山下貴司の発言 (本会議)
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○国務大臣(山下貴司君) 田所嘉徳議員にお答え申し上げます。
まず、外国人労働者の増加による日本人の雇用への影響、犯罪増加等への影響に対する懸念を払拭するための方策、そして受入れ一時停止措置についてお尋ねがありました。
今回の受入れは、生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお、当該分野の存続、発展のために外国人の受入れが必要な分野に限って行うことが大前提となっています。
加えて、受入れ分野を所管する業所管省庁が人手不足状況を継続的に把握し、生産性の向上や国内人材確保の取組の状況や人手不足の状況を適切に判断した上で、臨機に受入れの停止措置をとることとしており、制度上、日本人の雇用に影響を与えないよう十分に配慮しています。
治安について申し上げますと、十年前と比べて、我が国への入国者数は約三倍、在留外国人数は約一・二倍と増加していますが、例えば、来日外国人の刑法犯の検挙件数は約半分にまで減少しています。
もとより、不法滞在者や不法就労者対策を含め、治安への十分な配慮を行うことは重要であり、引き続き警察や厚生労働省等の関係機関と連携してまいります。
なお、今後は、出入国在留管理庁を新たに設置して管理体制を抜本的に強化し、また、関係機関との情報連携等も一層充実させ、国民の皆様に不安や懸念を与えることのないよう適切に取り組む所存です。
次に、特定技能一号の、相当程度の知識又は経験を必要とする技能及び一定程度の日本語能力を要するとされているところ、これらの基準についてどのように考えているのかについてお尋ねがありました。
特定技能一号における相当程度の知識又は経験を必要とする技能とは、その技能水準に達するために相当期間の実務経験等を要するものをいいます。例えば、技能実習二号修了者は、三年間の実務経験を積んで一定以上の技能や知識等を修得していますので、少なくともこの程度のレベルであれば特定技能一号の技能水準を満たすものと考えています。
また、求められる日本語能力については、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有することが確認されることを基本とした上で、受入れ分野ごとに業務上必要な日本語能力を考慮して具体的に確認することにより測定することとしています。
したがいまして、特定技能一号については、このような技能水準及び日本語能力に達していることが必要となるため、外国人に過度に門戸を開くといった状況にはならないと考えています。
次に、特定技能二号に対する対応についてお尋ねがありました。
特定技能二号は、改正法案において、熟練した技能と規定しているところ、現行の専門的、技術的分野における在留資格に必要とされる技能と同等又はそれ以上の技能が求められるものであり、高い専門性を有していることを難度の高い試験によって確認される必要があることから、その受入れのハードルはかなり高く、より限られた人数になると考えています。
次に、今般の外国人材の受入れ拡大において、技能実習制度における失踪問題のような事案を発生させないため、どのような対策を考えているのか、お尋ねがありました。
技能実習生の失踪問題については、より高い賃金が得られる就労先を求めて失踪するケースがあると認識しています。今回の受入れ制度においては、技能実習制度と異なり、入国、在留を認められた分野の範囲内での転職が認められるため、より高い賃金を得たいと思えば、失踪することなく、就業先を変更することができます。
また、保証金の徴収等の有無を厳格に確認し、日本人との同等報酬をしっかりと確保するほか、新たな制度では、特定技能一号の外国人に対して、受入れ機関の、又は登録支援機関による各種支援を実施することとしており、これにより、特定技能一号の外国人が、失踪することなく、安定的かつ円滑な在留活動を継続することが期待されるところです。
加えて、今般、出入国在留管理庁を新たに設置して在留管理体制を抜本的に強化することとしており、制度の運用開始後は、出入国在留管理庁において、各種届出に係る情報等を踏まえ、受入れ機関に対する指導助言等を適切に行うとともに、警察等関係機関と緊密に連携し、失踪防止に努めてまいります。
次に、外国人材の増加に伴い、医療保険が乱用されるなど、そのような我が国の社会保障制度への影響について、政府として総合的対応策の中でどのように対処していくのか、お尋ねがありました。
御指摘の点については、現状の問題として認識しているところ、外国人との共生社会を実現するためには、外国人に社会保障制度を始めとする我が国の諸制度を正しく理解して適切に利用してもらうことが重要であります。
そのような観点から、現在、取りまとめを進めている外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の検討の方向性においては、関係行政機関の連携等による加入促進、医療保険の不適切使用の防止ということが特に明示されており、そのため、関係行政機関が的確に連携し、専ら医療を受けるため偽って在留資格を取得した者について在留資格を取り消すこと、被扶養者の認定方法を厳格化すること、我が国の諸制度を正しく理解してもらうために生活ガイダンス等を実施することなどの各施策を進めることとしており、我が国に受け入れる外国人により社会保障制度等の諸制度が適正に利用されるよう、関係省庁と連携して対応してまいります。
最後に、今回の外国人材の受入れ拡大が移民の受入れに当たらないとする点の認識についてお尋ねがありました。
いわゆる移民の概念は多義的なものであります。政府としては、例えば、国民の人口に比して、一定程度のスケールの外国人及びその家族を、期限を設けることなく受け入れることによって国家を維持しておこうという政策をとることは考えていません。
今回の制度改正は、深刻な人手不足に対応するため、現行の専門的、技術的分野における外国人材の受入れ制度を拡充し、真に必要な分野に限り、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材を期限を付して受け入れるものであって、先ほど申し上げたような政策とは明確に異なるものであり、いわゆる移民政策をとるものではありません。(拍手)
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