石井啓一の発言 (国土交通委員会)
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○国務大臣(石井啓一君) 第百九十七回国会における御審議に当たり、国土交通行政の諸課題について私の考えを述べさせていただきます。
本年は、平成三十年七月豪雨、台風第二十一号や平成三十年北海道胆振東部地震等により、各地で甚大な被害が相次ぎました。犠牲となられた方とその御家族に対して謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
今回の災害を通じ、国民の安全、安心を守る国土交通省の使命を改めて実感いたしました。国民の皆様と我が国を訪れる方の安全、安心を最優先に、豊かさや成長を実感できる社会を目指し、国土交通省の現場力を生かして施策を進めてまいります。
具体的な取組について申し上げます。
東日本大震災からの復興は、復興・創生期間の三年目になります。一日も早い生活、なりわいの再建に向け、総力を挙げて取り組みます。また、近年の大規模災害については、多様なニーズに応えつつ、被災地の復旧復興に力を注ぎます。
本年の豪雨や台風、地震による被害については、生活再建やインフラ、宅地の早急な復旧等に全力で取り組みます。また、非常時の外国人旅行者の安全、安心確保、風評被害の防止等に力を尽くします。
気候変動の影響で頻発、激甚化が懸念される風水害、土砂災害、渇水、雪害等への備えは重要です。災害リスクに関する知識と心構えを社会全体で共有し、様々な災害に備える防災意識社会への転換に向け、ハード、ソフト一体となった対策を講じます。
防災気象情報については、自治体や住民等の理解と活用を促し、地域防災を支援する等の取組を進めます。
大規模地震に備え、無電柱化、緊急輸送道路における橋梁、住宅・建築物等の耐震化や地盤強化、堤防等のかさ上げ、輸送機関の安全確保に向けた指導、訓練等の取組を推進します。本年の大阪府北部を震源とする地震を踏まえ、ブロック塀等の安全性確保や発災時の鉄道利用者等への対応改善に取り組みます。
免震・制振ダンパーの不適切事案については、建築物の安全、安心への国民の信頼回復に向け、厳正に対処します。
本年の災害において生じた問題を踏まえ、交通インフラ、防災関係インフラ等を対象に、災害時の重要インフラの機能確保について緊急点検を実施しております。関係機関と連携の上、本年十一月末をめどに対応方策を取りまとめます。
インフラ老朽化については、計画的な維持管理、更新とともに、インフラメンテナンス国民会議を通じた新技術の開発、実装の後押し等、産業の活性化、地方展開を進めます。
新幹線の台車亀裂、航空機の整備や運航乗務員の飲酒に関する不適切事案、自動車の完成検査等に関する不適切事案について、原因究明、再発防止に努めるとともに、監査体制強化や法令遵守の徹底、運輸安全マネジメントの実施等により、公共交通の安全、安心の確保に取り組みます。
高速道路の逆走事故ゼロを目指すとともに、暫定二車線区間の四車線化やワイヤロープ設置、ビッグデータを活用した生活道路の安全対策を進めます。
中国公船の領海侵入、北朝鮮漁船の違法操業など、我が国周辺海域の状況は厳しさを増しております。海上保安体制の強化を進め、平和で豊かな海を守り抜きます。
生産性向上による持続的な経済成長と豊かな国民生活の実現に向け、深化の年である本年は、データのオープン化等の民間ニーズを踏まえたプロジェクトの追加を行いました。国土交通分野における生産性革命の更なる推進に取り組みます。
生産性向上を目指すi—Construction等の取組に加え、担い手の確保、育成に向けた働き方改革も重要です。自動車運送事業や建設業の長時間労働是正に向けた環境整備を進めるとともに、新たな制度による外国人材の受入れについて、建設業、造船業、宿泊業等の対応を検討いたします。
公共事業においては、地域企業の活用に配慮しつつ、適正な価格、工期での契約、施工時期の平準化等により、品質確保や円滑な施工確保、週休二日実現に努めます。
社会資本整備については、厳しい財政制約の下、安全、安心の確保を前提に、生産性の向上、経済活性化に資するストック効果の高いものに重点的に取り組みます。
高速道路や整備新幹線、国際戦略港湾、LNGバンカリング拠点等の重点的かつ戦略的な整備を推進するとともに、洋上風力発電の普及に向け、海域と港湾の円滑な利用等を支援します。
首都圏空港の容量を世界最高水準に拡大するため、地元の理解を得ながら、羽田空港及び成田空港の機能強化を進めます。
観光は地方創生の切り札、成長戦略の柱です。二〇二〇年訪日外国人旅行者数四千万人、旅行消費額八兆円等の目標達成、観光先進国の実現に向け、戦略的な訪日プロモーション、観光資源の開拓、魅力向上、世界最高水準の快適な旅行環境実現、観光地の渋滞対策、航空路線やクルーズ船誘致等に取り組みます。
豊かで活力ある国民生活の実現に向け、コンパクト・プラス・ネットワークやスマートシティーの具体化、空き家、空き地の利活用、流通促進に取り組むとともに、所有者不明土地の発生抑制等に向け、土地所有に関する基本制度の見直しを検討します。
豊かな住生活の実現に向け、若年・子育て・高齢者世帯が安心して暮らせる住まいの確保や既存住宅市場の活性化を進めます。また、来年十月の消費税率引上げに際し、住宅購入について更なる支援を検討します。
リニア中央新幹線等の効果の最大化や広域連携プロジェクト、持続可能な地域公共交通ネットワーク形成に取り組むとともに、自転車の活用、事業者の省エネ対策を進めます。また、JR北海道の経営改善を推進します。
中山間地域等での小さな拠点づくりや道路ネットワークによる広域的な経済・生活圏の形成に取り組みます。自動車の自動運転については、車両の安全基準の策定、技術開発、道の駅等を拠点とした実証実験等を進めます。
離島、半島地域、豪雪地帯等については、生活環境整備や地域資源の活用への支援等を行います。
アイヌ文化復興等の拠点となる民族共生象徴空間の二〇二〇年開業を目指し、整備を進めます。
インフラシステムの海外展開に向け、重要プロジェクトを中心に、トップセールス、フォーラム開催による海外企業とのマッチング、海外交通・都市開発事業支援機構や独立行政法人等による支援等を戦略的に進めます。
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、輸送円滑化、ソフトターゲットへのテロ対策やセキュリティー対策、首都直下地震対策等に万全を期すとともに、大会後も見据えたバリアフリー化を進めます。
以上、国土交通行政の諸課題について私の考えを申し述べました。
委員長、委員各位の格別の御指導をよろしくお願い申し上げます。