石田真敏の発言 (総務委員会)

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○石田国務大臣 おはようございます。
 総務大臣を拝命いたしました石田真敏でございます。今後とも何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 総務委員会の御審議に先立ちまして、御挨拶を申し上げたいと思います。
 今、社会は大変革期にあります。政府では、ソサエティー五・〇、すなわち狩猟、農耕、工業、情報に続く第五の社会という考え方を打ち出しています。産業、雇用、生活などが大きく変容していく中で、地方も大きく変わることが予想され、これらに対応して、地方の活力維持にも取り組む必要があります。
 また、地方の疲弊も東京一極集中も限界に来ています。地方の疲弊は待ったなしの状態であります。さらに、十月、台風二十四号が首都圏に接近した際、通過後にもかかわらず、朝のラッシュ時に人が駅にあふれ返り、今後予想される大災害が万一発生したときに、首都東京でどのような混乱が起こるのかと不安を覚えたのは私一人ではなかったと思います。
 社会の変化を見きわめながら、地方の疲弊を打ち破り、かつ、安心、安全で快適に暮らせる地域づくりのため、各地方公共団体に寄り添って短期的な課題に取り組むとともに、中期的な視点を持って総力を挙げて各種課題に取り組みます。
 こうした認識のもとで、特に力を入れて取り組みたい政策の方向性について、以下五点申し上げます。
 第一に、地方の疲弊や、拡大する地方間の財政力格差に対する取組が重要であります。縦割りではなく地方の課題は全て総務省がかかわるとの考えに立ち、安定的な地方行財政運営のための財源を確保してまいります。また、地域の自立性を促進するため、地域産業の発展や地域コミュニティーの維持に取り組むことで、地域力を強化し、人々が地域で支え合う持続可能な社会を構築してまいります。
 先日、私は奈良県川上村、下北山村及び吉野町を訪問し、地域コミュニティーを維持する取組の現場を目の当たりにしました。そこでは、地域おこし協力隊の方々とともに、隊員としての任期を満了後その地に定住された方々が地域の特性を生かしたエコツアーや吉野杉を使った器の製作を行うなど、地域コミュニティーを守る担い手として活躍されていました。また、これらの方々から、隊員になったきっかけが、都会での生活環境を変えたいという強い思いであったという声を聞きました。都会にはこのような思いを持つ若者がたくさんおられると思います。このような思いを持つ一人でも多くの若者に地方移住、定住を考えていただくためにも、地域おこし協力隊を知ってもらい、隊員になっていただくことが重要であると強く実感いたしました。これを踏まえ、地域おこし協力隊の隊員を六年後に八千人までふやすとともに、その任期満了後も元隊員が活躍できる環境づくりに努めてまいります。
 また、地域の資源と資金を活用して雇用を創出するローカル一万プロジェクトや地域と多様にかかわる関係人口の創出など、地域力の強化につながる取組を積極的に進めます。
 人口減少が深刻化し、高齢者人口が最大となる二〇四〇年ごろに顕在化する諸課題に地方公共団体が対応するため、従来どおりの発想ではなく、AIなどの活用を含め、起こり得る課題を将来の姿から逆算し、先を見据え、腰を落ちつけて、議論を進めてまいります。現在、地方制度調査会では、これらの課題に対応するため、圏域における地方公共団体の協力関係、公、共、私のベストミックスなど、必要な地方行政体制のあり方が審議されており、総務省はさまざまな観点から検討を進めてまいります。
 平成三十一年度の地方財政においては、新経済・財政再生計画を踏まえ、交付団体を始め地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源総額について、平成三十年度地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的にこれと同水準を確保します。
 地方税制につきましては、地方税を充実確保しつつ、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系を構築する観点から、平成三十一年度税制改正において、地方法人課税における税源の偏在を是正する新たな措置を検討し、結論を得ます。また、森林環境税・譲与税の制度化、ふるさと納税の健全な発展に向けた制度の見直しに取り組みます。
 第二に、ソサエティー五・〇の実現に向けて、IoT、AIなどの社会的実装に積極的に取り組みます。このため、本年八月に公表した未来をつかむTECH戦略などに基づき、具体的な取組を進めます。
 まず、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、ソサエティー五・〇に不可欠なインフラであり、また都市と地方との情報格差を解消する鍵となる第五世代移動通信システム、いわゆる5Gや光ファイバーなどを地域に展開させるとともに、訪日外国人、そしてこれを迎える日本人が言葉の壁なく交流できるよう、多言語音声翻訳システムを高度化させます。また、社会構造の変化に対応した電波利用の将来像を見据え、電波制度改革を推進します。さらに、高度な映像配信や本年十二月から始まる新4K8K衛星放送など、世界最高水準のICT環境を整備します。
 次に、あらゆる産業分野におけるIoT、AIの活用を強力に進め、産業競争力を向上させるため、最先端の情報通信技術の研究開発、標準化を進めます。そのほか、社会を大きく変える力となるブロックチェーン技術、情報信託機能、キャッシュレスなどの導入を積極的に進めます。
 加えて、我々の生活により広く、深くICTが浸透するにつれて、これまで以上に安心、安全にこれらを利用できる環境整備に取り組む必要があります。サイバー攻撃の脅威が増大する中、IoTセキュリティ総合対策を着実に推進します。あわせて、消費者保護や社会的な課題への対応を進めます。
 一方で、ソサエティー五・〇を支える人材育成も必要であります。児童生徒を始め、さまざまな人々がプログラミングなどを学ぶ地域ICTクラブの整備やオープンデータを推進するための地方公共団体の人材育成など、多面的に取り組みます。
 さらに、これからの世界的な変革の中で日本が成長していくには、海外との連携が不可欠であります。来年六月にG20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合を開催し、日本や世界が抱える社会的な課題をICTを通じて解決するため、AIの開発と利活用及びその信頼の醸成に向けた取組、情報の自由な流通の促進など、国際的な政策連携を進めます。
 その他、海外の成長市場獲得のため、通信、放送、郵便インフラや電波システムに加え、統計や消防、行政相談制度を含め、日本の強みを生かしたインフラシステムの海外展開を強化します。また、情報コンテンツの海外展開により、被災地を含めた地方への外国人観光客の増加や地域産品の販路拡大を通じ、地域活性化に貢献します。
 第三に、生産年齢人口が減少する中で、ICTを最大限活用して、国民一人一人が、都市であるとか、地方であるとかにとらわれず、それぞれに合った働き方、暮らし方ができる社会を実現します。
 まず、働きたいと望む人にとって柔軟な働き方ができ、東京一極集中是正にもつながる、全国規模でテレワークを普及させるテレワークデーズに取り組むほか、サテライトオフィスやモバイル勤務など、みずからが住みたい地域に住みながら、みずからが選ぶ時間や空間で仕事ができる環境を整備します。
 次に、ソサエティー五・〇の恩恵は、障害の有無や年齢、そして地域にかかわらず、あらゆる人々にもたらされるべきものです。そのため、字幕、解説、手話放送の充実を含め、ICT利活用の支援に取り組み、誰もが豊かな人生を享受できるデジタル共生社会を実現をします。また、人口減少や少子高齢化に伴う諸課題に真っ先に直面する地方に対し、スマートシティーやIoT、AI、ロボティクスの活用など、先進的な優良事例の実装を進めます。特に、暮らしを支える医療、介護、健康分野には、積極的にこれらの導入を進めます。
 また、マイナンバー制度は、デジタル社会にとって不可欠な基盤となる制度です。国民や企業の方々にこの趣旨を御理解いただくよう、しっかりと制度の普及促進に努め、国民生活の利便性を向上させるとともに、行政運営の効率化を実現することが私の役割です。この考えに立ち、情報提供ネットワークシステムを用いた情報連携を円滑に運用するとともに、マイナンバーカードの利便性を高めて一層普及させるため、スマートフォンにおける活用など、官民で利活用を進めます。
 デジタル社会においても国民生活の基盤となる通信・放送、そして郵政の各サービスについて、国民、利用者の目線で取組を進めます。国民からの強い要望のある携帯電話の料金低廉化やサービス多様化に向けた競争促進を始め、電気通信事業分野の包括的検証に利用者目線で取り組みます。
 NHKのあり方につきましては、受信料制度やガバナンスに関する国民・視聴者の声も伺いつつ、民放との二元体制を踏まえ、引き続き検討をいたします。
 郵政事業につきましては、ユニバーサルサービスを確保するため、郵便局ネットワークを維持する支援制度の準備を進めます。郵便局を国民生活の安心、安全の拠点として活用するため、利用者の目線に立ち、新たな事業展開を進め、郵便局の利便性を向上させます。
 第四に、防災・減災、復旧復興に向けた取組であります。
 まず、閣僚全員が復興大臣との強い思いのもと、東日本大震災からの復旧復興に全力で取り組みます。
 また、本年は、大阪北部地震、七月豪雨、台風二十一号、北海道胆振東部地震など、大規模な災害が相次いでいます。私は、大臣に就任後初めての出張で、七月豪雨で大きな被害を受けた広島市及び呉市を訪問しました。先日は、北海道胆振東部地震で大きな被害を受けた厚真町及び札幌市を訪問いたしました。猛威を振るった自然災害の爪跡を確認するとともに、昼夜を問わず災害対応に当たられ、大変な御苦労をされた知事や地元市・町長、消防職員、消防団の方々から実情をお伺いしました。その中で、財政支援、職員派遣を始めとする人的支援、そして災害対応のノウハウの横展開や住民の円滑な避難誘導など、ソフト面での支援について要望を受けました。
 被災地の実情を伺いながら、まず財政支援として、復旧復興に向け、地方交付税や地方債による地方財政措置を講じ、被災地方公共団体の財政運営に支障が生じないよう、適切に対応してまいります。
 次に、人的支援としては、本年三月に創設した大規模災害発生時の全国一元的な応援職員派遣の仕組みである被災市区町村応援職員確保システムを円滑に運用します。あわせて、中長期の職員派遣による人材確保に取り組んでまいります。
 そして、ソフト面での支援として、住民の円滑な避難を促進する方策を検討いたします。
 また、緊急消防援助隊や地域防災力の中核となる消防団及び自主防災組織の充実強化、災害対応拠点となる庁舎の耐震化、非常用電源の整備などを推進し、消防力を強化します。
 さらに、相次ぐ消防防災ヘリコプターの墜落事故を踏まえ、運航の安全性の向上を目指します。
 加えて、G20大阪サミットや二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けた安心、安全対策に取り組むとともに、救急安心センター事業、シャープ七一一九の全国展開や多様な防災情報伝達手段の整備などを進めます。
 第五に、行政が幅広く多様な課題に取り組み、国民生活の利便性を高めるには、課題の背景にある実態や動向を的確に把握し、それに迅速に対応することが重要であります。それには、行政自身がその運営を効率化し、質の向上を不断に進め、より高度な取組が行えるようにすることが不可欠であります。そのため、ICTを活用し、国及び地方の業務改革を進めます。その際、そもそもその手続が真に必要なのか詳細に確認し、業務プロセス全体の見直しを徹底します。
 また、行政運営の改善に向け、人口減少下での地域における持続可能な住民サービスの提供や災害に対する安心、安全の確保といった重要課題に各府省の政策がしっかり対応しているか調査を行うほか、バスの横転事故など大事故を契機とした調査も機動的に行う中で、引き続き行政の評価、監視を的確に実施いたします。
 あわせて、国民の行政に関する苦情や意見に耳を傾け、それを端緒に行政の制度や運用を改善することも重要な取組であります。このため、行政相談委員や市町村との連携、協働を進め、大規模災害などの緊急時には、被災者に役立つ情報を迅速に提供するなど、住民目線できめ細かな対応に努めてまいります。
 さらに、行政が限られた資源を有効に活用し、直面する課題に適切に対応して、国民から信頼され続けるには、その政策立案がエビデンスに裏づけられたものである必要があります。総務省は、政策評価を通じて、証拠に基づく政策立案、いわゆるEBPMを実践し、これらに関する各府省の取組を推進します。
 また、このEBPMを支えるのは公的統計であります。統計法改正により機能強化された統計委員会のもとで統計改革を進め、経済構造実態調査の創設を含むGDP統計のもととなる経済統計の改善などに取り組んでまいります。
 あわせて、国や地域の実情を捉える労働力調査や住宅・土地統計調査といった重要な統計の整備を有機的に進め、統計情報を幅広く提供するとともに、本年四月に開設した統計データ利活用センターなどを通じ、先進的な統計の利活用を進めます。
 その他、若者への主権者教育の推進や、投票しにくい状況下にある有権者の投票環境の整備に努めてまいります。
 以上、所管行政の当面の課題と政策の方向性について申し上げました。
 最後に、総務省としても障害者雇用に関する今回の問題を重く受けとめています。再発防止を期するとともに、障害者が働く環境の整備を進めることを通じて、法定雇用率の達成に向け努力してまいります。
 副大臣、大臣政務官、職員とともに、英知を集めて、総力戦で課題に取り組んでまいりますので、江田委員長を始め理事、委員会委員の先生方の御指導と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 石田真敏

speaker_id: 19830

日付: 2018-11-13

院: 衆議院

会議名: 総務委員会