黒岩宇洋の発言 (本会議)
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○黒岩宇洋君 無所属の会の黒岩宇洋です。
ただいま議題となりました山下貴司法務大臣不信任決議案に対し、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
私は、今般、国会で議論をしております入管難民法改正案について、山下法務大臣が余りにも官邸、与党の方針に唯々諾々と従い、野党を始めとする多くの国民の声に耳を傾けない姿勢をもって、不信任に値すると断言をさせていただきます。
そもそもこの法案提出は、安倍総理がリーダーシップをとる骨太方針に、新たな外国人材受入れ制度が盛り込まれたことに端を発します。しかし、関係閣僚会議を七月二十四日に開きながら、驚くべきことに、法案提出が予定されていた臨時国会開会まで、全くその後開かずじまいでした。これは、安倍総理が具体的議論から徹底して逃げたかったからでしょう。
具体的分野数や外国人受入れ人数をふやしたい総理応援団の財界、そして、余りに大きな規模感を示すと反発する総理のコアな支持層、この板挟みから、議論にすら触れたがらない安倍総理。結局、本法案代表質問においても、予算委員会においても、総理答弁は、法務省を始めとする関係府省に丸投げ、又は、この後の分野別運用方針への先送りに終始しました。これが、今法案を全く詰め切ることができない大きな背景です。
法案審議に入るにつれ、山下法務大臣にも看過できない責任が生じてまいりました。まずは、失踪技能実習生の聴取票の現状認識と開示の方法です。
聴取票の集計データの誤りが発覚し、その新たなデータによる現状認識において、それまでの人権侵害の文言が削除されました。失踪動機中、人権侵害の代表的事案である、暴力を受けたの件数が、間違った集計と比べて倍近くふえ、それまで、より高い賃金を求めてに算入されていた契約賃金以下と最低賃金以下が新たに人権侵害に算入され、人権侵害の件数がトータルで激増したにもかかわらずです。
法務委員会で、誰の判断で削除したのかという私の質問に対し、山下法務大臣は入管局長と答えるのみ。この重要な二、三行の文章ですら、自分で判断したと答えない、この法務大臣の姿勢には、私は正直愕然といたしました。
聴取票の開示についても、山下大臣の判断さえあれば事足りるのにもかかわらず、一向にみずから判断を下さず、私たちが今なおメモ書きをしているという悲惨な状態です。
外国人の受入れ見込み人数に対しても、他省に対し全く指導力が発揮できていません。十四分野、四省から出てきた数字は、積算根拠の統一性は全くなく、その上、確固たる数的根拠のないものばかり。見込み数発表から十日以上も経過しているにもかかわらず、他省にさらなる精査を求めた形跡は一切ありません。そんな弱腰で、他省とさまざまな運用を詰めていけるのか、甚だ疑問です。
さらには、分野別運用方針を定める関係閣僚会議では、菅官房長官と山下法務大臣が二人で共同議長を務めます。その菅官房長官に対峙してでも、必要とあらば官邸の要求をはね返すことができるのでしょうか。まことに残念ですが、これに期待する同僚議員は一人もいないでしょう。
委員会質疑で目立ったのは、質問に真正面から答えない姿勢です。失言を恐れるばかり、言質を与えないよう与えないよう、及び腰に、安全運転に終始する姿は、責任逃れにしか映りません。
山下法務大臣に求められるのは、今回の外国人受入れという、我が国の今後の姿を決めるような大きな制度を築き上げるという矜持と覚悟です。その覚悟を発揮できない山下大臣を到底信任することはできません。
山下法務大臣不信任案に賛成する旨を改めて申し上げ、私の賛成討論とさせていただきます。(拍手)