原田義昭の発言 (環境委員会)
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○原田国務大臣 環境大臣及び原子力防災を担当する内閣府特命担当大臣の原田義昭でございます。
第百九十七回国会における衆議院環境委員会の御審議に先立ち、環境政策及び原子力防災に関する私の考えを申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いいたします。
この夏、我が国は、平成三十年七月豪雨に象徴される激甚な自然災害と記録的な酷暑に見舞われました。こうした気候変動の影響拡大の懸念に加え、我が国は、さまざまな経済、社会的課題に直面しております。一方、世界では、脱炭素化の進展やグリーンファイナンスの拡大など、従来の考えを大きく転換すべき潮流が生じております。
今後の環境政策は、第五次環境基本計画に基づき、幅広い分野でのイノベーションを創出しつつ、持続可能な開発目標、SDGsの達成に向けて環境保全と経済、社会的課題との同時解決を実現してまいります。その実践として、地域においては、美しい自然景観等の地域資源を生かして地域の活力を喚起する地域循環共生圏を創造し、将来にわたって質の高い生活をもたらす新たな成長につなげてまいります。
まず、気候変動対策について申し上げます。
脱炭素社会を目指す世界の潮流は揺るぎないものとなっており、パリ協定は二〇二〇年から本格的な実施の段階へと入ります。そのため、来月ポーランドで開催されるCOP24では、パリ協定の実施指針策定に向けた交渉に積極的に貢献してまいります。また、海外展開戦略に基づく環境インフラ海外展開の推進等により、脱炭素化と経済成長に向けた国際協力を推し進めてまいります。
国内については、二〇三〇年度の温室効果ガス排出削減目標の着実な達成に向け、企業の脱炭素経営を加速化させるとともに、再生可能エネルギーの最大限の導入、徹底した省エネルギーの推進、フロン類対策、ESG金融の推進、国民運動、クールチョイス等を進めてまいります。一方、我が国の削減目標達成に深刻な支障を来すことが懸念される石炭火力発電については、厳しく対応してまいります。
また、来年G20議長国として世界の脱炭素化を牽引するとの決意のもと、二〇五〇年八〇%削減に向けて、環境と成長の好循環を実現するための成長戦略として、パリ協定に基づく長期戦略を策定し、国内での大幅削減、世界全体の排出削減への貢献、我が国の経済成長につなげてまいります。加えて、脱炭素化への戦略的資源配分を促し、経済成長につなげる原動力としてのカーボンプライシングの可能性に関する検討を進めてまいります。
適応分野については、前国会での気候変動適応法の制定を受け、国土強靱化の観点も含め、環境省が旗振り役となり、政府一丸となって強力に推進するとともに、国立環境研究所を中核とした情報基盤の整備や地域での取組の加速化、適応策の海外展開、熱中症の対応策など、さらなる充実強化を図ってまいります。
海洋プラスチックごみ問題に関する取組について申し上げます。
マイクロプラスチックを含む海洋プラスチックごみに関しては、国際的な議論等を踏まえ、来年のG20までにプラスチック資源循環戦略を策定するとともに、前国会で改正された海岸漂着物処理推進法に基づき、政府の基本方針を改定いたします。また、消費者のワイズコンサンプション、賢い消費を始め、プラスチックとの賢いつき合い方を全国的に推進するべく、プラスチック・スマートキャンペーンを展開し、幅広い主体の連携、協働による取組を後押ししてまいります。さらに、来年のG20の場で途上国を巻き込んだグローバルで実効性のある取組の推進を打ち出すべく、国際的な議論をリードしてまいります。
東日本大震災の被災地の着実な環境再生の推進について申し上げます。
私は、就任直後に被災地に赴き、地元の方々と直接対話する中で、復興への決意を新たにいたしました。被災地の状況をしっかり捉まえ、被災地の皆様の思いに寄り添い、復興、創生に誠心誠意取り組んでまいります。
復興のさらなる加速化に向け、中間貯蔵施設について、用地取得、施設整備、搬入を安全かつ着実に進めるとともに、仮置場の解消を推進してまいります。また、最終処分量の低減を図るため、引き続き除去土壌等の再生利用に関する取組を進めてまいります。さらに、放射線健康管理、リスクコミュニケーションの実施や正確な情報発信を通じ、住民等の不安の解消等を図ってまいります。
帰還困難区域については、認定された特定復興再生拠点区域復興再生計画に沿って、特定復興再生拠点区域内における家屋等の解体、除染を着実に実施してまいります。また、指定廃棄物等については、安全確保を大前提とし、引き続き着実に取組を進めてまいります。
さらに、福島の産業・まち・暮らしの創生に向け、脱炭素、資源循環を基軸とした先導的なモデル事業や自然資源を活用した復興プロジェクトを推進する、福島再生・未来志向プロジェクトを実施してまいります。
原子力防災等について申し上げます。
万が一の原子力発電所の事故に対応するため、内閣府特命担当大臣として、原子力防災に取り組みます。原子力防災会議を中心に、関係省庁を挙げて、地方自治体の地域防災計画、避難計画の具体化、充実化への支援、要配慮者への対応や、避難の円滑化、防災資機材の整備等への財政支援、原子力防災業務に携わる人材の育成などにきめ細かく取り組んでまいります。
原子力防災に対する備えは、終わりや完璧はございません。各地域での防災訓練等を通じて、地域防災計画、避難計画の継続的な充実強化に努めてまいります。
また、原子力規制委員会が、独立性の高い三条委員会として、科学的、技術的見地から公正中立な立場で規制を進められるよう、環境大臣として、しっかりとサポートしてまいります。
資源循環政策の展開について申し上げます。
第四次循環型社会形成推進基本計画に基づき、資源生産性の向上等、循環経済の確立に向けた資源循環分野でのイノベーションを国内外において展開してまいります。加えて、災害廃棄物の円滑、迅速な処理と、大規模災害に備えた万全な災害廃棄物処理体制の構築に取り組んでまいります。同時に、一般廃棄物処理施設の更新需要への適切な対応、浄化槽整備の推進による汚水処理リノベーション等を進めてまいります。
また、途上国等における循環型社会の構築に貢献するとともに、我が国の廃棄物発電や浄化槽等の環境インフラの海外展開を図るべく、資源循環に関するすぐれた技術や制度の発信、普及に取り組んでまいります。
魅力ある我が国の自然の保全、活用と生き物との共生に向けた取組について申し上げます。
まず、国立公園を世界水準のナショナルパークとして磨き上げ、来訪者に質の高い自然を楽しんでいただく国立公園満喫プロジェクトについては、二〇二〇年度までに訪日外国人来訪者数を一千万人とする目標の達成に向けた取組を地域とともに推進し、自然環境の保護と利用の好循環を生み出してまいります。
生物多様性の保全については、自然と共生する世界の実現を目指す愛知目標達成のための取組を加速させるとともに、今週エジプトで開催される生物多様性条約第十四回締約国会議での議論に積極的に貢献し、また、SATOYAMAイニシアチブ等による国際連携を展開してまいります。さらに、外来種防除対策、希少種保全、鳥獣管理のほか、災害時対応等を含むペットの適正飼養等に取り組んでまいります。
環境行政の基盤である各種環境リスク低減のための政策について申し上げます。
まず、水俣病を始めとする公害健康被害対策と石綿健康被害者の救済に、引き続き真摯に取り組みます。また、ライフサイクル全体での化学物質の環境リスク評価、管理を進めていくほか、子供の健康と環境に関するいわゆるエコチル調査や、水銀に関する水俣条約の実施に着実に取り組んでまいります。さらに、石綿飛散防止や、琵琶湖、瀬戸内海等の水環境保全、また、PCB廃棄物の期限内処理の確実な達成を進めてまいります。
来年のG20においては、持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合も開催されます。これを機に、各種取組の強化と国内外への成果の発信を一層進められるよう、引き続き、人と環境を守るという根源的な使命に対し、全力を尽くしてまいります。
以上、環境大臣及び原子力防災担当の内閣府特命担当大臣として、当面の取組の一端を申し上げました。
秋葉委員長を始め理事、委員各位におかれましては、今後とも、環境行政及び原子力防災の一層の推進のため、御支援、御協力を賜りますようお願いを申し上げます。
よろしくお願いいたします。(拍手)