世耕弘成の発言 (経済産業委員会)
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○国務大臣(世耕弘成君) 経済産業大臣、産業競争力担当大臣、ロシア経済分野協力担当大臣、原子力経済被害担当大臣、内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)として、経済産業委員会の委員各位に一言御挨拶申し上げます。
初めに、今年七月の西日本豪雨、相次ぐ台風、そして北海道胆振東部地震など、度重なる災害で被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。政府一丸となって復旧復興に当たるとともに、経済産業省としても、被災された中小企業への支援などに万全の対応をしてまいります。
特に、北海道胆振東部地震については、北海道全域で大規模停電が発生し、多くの方々に大変な苦痛と不安を与えたことを心からおわび申し上げます。電力広域的運営推進機関に設置された検証委員会における検証を通じて得られた反省と教訓を踏まえ、再発防止に万全を期してまいります。さらに、経済産業省の審議会においても、第三者の視点で専門家による総点検を行ったところであり、これらを踏まえた対策パッケージに基づき、災害に強い電力供給体制を構築していきます。
AIやIoT、ロボット技術の進展は、社会システムを刷新し、ソサエティー五・〇の実現につながります。こうした中、競争力の源泉となるデータの協調領域を拡大し、利活用することで、イノベーションの創出につなげることが必要です。
コネクテッドインダストリーズでは重点五分野を設定し、各分野でのデータ共有やAI等を用いたその利活用に向けた取組を進めてきました。引き続き、データ連携の取組を認定し減税などによって支援する措置を活用しながら、官民一体となってコネクテッドインダストリーズを推進していきます。
データの利活用を進める上では、IT人材の育成やサイバーセキュリティーの確保が不可欠です。第四次産業革命スキル習得講座認定制度を活用したサイバーセキュリティーやデータサイエンスに関する社会人のリカレント教育や、サプライチェーン全体でサイバーセキュリティーを確保するための指針の策定を進めます。
イノベーションを次々に生み出すためには、担い手となるベンチャー企業を生み出すエコシステムを強化することが不可欠です。グローバルに活躍するベンチャー企業をJ―Startup企業として選定し、国内外のスタートアップイベントへの出展を支援してまいります。また、政府調達の門戸を広げ、ベンチャー企業の採択を進めることで、信用力の向上や販路の開拓を支援します。
最先端のデジタル化の取組は、社会の隅々にまで行き渡らせる必要があります。政府部門では、隗より始めよの精神で、補助金申請などの行政手続を一つのIDで行える仕組みを構築し、デジタルガバメントの実現を目指します。また、民間部門においても、老朽化、複雑化したITシステムを刷新するため、ITシステムの構造を見える化、診断するためのスキームを構築します。さらに、店舗の省力化や消費者の利便性向上に資するキャッシュレスを推進するため、QRコードの標準化に取り組みます。
世界的に保護主義的な動きが広まる中、用途が不透明な補助金や知的財産権の侵害など、市場歪曲的な措置が深刻な問題となっています。こうした中で、日本としては、自由貿易の旗手として主導的な役割を果たしてまいります。
まず、自由で開かれた通商システムを強化するため、年内の発効が確定したTPP11の更なる拡大及び日EU・EPAの早期発効を目指すとともに、これらを活用した中堅・中小企業の海外展開を積極的に支援します。また、今年実質的な進展をしたRCEPについては、来年の妥結を目指し、国益に沿った形で交渉を進めていきます。
ルールに基づく自由貿易体制を維持強化することも必要です。WTO改革の議論や有志国間での電子商取引についてのルール形成などを日米欧の三極貿易大臣会合を活用しながら主導し、我が国が議長国となる来年のG20での成果につなげます。
米国とは、貿易、投資の更なる拡大に加え、インフラやエネルギー、デジタルなどの分野で協力を推進し、両国の強固な関係性を更に深化させます。
中国とは、首脳会談の成果を踏まえ、幅広い分野での経済関係の強化を図ります。先月開催された日中第三国市場協力フォーラムを手始めに、国際スタンダードに基づいた民間企業のビジネス展開を後押しします。
日ロ関係については、経済分野での協力を更に進めます。これまでに八項目の協力プランの下で百五十件以上の民間プロジェクトが生まれ、その半数以上で具体的なアクションが始まっています。また、労働生産性向上やデジタル経済分野での協力に取り組み、引き続き日ロ経済関係の深化に取り組んでまいります。
我が国の経済、雇用を支える中小企業・小規模事業者は、少子高齢化に伴う後継者不足に直面しています。今年度の税制改正により、法人の事業承継支援の枠組みは完成しました。今後は、個人事業者の事業承継支援にも取り組むとともに、MアンドAを通じた第三者への事業引継ぎ支援や事業者同士のマッチングのためのデータベースの抜本的拡充を行います。
地域の中小企業・小規模事業者の生産性向上も喫緊の課題です。ものづくり補助金や固定資産税をゼロにできる制度により、新製品開発などの挑戦を下支えする設備投資を支援します。また、持続化補助金により、地域の実情に合った販路開拓を支援し、生産性を底上げします。
地域経済活性化のため、昨年末に選定した約二千社の地域未来牽引企業などに対する集中支援を行います。今年の四月と七月には、こうした企業や自治体、金融機関などの関係者が合計約千社参加した地域未来牽引企業サミットを開催し、新たなビジネス展開をサポートする機会を設けました。今後、さらに、企業の追加選定やサミットの開催を通じて、地域経済を牽引する事業の創出を図っていきます。
加えて、消費税率引上げや働き方改革に対しても、事業者や国民の皆様が円滑に対応できるよう全力で支援を行います。
全世代型社会保障への改革に向けて、経済産業省も政府全体の検討に貢献していきます。今年九月には、産業構造審議会に二〇五〇経済社会構造部会を設置し、高齢者活躍の場の整備や中途採用の促進、保険者による生活習慣病、認知症予防の促進について議論をしております。厚生労働省とも協力しながら、未来投資会議での議論を通じて全世代型社会保障の実現に全力を尽くします。
二〇二五年国際博覧会の開催国が日本に決定し、大阪、関西への誘致を勝ち取りました。委員各位には、党派を超えて誘致活動に御協力をいただき感謝申し上げます。今後は、万博を成功させるため、皆様にも引き続き御協力をいただきながら、政府、自治体、経済界が一体となり、オールジャパンで準備を進めていきます。
今年七月に閣議決定した第五次エネルギー基本計画に基づき、責任あるエネルギー政策を進めていきます。
再生可能エネルギーについては、主力電源化を目指し、コスト低減の取組や地域との共生に必要な取組を進めます。あわせて、系統制約の克服や調整力の確保に取り組みます。
水素は、脱炭素化を実現するためのキーテクノロジーです。先月二十三日には、世界初の水素閣僚会議を開催しました。二十一の国、地域、機関から閣僚等が集まり、水素利用の拡大に向けて技術面での連携や規制の見直しについて議論をし、東京宣言を取りまとめたところです。日本が世界のトップを走る水素の技術力を生かして世界を牽引するとともに、導入や研究開発への支援、規制の見直しなど、様々な手段で水素社会の実現を進めていきます。
原子力発電については、依存度を可能な限り低減するとの方針の下、安全最優先で、原子力規制委員会によって世界最高水準の新規制基準に適合すると認められたものについては、地元の理解を得ながら再稼働を進めてまいります。また、核燃料サイクルの推進や使用済燃料対策、最終処分問題など、原子力発電を取り巻く課題に取り組みます。
環境と経済成長との好循環を実現し、世界のエネルギー転換、脱炭素化を牽引していきます。その決意の下、成長戦略として、パリ協定に基づく温室効果ガスの低排出型の経済社会の発展に向けた長期戦略を策定します。
福島の復興と安全かつ着実な廃炉・汚染水対策は、経済産業省の最重要課題です。昨年九月に改訂した中長期ロードマップに基づき、安全確保の最優先、リスク低減重視の姿勢を堅持しつつ、地域社会とのコミュニケーションを一層強化しながら進めてまいります。また、廃炉の実現に向け、技術的難易度が高い研究開発への支援を行っていきます。
福島の復興には、生活の再建と産業の復興が必要です。帰還困難区域を除くほとんどの地域で避難指示が解除され、今年六月には楢葉町の商業施設、ここなら笑店街がオープンしました。引き続き、官民合同チームによる事業者の方々への個別訪問を実施し、事業、なりわいの再建に向けたきめ細やかな支援を進めます。
福島イノベーション・コースト構想については、今年の夏に南相馬市の福島ロボットテストフィールドの通信塔が開所し、再エネを活用した浪江町の福島水素エネルギー研究フィールドの工事が始まるなど、具体化が進んでいます。これらの拠点を活用して先端企業の誘致を進め、地元企業の参画を促進することで、新たな産業基盤の構築につなげていきます。
以上申し述べましたとおり、経済産業行政は多くの課題に直面しております。国民各層の幅広い御意見をしっかりとお伺いしながら、経済産業大臣として全身全霊で職務に取り組んでまいります。
浜野委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。