大塚耕平の発言 (本会議)

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○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。
 初めに、西日本を中心とした豪雨災害で犠牲となった皆様の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に衷心よりお悔やみを申し上げます。また、被害に遭われた皆様、避難を余儀なくされている皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 さらに、今この時間も安否不明者の捜索や被災地の復旧復興に取り組んでいる警察、自衛隊、消防、行政関係者を始め、水道、電力等のライフライン関係事業者、ボランティアを含め、全ての皆様の御尽力に感謝と敬意を表します。
 政府に対して、早期の激甚災害の適用を含むあらゆる手段と工夫を講じて、全力で被災者救済と復旧復興に当たることを求めます。
 こうした中で、議長の不信任決議案を本会議にかけなければならないことは極めて遺憾です。
 国民民主党・新緑風会、立憲民主党・民友会、日本共産党、希望の会、沖縄の風の各提出会派を代表し、ただいま議題となりました議長伊達忠一君の不信任決議案について、提案理由を説明いたします。
 決議の案文を朗読いたします。
    議長不信任決議案
  本院は、議長伊達忠一君を信任しない。
   右決議する。
 以下、その趣旨を説明いたします。
 伊達忠一君は、平成二十八年八月一日に議長に選任されました。その後の議長としての差配を顧みると、多くの場面で不信任に値する所作が見受けられますが、今国会における対応はもはや看過できません。その理由を三点に絞って説明いたします。
 第一は、今回の豪雨災害への対応です。
 言うまでもなく、国会はIR法案の審議などしている場合ではなく、伊達忠一君は指導力を発揮し、議院運営委員会、内閣委員会、国土交通委員会等関係委員会の委員長や理事並びに総理大臣や国土交通大臣等に適切な対応を勧奨すべきでした。残念ながら、そうした対応を促すことはなく、不要不急かつ多くの問題を含む法案の審議に時間を費やすことを傍観し、かつ強引な委員会運営まで看過しました。
 日本国憲法は、四十一条において、国会を国権の最高機関と定めています。国権の最高機関の長たる議長にとって、今回の未曽有の豪雨災害に際し、国会を構成する委員長や理事に対してはもちろんのこと、政府に対しても人命救助や災害対応に全力を傾注するように促すことは、当然の責務と言えます。
 国会法十九条には、「議長は、」「議院の秩序を保持し、議事を整理し、議院の事務を監督し、議院を代表する。」と定められています。その上で、国会法十二章及び参議院規則十三章に「国民及び官庁との関係」という章を設けています。国会法十二章百三条は、「国政に関する調査のために又は議院において必要と認めた場合に、議員を派遣することができる。」と定め、参議院規則十三章百八十条は、「緊急を要する場合」「にあつては、議長において議員の派遣を決定することができる。」としています。
 豪雨災害発生直前に総理大臣や関係閣僚等が宴会に興じ、豪雨災害発生後も所管大臣や関係委員会の委員長が不要不急の法案審議に時間を費やしているようであれば、ただいま申し述べた諸規定に基づき、議長が率先してその権能を行使し、大臣や委員長に対応を促すと同時に、政府に先立って被災地への議員派遣を自ら決めることもできたのです。
 議会が率先して動けば、不見識な政府に対して、国権の最高機関としての立法府の行動によって対応を促し、大いに戒めることも可能であったのです。
 さらには、国会法二十条には、「議長は、委員会に出席し発言することができる。」と定めています。豪雨災害対応に全力を傾注しない関係大臣、委員長、理事等に対し、委員会に出席し、自ら発言して対応を促し、いさめることもできたのです。
 そうしなかったことは大いに問題である上、そもそもそういう規定等を知らなかった、あるいはその気がなかったのであれば、なお一層問題であります。
 議長選任時の本会議において、伊達忠一君は、公平無私を旨として、議院の正常かつ円滑な運営を図り、我が国二院制の下で参議院がその使命と役割をしっかりと果たしていけるよう、全力を尽くすとの決意を述べましたが、今回の豪雨災害時における議会運営の経過を鑑みると、その決意は空疎なものであり、議長に求められる使命感と指導力が欠如していると判断せざるを得ません。
 第二は、第一のとおり、災害対応への専心を促すことを怠り、議長としての責務を果たさなかった一方で、不要不急かつ問題の極めて多いIR法案の審議強行を看過したことです。
 この法案については、内閣委員会や本会議で多くの同僚議員が言及しているように、国民の間で反対が賛成を大きく上回っている状況です。災害対応が急務の局面で、審議強行を許すことなど到底考えられない法案です。
 どのような法律や政策にも、必ずプラス面とマイナス面があります。プラス面ばかりを喧伝することは、不正直、不誠実であります。プラス面、マイナス面の双方を勘案し、ネットマイナスであれば、そうした法律や政策は断念することが賢明な判断と言えます。
 IR法案は、賛成派が喧伝する所期の経済効果が上げられるか否かが疑わしい上、利用者がギャンブル依存症に陥る危険性等を勘案すると、少なくとも急いで審議する必要性は全く認められない法案であります。
 政府は、週三回かつ二十八日間で十回という利用制限を設けることがギャンブル依存症対策になると言っていますが、正気の沙汰とは思えません。二十八日間で十回の利用は、既にギャンブル依存症ではないですか。これでは、ギャンブル依存症促進法案と言えます。
 国民の平均休日日数が月十日程度という状況を踏まえた回数制限という説明も理解不能であります。休日全てをカジノに通える設定が、どうして制限と言えるのでしょうか。さらに、滞在二十四時間を一回とカウントするため、日をまたいでカジノに行くと、週三回の入場で丸々週六日間のカジノ通いが可能となる設定であり、これを制限と強弁することは常軌を逸しています。
 法案がこのような内容である以上、議長として慎重審議を促すのが当然の責務でありますが、伊達忠一君には一切そのような姿勢は見られません。国民の過半以上が反対している問題法案の審議に対し、拙速を戒め、場合によっては継続審議にするなど、適切な指導力を発揮することもなく、今まさに強行採決を看過しようとしている姿勢では、伊達忠一君に議長を任せておくわけにはいきません。
 このような資質と姿勢の議長を放置することは、国民と国会にとってギャンブルのようなものです。国民と国会がギャンブル依存症とならないように、伊達忠一君を不信任とすることが適当と考えます。議場各位の賛同を期待するものであります。
 第三は、参議院選挙制度改革に関する対応です。
 参議院選挙制度改革の発端は、平成二十七年に伊達忠一君自身が参議院自民党幹事長時代に発議し、成立させた改正公職選挙法です。附則には、平成三十一年に行われる参議院議員の通常選挙に向けて、選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得るものとすることと記されました。
 その後、参議院改革協議会の下に置かれた専門委員会が十七回にわたり開催され、本年五月七日に報告書を取りまとめ、議論の舞台は専門委員会から協議会に移りました。
 そうした中、会期末が迫った六月一日の協議会において、自民党から突如、専門委員会で全く議論されなかった定数六増、比例代表の一部を拘束式特別枠とするという奇想天外な珍案が提示されました。
 六月十三日に招集された各会派代表者懇談会において、公正中立であるはずの議長が、自民党案が提出されるので、他に意見のある会派は今週中に法案を提出することを求める、懇談会はもう開かないと発言したことは、驚きを通り越してあきれるばかりでありました。私は、議長あっせんを行うべき、もう一度懇談会を開くべきと申し上げ、翌十四日、再度の懇談会開催となりました。野党各党が、全会派で構成する協議会等で改めて議論すべきと主張するとともに、議長あっせんの努力を求めましたが、議長は再度、案があるなら今週中に提出すべしと強弁し、一方的に懇談会を打ち切りました。議長のなせる所業とは到底思えない、無責任、不見識な姿勢に終始しました。
 会期延長後の六月二十五日、私は議長の招請に応じて議長室に出向き、個別に面談しました。その際、二つのことを進言しました。
 一つは、参議院における法の下の平等とは、区割りを弾力的に調整できる衆議院とは異なることを、参議院の長として明確に問題提起してはどうかという点です。自分の居住する都道府県代表を少なくとも一人は参議院に送り込めることが、参議院における国民の法の下の平等であり、一票の価値だけでは測れない視点かもしれません。日本国憲法は、三権分立を定め、かつ国権の最高機関は立法府としています。立法府の自治という視点と最高裁の判決という視点を虚心坦懐に再考する意義はあると思います。少なくとも、抜本改革の成案を得ることに失敗した議長として、原点に戻って議論を整理し、司法と向き合うことが必要ではないかと申し上げました。
 もう一つは、国民民主党を含め各党から複数の案が出ることが予想された中、今こそ議長あっせんに取り組むべきと進言しました。残り僅かな会期の中で拙速な対応をすることなく、閉会中審査も含め、焦らずに合意形成を目指すべきであり、そのために議長が汗をかいてはどうかと申し上げました。
 しかしながら、こうした進言も伊達忠一君には無意味でした。各党案がまとまりつつあった七月四日に開かれた懇談会でも、公明党や野党が繰り返し議長によるあっせん要請をしたものの一顧だにせず、前回と同様に議論を打ち切りました。
 以上のとおり、伊達忠一君は、決定的に指導力が欠如しており、議長の任は務まりません。
 さらに、国民に対する説明責任についても付言します。安倍首相の臨時的な措置発言は、モリカケ問題における詭弁に比べると妙に正直なのが不気味な感じがしますが、詭弁も弄せないほど明々白々な党利党略ということでしょう。
 伊達忠一君は、自ら主導した改正公選法の附則に定めた責務を果たせなかったことについて、記者会見等を開き、今回は臨時的な措置であることを国民に説明する責任がありましたが、そうした対応に全く思いが及んでいません。自ら発議者となって成立させた法律の規定すら守ることができず、国民に対する説明責任も果たせない伊達忠一君に、立法府の議長が務まるとは思えません。
 民主主義の土台を担う選挙制度について、これまでも先達たちが並々ならぬ努力を積み重ねてまいりました。
 第二十一代、二十二代の斎藤十朗議長は、平成十二年十月十九日、選挙制度改革をめぐる与野党調停の失敗の責任を取って議長を辞任し、しばらくは無所属を貫きました。まさしく議長たる身の処し方であったと、当時を知る与野党の諸先輩から伺っております。
 七月九日の倫選特に参考人として出席された脇雅史元参議院自民党幹事長も、在職当時、選挙制度改革の調整に尽力され、職を辞し、会派を離脱までして筋を通されました。
 第二十八代の西岡武夫議長は、自ら独自案を提起され、議論の進捗に応じて修正案も示しました。西岡議長案で合意するには至りませんでしたが、参議院選挙制度改革に強いリーダーシップを発揮されました。
 こうした先達と比べ、伊達忠一君は見る影もありません。代表者会議において用意された発言案を読み上げ、一方的に席を立つという、およそ議長とは思えない所作が続きました。このような議長の下で、参議院の権威を保ち、円滑な議事を行うことは不可能であります。
 以上、三点に絞って伊達忠一君の議長不信任決議案の理由を説明いたしました。議長就任時に語った公平無私の決意とは余りにも懸け離れた議会運営はもはや看過できず、出身会派の方針に唯々諾々と従って議事を進める伊達忠一君の対応は、公正中立を旨とする議長の権威を著しく失墜されるものであり、解任に値します。
 私は、真摯に伊達忠一君の不信任を問題提起させていただきますので、与党、各会派の皆様方にも広く御賛同をお願い申し上げまして、議長不信任決議案に関する趣旨説明とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
    ─────────────

発言情報

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発言者: 大塚耕平

speaker_id: 4047

日付: 2018-07-19

院: 参議院

会議名: 本会議