清水貴之の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。
 会派を代表いたしまして、ただいま議題となりました特定複合観光施設区域整備法案について、賛成の立場から討論を行います。
 冒頭、私からも、今回の西日本豪雨災害によって亡くなられた皆様に心からの御冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた皆様の一刻も早い復旧復興、生活の再建に向け、私どもも精いっぱい努力することをお誓い申し上げたいと思います。
 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案は一昨年の十二月に可決、成立し、それに基づいて、統合型リゾート施設の設置に向けて議論を進めてまいりました。
 今、訪日外国人客数の増加が追い風となって、地方経済にも大きな影響を与えています。東京一極集中が加速する中、インバウンドの増加を好機として捉え、地方の活性化、地方創生の手段の一つとして活用、推進することが必要です。その鍵となるのが観光地としての魅力を高めるためのIRの活用と考えます。
 魅力ある観光地の整備は、外国人観光客数の更なる伸びにつながり、観光産業を成長させるだけでなく、日本の国際的地位を高める効果も期待できます。
 政府からは、立地場所や事業者のビジネスモデルなどの不確定要素が多いという理由で具体的な経済効果の試算は発表されていませんが、大和総研は、北海道、横浜、大阪の三か所にIRをつくると仮定した場合、全国への経済効果は、建設に関わるおよそ五兆円のほか、運営に伴って毎年およそ二兆円と試算。みずほ総研は、東京一か所につくるという仮定での数字ではありますが、建設でおよそ八千億円、運営でおよそ三兆円と経済効果を試算しています。また、大阪府は、大阪市の夢洲地区にIRを設置した場合、建設で約一・三兆円、運営で約五千八百億円の経済効果があり、国内外から最大二千二百万人が訪れると見込んでいます。北海道でも、苫小牧市にIRを設置した場合、およそ六百万から八百万人が訪れるのではとのことで、各種調査の前提条件などは異なりますが、いずれにしても、観光や地域振興、雇用創出といった大きな効果が見込まれることは間違いありません。
 IR事業は、二〇二〇年の東京オリンピックの開催とオリンピック後の切れ目ない経済成長の大きなポイントとなることが期待されます。委員会における総理の答弁でも、観光先進国という新たな国づくりのために、政府一丸となって、できるだけ早期に日本型IRを実現していきたいとありましたように、基本方針の策定やカジノ管理委員会の設置など、必要な準備作業をできるだけ早く進めていただき、その効果を日本全体の経済成長へとつなげてほしいと思います。
 一方、IR施設を訪れる人のうち日本人の割合が、大阪府の試算ではおよそ七割、北海道の試算では、苫小牧市に建設された場合はおよそ八割、釧路市ではおよそ九割となっています。ショッピングモールなどもあるため近隣住民が行く回数が多いと仮定された結果とのことですが、政府の目指す世界中から観光客を集める滞在型観光施設であるならば、多くの外国人が日本に来訪したいと思えるような日本型IR施設を整備していくことが重要であると考えます。
 また、先週末に行われた朝日新聞の世論調査によりますと、今国会でのIR整備法案成立不要という声が七六%と、多くの国民の理解が得られている状況でないことは事実であると思います。これはやはりカジノにばかり焦点が当たりがちなことが理由ではないかと思いますが、これも、総理の答弁にありますとおり、依存防止や犯罪、治安維持のために講じられている対策の内容や、日本の成長戦略に資する経済効果が期待されることも含め、国民に日本型IRのイメージを具体的に共有してもらうため、全国キャラバンを実施するなど、広報の取組を積極的に推進していくことが重要であると考えます。
 内閣委員会で私何度か質問をしましたが、都道府県等による区域整備計画の五年ごとの更新の際に、都道府県議会の議決が必要となります。その理由は、地元の理解や協力が得られる施設であるべきだという政府の説明には当然理解をいたすんですが、幾ら集客や経営的に順調で地元に愛される施設であろうと、議会における賛否というのは、皆さんよく御存じのとおり、その他様々な要因で決まることがあり、率直に言いますと、IR施設の存続が政局に使われてしまう可能性があります。
 IR施設への投資は、額も大きいですし、期間も長期間になります。地元自治体からしても、長期間の安定した事業として地域の理解と協力を得て、地域と共に発展するIR事業の開業が必要ではないかということを改めてここで言及させていただきたいと思います。
 日本型IRにおいては、訪日外国人観光客の人数を増やすだけでなく、滞在日数を延ばしてもらうためにも、国際的な会議ビジネスを展開するためのMICE施設が重要になります。
 国際会議の開催件数では、日本は世界七位というポジションにいますが、誘致競争が激化する中で、そのシェアは徐々に低下しているのが現状です。国内には、展示会と大規模な会議を同時開催できるような施設がほとんどありません。IRの中にそのような会場を整備し、官民を挙げての海外での積極的なプロモーション活動などを行うことにより、多くの国際会議を誘致し、都市の国際的な地位を引き上げる効果を狙うことも、統合型リゾートの設置によって得られる大きな効果であると考えられます。
 IR実施法案の審議に先立ち、我々日本維新の会も共同提案者となりましたギャンブル等依存症対策基本法案が今国会で成立いたしました。
 厚生労働省の調査によりますと、二〇一七年時点でギャンブル依存症が疑われる人は国内で約三百二十万人と言われています。その中でも、パチンコ、パチスロ依存症が九二%と最も高い割合です。
 カジノができることでギャンブル依存症の人が増えるのではないかという懸念が示されてきました。その懸念は理解をするところではあるんですが、今回のギャンブル等依存症対策基本法案ができたことで、これまで抜本的かつ具体的な対策がなかなか取られてこなかったギャンブル依存に正面から取り組み、国や都道府県でしっかり対策を立て、パチンコを中心とした全体の依存症患者を減らしていく、これが実現すれば、今回、ギャンブル等依存症対策基本法案とともにIR法案を審議した大きな効果の一つでもあると考えます。
 以上申し述べましたように、日本型IRは、国際会議場や家族で楽しめるエンターテインメント施設と収益面での原動力となるカジノ施設とが一体的に運営される総合的なリゾート施設であり、観光や地域振興、雇用創出といった大きな効果が見込まれます。その一方で、まだ国民の間でのIRやカジノに対する理解が十分に進んでいないことや、外国人の訪問者が本当に多くやってきて滞在してくれるのかなど、懸念事項があるのも事実かと思います。
 今後、国民の皆様の声に耳を傾けながら、理解を深めてもらえる努力をし、日本型IRを核とした地方創生、そして日本全体の経済成長につながるよう取り組んでいくことを申し上げ、私の賛成討論とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 119615254X03720180720_010

発言者: 清水貴之

speaker_id: 28400

日付: 2018-07-20

院: 参議院

会議名: 本会議