野田佳彦の発言 (本会議)
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○野田佳彦君 無所属の会を代表して質問いたします。(拍手)
まずは、七月豪雨、北海道胆振東部地震、台風第二十一号、大阪北部地震などの災害によってとうとい命を失われた皆様に、心からお悔やみを申し上げます。そして、被災をされた皆様に心からお見舞いを申し上げます。
歴代内閣総理大臣は、総理になった暁には後世のために何か一つは仕事をなし遂げようと懸命に頑張ったと思います。(発言する者あり)難しいんです。
そして、振り返ってみると、佐藤政権は沖縄返還、中曽根政権は国鉄民営化、そして小泉政権は郵政民営化でありました。
来年の十一月には桂太郎政権を超えて憲政史上最長記録を更新するかもしれない安倍政権は、これまで、地方創生、女性活躍、一億総活躍など次々とスローガンを打ち立ててきましたが、みんな尻すぼみです。アベノミクスに至っては、永遠に道半ばであります。政治は結果であると口癖のようにおっしゃる総理でありますが、御自身は特筆すべき結果を何か残しているんでしょうか。
長さこそが、継続こそが力であるとおっしゃいました。本人が言うべきことではありません。長さをもってとうとしとせず。この言葉を肝に銘じるべきではないですか。総理の御所見をお伺いいたします。
困難な課題に立ち向かわないのが安倍総理ですが、その最たるものが財政再建の先送りです。
政府は、基礎的財政収支の黒字化の達成時期を五年間延期いたしました。政権の在任期間分、財政健全化が遅延したことになります。消費税の使途変更がなくても、プライマリーバランスの黒字化の達成はできなかったでしょう。
財政健全化になぜ失敗したのか、明確な答弁を求めます。
六月十五日に閣議決定をされた骨太の方針は、骨抜きの方針でした。二〇二五年度までの中間年である二〇二一年度に三つの中間指標を設定し、財政健全化の進捗を管理するということになっていますが、数字のそんたくがあったのでしょうか、この指標が大甘であり、安倍総理在職中は痛みを伴う改革は先送りをされ続けるでしょう。その後を引き継ぐ後継首相は七転八倒です。
財政健全化がおくれればおくれるほど、大きなツケが将来世代に回ります。安倍総理は未来への責任をどのように感じておられるのか、お答えください。
異次元の金融緩和による財政ファイナンスが財政規律を緩めています。その金融緩和の出口について、さきの自民党総裁選挙中、何とか私の任期中にやり遂げたいと総理は驚くべき発言をされました。
出口とは、金利を引き上げて金融政策を正常化することです。長期金利が上昇すれば、政府債務の利払い費は急増し、日本財政は立ち行かなくなります。
今の財政状況で金利を引き上げることが可能だとお考えなのでしょうか。具体的に、出口について、その時期や手法をどのように考えているのか、明確にお答えください。黒田総裁に任せているという答弁であるならば、総理発言は余りにも軽過ぎます。
終戦時、政府債務残高対GDP比は二〇〇%を超えていました。今、日本の財政は、七十三年前よりも悪化しています。今年度の債務残高対GDP比は二四〇%を超えるでしょう。戦艦大和のような巨艦をつくるわけでもなく、ゼロ戦や戦車をたくさんつくっているわけでもありませんが、今日の財政赤字の最大の要因は、急増する社会保障関係費であります。
したがって、社会保障の充実、安定化を図り、将来世代に借金を押しつけないために、消費税の一〇%引上げを含む社会保障と税の一体改革を推進することの重要性、必要性は変わりありません。
ただし、この一体改革をめぐる三党合意の精神は与野党が責任を持ち合うということでありますが、この精神を全くわかっていない人が総理大臣に就任をいたしました。
本年二月二十八日、衆院財務金融委員会において、私は、消費税を政争の具にしないという三党合意の精神を御理解いただいているでしょうかと総理にただしました。すると、総理は、私は消費税を政争の具にしたことはございませんが、私は選挙の争点にはいたしましたと答えました。この答弁を聞いて、議席に座りながら、立ちくらみがしました。ネクストエレクションよりもネクストジェネレーション、次の選挙よりも次の世代を、これが三党合意の精神ではないんですか。全くわかっていないと思いました。
選挙こそ、政党間の最大の政争ではありませんか。消費税引上げの先送りや使途の変更を突然選挙の争点にするということは、まさに政争の具にしたと同じではありませんか。改めて答弁を求めます。
消費税引上げ先延ばしは究極のポピュリズムでありますが、軽減税率の導入もしかりであります。公明党の斉藤さんは、御人格は本当にすばらしい、尊敬をしていますが、これについては私は真逆な考え方でございます。
消費税には確かに逆進性が存在をし、その影響を除去することは重要な課題でありますが、最も効果的な対策は給付つき税額控除であると確信をしています。軽減税率で恩恵を受ける八七・五%は低所得者以外であり、格差是正効果はありません。事業者にはコストばかりがかかり、現場は混乱をするでしょう。その上に、軽減税率の導入による減収分を補うために、あの大事な総合合算制度を見送るに至っては、本末転倒と言わざるを得ません。
総理、軽減税率の導入は再考すべきではないですか。お考えをお聞かせください。
六年前の党首討論で、あなたと私は、消費税を引き上げる前に、国会が身を切る覚悟を示すため、議員定数削減をする、この約束をしたはずであります。
しかし、衆院における削減数は少な過ぎる上に、参院においては、信じられないことに、六つもふやすことになりました。私は、約束をした一方の当事者でありますが、誠意を持って約束を果たそうとする姿勢を総理に感じることはできません。言語道断だと思います。
なぜ、本気で身を切る改革を進めないのか、明確な答弁を求めます。
消費税は毎日が納税日となり、国民生活には直接影響があります。税率引上げの際には、駆け込み需要と反動減を平準化する取組をしなければなりません。
総理は、あらゆる施策を総動員すると語りましたが、中小小売店のポイント還元策やプレミアム商品券など、あの手この手を検討されているようであります。景気への目配りは大事でありますが、選挙対策を意識した過剰なばらまきは、財政圧迫になり、御法度だと思います。総理の御所見をお伺いいたします。
以上の分野を所掌する麻生大臣の留任は、全く理解できません。不祥事続きの組織のトップがけじめをつけなければ、組織の再生などできるはずがありません。
大臣としての在職期間は、戦後最長記録を更新中です。それを上回るのは、あの松方正義と高橋是清だけです。両先達と比肩するような、麻生財政と呼ばれる実績は全く思いつきません。
安倍総理は、なぜ、放漫財政を改めない放言大臣を続投させるのですか。明確な説明を願います。
日本外交の基軸は日米同盟です。だから、安倍総理は、トランプ大統領との個人的な信頼関係の構築に努め、ドナルド、シンゾウと呼び合う蜜月関係を強調してきました。
しかし、首脳同士の距離の近さが国益実現に直結するとは限りません。むしろ、米国にひたすら追随をし、日本の外交の独自性を失ってしまったような気がしてなりません。アメリカ・ファーストというよりも、アメリカ・アローンという状況に陥りかねないだけに、同盟国として、毅然として、言うべきことは言った方がいいのではないかと思います。
以下、具体的にお尋ねをいたします。
人類が直面している地球温暖化という大きな危機を、この夏の猛暑で誰もが経験しました。この地球温暖化防止のパリ協定から温室効果ガス排出量世界第二位のアメリカが脱退しようとしたときに、翻意を促すような努力を総理はされましたか。お聞かせください。
トランプ大統領は、中距離核戦力、INF全廃条約を破棄する方針を固めました。極めて遺憾なことです。ロシアに違反があれば、それを追及するのが筋です。中国が枠外にあるならば、INFに取り込む努力をすべきでしょう。条約がなくなれば、中距離核ミサイルの配備競争が始まります。当然のことながら、アメリカは同盟国の日本、NATO諸国と協議をする、相談をする、こういう段取りがあってしかるべきですが、日本には事前に報告や相談はあったのか、率直にお答えをいただきたいと思います。
トランプ大統領は、エルサレムをイスラエルの首都として認定をし、米国大使館をエルサレムに移すことにしました。この決定によって利益を得る者は誰もいません。イラン核合意からの離脱も賛成できません。これら米国の中東情勢を混迷させるような愚行を、同盟国として戒めるべきではないですか。
アメリカとの二国間交渉には応じない、TPPに引き込むと豪語してきた安倍総理ですが、先月、二国間FTA交渉をすることに合意をいたしました。協議が行われている間は日本の自動車に追加関税が課せられることはないと確認をしましたと強調していますが、交渉中に関税引上げしないのは当たり前ではないですか。ぜひお答えください。
自動車産業は、我が国産業の四番バッターです。自動車及び自動車部品に、鉄、アルミニウムのような高関税が課税をされることのない、賦課されることのないように、断固阻止しなければなりません。総理の決意と覚悟を問います。
総理は、戦後日本外交の総決算と高らかに宣言をしています。念頭にあるのは、北方領土問題と拉致問題でしょう。国民の関心の高い外交課題を政権浮揚の道具にしたいのでしょうが、いずれも前進しているとは言えません。
九月十二日、ロシアで開かれた東方経済フォーラムにおいて、プーチン大統領は、平和条約を結ぼう、年末までに、前提条件なしでと突然提案しました。北方四島の帰属問題の解決を前提とする日本の方針と真逆です。引き分け狙いだった柔道家プーチン大統領と二十二回も会談を重ねて、効果はなかったようです。習近平主席らの面前で、意表をつく提案でわざありをとられ、直ちに反論できずに更にわざありをとられ、合わせて一本負けではないですか。反論があればお伺いをいたします。
北朝鮮をめぐる問題においても、アメリカ、韓国と北との協議が活発に行われている中、日本だけが孤立しているように映ります。蚊帳の外ではないと叫びながら、蚊帳の外で飛び回っている一匹の蚊のようにも見えます。総理は、私自身が金正恩委員長と向き合わなければならないと重大な発言をされましたが、首脳会談開催の確たる見通しがあるのですか。拉致問題には具体的にどう対応するのでしょう。お答えください。
最後に、女性宮家の創設についてお伺いをいたします。
私は、天皇陛下の退位について、衆参正副議長のもとで立法府の総意がまとめられて皇室典範特例法が成立したことは、憲政史上に残る成果だったと思います。この法律によって、約二百年ぶりに天皇陛下の退位がなされます。政府には、皇太子殿下の即位も含めて、準備に万全を期すよう要請をいたします。
退位特例法の附帯決議には、法施行後速やかに女性宮家の創設を検討するよう政府に求めると明記をしています。天皇陛下の退位が半年後に迫る中、女性宮家の検討も急務です。どのような組織で、いつごろから検討を始め、いつごろまでに結論を出すのか、具体的な検討を明らかにしてください。
議場整理係の皆さん、済みません。
終わります。ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕