有田芳生の発言 (本会議)

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○有田芳生君 立憲民主党・民友会の有田芳生です。
 会派を代表して、ダテチュウこと伊達忠一議長の不信任決議案に賛成する討論を行います。
 ちなみに、ダテチュウとは、大流行していたポケットモンスターのピカチュウにあやかって、伊達陣営が選挙のときに宣伝に使っていた呼び方です。事は、ピカチュウのようにかわいいキャラクターの問題ではありません。ダテチュウこと伊達議長は、民主主義制度をゆがめ、破壊する水先案内人の役割を自ら率先して果たしたのです。
 なぜ不信任なのか、その理由を述べさせていただきます。
 今から二年前、あるブログにこんな書き込みがありました。議場の皆さん、耳を澄ませてよくお聞きください。
 三権の長であり、良識の府のシンボルである参院議長を誰でもできるポストにすることは、参議院の存在感を大きく低下させることになります。そのことをよく考えてみてください。
 こんな批判を一体誰が書いたのでしょうか。実は、この議場にいらっしゃいます。お名前を伏せますが、自民党の大臣経験者です。議長は、そもそも就任の前から、御自身が所属する党内からも批判の声が公然と上がっていたのです。最大派閥細田派幹部が、花道だからとなだめたと聞いております。当選三回で未入閣でしたから、口さがない議員からは、嫉妬も交えて、二階級特進と言われたものです。
 しかし、私のような部外者から見れば、派閥の論理など関係ありません。自民党も多士済々、群れることをよしとせず、信念に従って我が道を行く議員もいらっしゃることでしょう。そう信じたい。伊達議長がそうした政治哲学をお持ちになり、参議院の存在価値を高めるための仕事を進めてくれるなら、悪口雑言、罵詈雑言、罵詈ざんぼう、どんな批判を言われようと、何も恐れることなどありませんでした。今、でしたと過去形で語りました。なぜか。もうお分かりでしょう。議長としての職責を放棄したからです。
 皆さん、議長とはそもそもどんな責任を負っているのでしょうか。国会法十九条には、参議院において秩序を保持し、議事を整理し、議院の事務を監督し、参議院を代表する役職と定められています。つまり、参議院を代表し、議事を整理しなければならないのが議長の職責です。これは国民に対する責任でもあります。伊達議長がなぜそれを放棄したと言わなければならないのか、まずは世間の声を直視してみましょう。
 参議院の定数を六増やし、比例区に特定枠を設ける公職選挙法改正案について、新聞各紙は、こぞって自民党による党利党略だと厳しい批判を下しました。どんな世論調査結果が出ているでしょうか。
 朝日新聞が七月十四日、十五日に行った調査では、反対五六%、賛成二六%。前回調査で反対は四九%ですから、七%も増えているのです。自民党支持層でも、反対が四六%、賛成は三六%と反対が上回っています。公明党支持層でも反対が賛成を上回っています。これが国会の空間とは違った世間の一断面なのです。
 衆議院で各会派の質問僅か十五分、ここでも強行に採決が行われ、この法案は成立してしまいました。しかし、世論は変わりません。この現実を直視しようではありませんか。ここにおいて伊達議長の責任は極めて重いものがあると言わざるを得ません。
 私たち立憲民主党は、結党から一年にも満たない新しい政党です。したがって、参議院に設けられた改革協議会、そして専門部会の十七回の協議にも途中から出席しました。私たちは、制度改革について発言した中で、最高裁判決に基づいて、政権与党である自民党が責任ある抜本的改革案を提示するよう求めました。ところが、それも示されないまま専門部会は終結し、伊達議長を責任者とする改革協議会に報告書が提出されました。
 その後、伊達議長からは各党に改革案を示すよう求められ、それぞれの提案がなされたことは御承知のとおりです。
 その協議の最終盤、伊達議長の口から驚くべき発言が飛び出しました。橋本会長からも是非そうさせていただきます、そのことを報告させていただきたいと、何と、自民党の立場を代弁するかのような発言を行ったのです。言語道断という言葉はこうしたときに使います。伊達議長の発言は言語道断、その立場を逸脱、放棄した無責任なものとのそしりを免れません。
 議長は公正中立でなければならず、特定の党派の立場に立つことは許されません。七十にして心の欲するところに従ってのりを越えず。論語の教えです。その意味は、七十歳になったら自分の心のままに行動しても人道を踏み外すことがなくなったということです。来年一月で御身八十歳になられる賢明なる伊達議長に分からないはずがないでしょう。不可解千万、一体どうされたのでしょうか。
 それだけではありません。更に愕然とすることがありました。立憲民主党の福山哲郎幹事長を始め野党から議長あっせん案を提出することを求められた議長は、できないと答えると席を立って退出してしまったのです。突然の行動に出席者は唖然、茫然、愕然から、かんかん、ぷんぷん、憤然やる方ない気持ちになるのは至って自然でありました。これが国権の最高機関である国会を象徴する議長のなすべきことでしょうか。仕事を放棄したと断じて間違いはありません。
 そして、いきなり姿を現したのが、専門委員会でそのかけらを見たこともない定数六増、比例区に一部拘束制を導入するという、まさに党利党略の公選法改正案でした。委員会での質疑時間は僅か六時間、一会派当たりたった四十五分で採決が強行されたのです。しかも、立憲民主党が希望の党と共同提出した法案は採決さえされませんでした。
 伊達議長、ここに至る異様、異常な経過の出発点に厳然としてあるのが、あなたの信じられない判断と行動だったのです。
 どうしても邪推してしまいます。その背景には個人的事情があったのではないでしょうか。伊達議長、あなたは来年七月の参議院選挙で北海道選挙区から四選を果たされようとしているのでしょうか。候補者に道議や市議二人の名前が挙がる一方で、伊達後援会は自民党本部への推薦を決定し、高齢かつ多選反対の声を押し切って四選への道を切り開こうとしています。それを実現するために、議長の職責を投げ捨てて、自民党の選挙制度改悪に率先して協力したのではないですか。
 私たちの誰もが、自分の後ろ姿、人生の軌跡を取り消せません。元に戻ることはできないのです。晩節を汚すという言葉があります。議長自ら誤った選択をしたことを憂うばかりです。問題は、選挙制度という国民にとって基本的な民主主義を破壊するかどうかという重大問題です。公平公正を目指す政治の歴史の尺度に照らしてみても、議長の判断は全く間違っています。
 伊達忠一議長不信任決議案の賛成討論に立った理由は以上です。
 与党の議員の皆さん、組織の呪縛にいつまで縛られているんでしょうか。皆さんも、組織人であると同時に独立した自由な個人であることができるかどうかが問われています。衆議院の船田元議員は、定数増は国民に理解されないという理由で投票を棄権しました。与党の議員の皆さんが賢明な判断をされることを願って、伊達忠一議長の不信任決議案に賛成する討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 119615254X03620180719_009

発言者: 有田芳生

speaker_id: 5133

日付: 2018-07-19

院: 参議院

会議名: 本会議