも直接御意見を伺いつつ、濃密な検討を重ねました。その結果、時代の変化に伴う卸売市場制度の見直しの必要性は否定しないものの、卸売市場がこれまで果たしてきた役割、機能が今後も一層発揮されるような改革をすべきとの結論に至りました。
そこで、まずは、卸売市場に対する現状認識と、今回の卸売市場を含めた食品流通構造改革の基本的な考え方について、答弁を求めます。
大正の米騒動以降、先人が築き上げてきた卸売市場というシステムは、昭和四十年代の物価高騰期を経て現在の形に構築されました。現行法では、卸売市場の開設に当たり、中央卸売市場では農林水産大臣の認可が、地方卸売市場では都道府県知事の許可がそれぞれ必要であり、この許認可がなければ開設が認められない、言わば原則禁止という厳格な規制が課されています。
今回の法案では、卸売市場を開設すること自体は自由にしつつ、その卸売市場が、様々な流通ルートがある中で公平な取引の場かどうかということを農林水産大臣と知事が認定する仕組み、いわゆる認定制へと見直され、これまでの原則禁止から原則自由へと大きな制度変更がなされます。しかし、多くの関係者は、許認可と認定の違いを始め何がどう変わるのかよく分からないというのが正直な感想です。
そこで、今回、なぜ許認可制から認定制に見直すのか、その違いや政策的な狙いと併せ、明快な答弁を求めます。
中央卸売市場の開設についても、様々な臆測が不安を招いています。
現状では、中央卸売市場の開設者は、国による卸売市場の計画的な整備を推進する観点から、都道府県と人口二十万人以上の市といった地方公共団体に限定され、地方公共団体の下で、集荷、分荷、価格形成、代金決済等の卸売市場の調整機能が発揮されています。
しかし、今回の法案では、誰が中央卸売市場を開設するか自体は自由として、開設者の要件とは別に、公正な取引の場として必要な要件を審査し、農林水産大臣が認定の判断をすることとしています。
この点について、開設者は誰でもいいこととなるので、地方公共団体への国の補助金や地方財政措置が縮減され、地方公共団体が市場から手を引いていくのではないか、また、大規模な商業資本や外国資本が新たに市場開設者として参入し、自分たちに有利な取引を行う場としてしまうのではないかといった不安の声もいまだ多くあります。
与党においても、そうした不安に十分配慮した議論を行ってきましたが、改めて、今回、地方公共団体以外でも中央卸売市場を開設できることとした理由や、国の補助金を含め今後の地方公共団体への財政措置はどのようになるのかを伺うとともに、仮に民間企業が中央卸売市場を開設したとしても、卸売市場における公正な取引や市場の公共性は十分維持できる点について不安が払拭されるよう、明快な答弁を求めます。
私のふるさと鳥取県には、境港という一大水産漁港があります。水産物を水揚げするいわゆる産地市場は、都道府県知事の許可を得て、地方卸売市場として日々取引が行われるものが多くあります。
こうした地方卸売市場では、現状でも取引上の規制が比較的緩やかなこともあり、創意工夫を生かした様々な取引が行われています。例えば、現在の中央卸売市場では、卸売業者が自ら買い占めて大規模な価格操作を行うことを防止するため、卸売業者による自己買い付けを禁止していますが、地方卸売市場では、自己買い付けを禁止するかどうかは各卸売市場の判断に委ねられています。このため、地方卸売市場の卸売業者でもある漁業協同組合が、水揚げのあった水産物を自己買い付けし、うろこや内蔵除去等の一次加工を施した上で量販店に販売することにより浜の取り分を増やす、つまり所得の向上に寄与しています。
今回の法案では、差別的取扱いや受託許否の禁止など、必要不可欠な規制は残しながら、自己買い付けの禁止や第三者販売の原則禁止などの取引ルールは卸売市場ごとに判断し、創意工夫を生かした取組を助長するとしていますが、具体的にどのような創意工夫が想定され、出荷者、消費者、市場関係者にどのようなメリットがあるのか、地方創生の推進にも資することと併せ、関係者が期待を持てるような答弁を求めます。
最後に、今回の卸売市場を含む食品流通構造の改革に関わってきた者の一人として、一点要望します。
今回の改革は、消費者の需要の変化、流通ルートの多様化など、卸売市場制度の構築当時からの時代の変化や今後の将来予測などを勘案すると、必要なものと思います。一方で、長年、卸売市場に出荷し、早朝から働いて新鮮な食品を調達してきた関係者の皆様にとっては非常に大きな変革でもあります。
政府には、この改革に対する理解の促進に最大限の努力を払い、開設者を始め、卸売業者や仲卸業者はもちろん、出荷者や八百屋、魚屋といった小売業者など、できる限り多くの方々の理解を得ていただきたいと思います。
特に、地方公共団体からは、今回の見直しにより開設者の責任と権限が大きくなる中で、今後どうすればよいかといった不安もいまだ多くあると伺っています。こうした点に細心の注意と努力を払い、適切かつ丁寧な対応をお願いします。
この度の見直しにより、卸売市場が生き生きと一層活力に満ちた取引の場となり、全国各地で生活する方々に少しでも元気が、そして地域ににぎわいが取り戻せるよう心からお祈りして、代表質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣齋藤健君登壇、拍手〕