大塚耕平の発言 (本会議)
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○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。
正直な政治、偏らない政治、現実的な政治を目指す国民民主党・新緑風会を代表し、総理の所信に関して質問させていただきます。全て総理にお伺いをいたします。
今年は各地で大規模な災害が続いています。犠牲者の御冥福をお祈りしますとともに、被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。
国民民主党は、今なお不自由な暮らしを余儀なくされている皆様に寄り添い、復旧復興に全力で取り組んでまいります。
災害復旧を中心とする補正予算に関して伺います。
各地の被害の全容について、被害地域、被害金額、いまだ避難中の住民数、農業者、中小企業等からの要望等、政府が把握している情報を御説明ください。
特に、北海道の本格的な冬を前に、胆振東部地震で全半壊した住宅の復旧、住民支援について、政府の対応を伺います。
次に、今国会で審議が予定されている入管法改正案に関して伺います。
政府は、労働力不足解消を目的として、就労目的の新たな在留資格を設け、事実上の永住を可能とする道を開くことを企図しています。巷間、移民政策とも言われており、国民の意見を十分に聞いた上で、慎重に検討すべき課題です。
しかし、総理は、今国会で成立させ、来年四月から新制度を運用する意向を示しています。六月二十七日の党首討論でも指摘しましたが、いかにも拙速です。なぜそれほど急ぐのでしょうか。総理の認識を伺います。
総理は、再三、移民政策ではないと発言していますが、総理の言う移民及び移民政策の定義をお伺いします。定義が共有されなければ、議論がかみ合いません。
党首討論でも申し上げましたが、国際的によく引用される定義は、国連統計委員会の国連事務総長報告に基づくもので、通常の居住地以外の国に移動し、少なくとも十二か月間当該国に居住する人を指します。また、国際移住機関は、他の居住地に移動する人を移民としています。入管法改正案で検討されている特定技能一号、同二号の外国人労働者はこれらの定義に該当します。
詭弁を弄することなく、論点を正面から見据え、正直な議論を国会で行うべきです。外国人労働者の受入れ自体を否定するものではありませんので、実質的な移民に伴う問題を直視し、その対策を講じることこそ重要です。
そもそも、移民政策ではないと強調するのはなぜでしょうか。総理は、移民は良くないと認識しているということでしょうか、お伺いいたします。
外国人労働者の受入れ業種は当然法律事項とすべきです。総理の見解を伺います。
また、受入れ業種の選定に当たっては、当該業種における有効求人倍率等、何らかの客観的基準に依拠すべきと考えます。総理の所見をお伺いします。
受入れ業種選定が恣意的に行われれば、労働政策としての不合理性や政策決定に当たっての癒着等が生じかねません。六月の骨太の方針発表当時は報道等で五分野と言われていたものが、現在では報道等で既に十四分野に拡大しています。この間、特定業界等からの要望、陳情等があったのか否かを伺います。
外国人労働者の受入れ数によっても影響は異なります。想定している特定技能一号、同二号の受入れ人数とそのペースを伺います。
外国人労働者と社会保障制度の関係についても伺います。日本人と全く同様と考えているのか、何らかの違いを設けようとしているのか、基本的な考え方を伺います。
外国人労働者と社会保障制度の関係については実態把握が必要です。例えば、現在でも、技能実習生は実習先の組合健保、協会けんぽに加入しますが、被保険者の三親等内親族も保険対象です。つまり、母国在住家族の医療費も組合健保や協会けんぽが負担します。その際、対象親族の年収制限は百三十万円未満。国によってはそれなりの水準であり、母国で普通に働いている親族が保険対象になり得ます。技能実習生のみならず、就労ビザで入国している外国人労働者のうち、企業勤務者は同様です。
一方、就労ビザで入国した企業勤務者以外の者、例えば経営者など、また、非就労ビザで入国している留学生等は国保に加入できます。そのため、日本の国保を利用することを目的に、他の理由で就労ビザ又は非就労ビザを取得して入国するケースがあると聞きます。また、そうした入国及び国保加入をあっせんする業者も存在するようです。
去る六月十九日、厚労省にヒアリングしたところ、公的医療保険には国籍要件がないため、加入者に占める外国人の割合及び公的医療支出における外国人向け支出の割合は把握できないとの回答でした。
その後、厚労省が八月から実態把握のための調査を始めたと聞いています。一歩前進であり、当然の対応です。
この調査では、どのような事項を調べ、その結果をいつまでに公表するのでしょうか。入管法改正案は、この調査結果を踏まえた上で最終案を確定するべきと考えます。調査結果と改正案の関係についてお伺いいたします。
また、厚労省は、今年一月から、高額療養費制度利用認定証を申請した外国人について、留学生なのに通学していない、経営者なのに給与所得があるなどの理由で不正在留と判断した場合、入国管理局に通知する仕組みを試行していると聞きます。現在までの通知件数、入管が実際に在留資格を取り消した件数についてお伺いいたします。
日本人労働者への影響についてお伺いいたします。
移民先進国である米国や英国における研究では、外国人労働者増加により国内の競合労働者の賃金が下がる傾向にあることが明らかにされています。こうした傾向は、外国人を安い労働力として使うという対応から生まれる現象です。
そもそも、日本では人件費を抑制する傾向が強過ぎます。三月一日の予算委員会、六月二十七日の党首討論でもお伝えしたように、先進七か国の中で、二十一世紀に入って自国通貨ベースの賃金が下落しているのは日本だけです。この傾向を是正しないと、安かろう、良かろうという流れから、外国人と日本人の労働賃金のダウンスパイラルが起きかねません。
なぜ日本では賃金抑制傾向が強いのか。企業の経営体質、政府の政策上の原因、双方についての総理の認識を伺います。
また、外国人の新たな就労ビザを創設するに当たり、日本人、外国人双方の賃金をめぐる労働政策等に関し、どのような工夫をするべきか、総理の考えをお伺いいたします。
就労目的ではない技能実習制度において、昨年秋の見直しで、受入れ監理団体が登録制から許可制になりました。つまり、厳しくなりました。一方、就労目的のこの度の特定技能一号、同二号は、理屈上、それよりも厳格な管理制度にするのが筋ですが、受入れ監理団体に相当する登録支援機関は、骨太の方針において、個人でも設立可能であり、かつ登録制と記されました。悪質な登録支援機関がばっこする危険性があります。このような甘い仕組みにする意図と背景について、総理にお伺いいたします。
入国管理局を出入国在留管理庁に格上げする対応は理解できます。その場合、どの程度人員を増強する計画か、総理にお伺いします。
最後に、外国人労働者の子供についてです。
公立学校での受入れ体制、公立学校以外で母国言語で教育を受ける場合の制度対応、高校授業料無償化や給付型奨学金における扱い等、検討課題は枚挙にいとまがありません。これらに関する総理の基本的な考え方をお伺いいたします。
僅か四十八日の会期で日本社会の大転換につながる入管法改正案を審議することは、拙速に過ぎます。昨年秋の技能実習制度の見直し効果を見極めつつ、改正するにしても、ソフトランディングを旨とすべきことを進言いたします。総理の所見をお伺いいたします。
次に、経済について伺います。
一昨年六月、総理は二度目の消費税増税延期を表明しました。理由として、新興国経済の陰り、国際商品市況の下落等を挙げました。米中貿易摩擦に端を発して国際経済の不透明性が増しているため、先週来、世界の株価も不安定になっています。こうした中、来年の消費税増税は不退転の決意で断行するのか、それとも、世界経済等の動向いかんで三たび延期もあり得るのか、総理にお伺いいたします。
仮に三たび延期があり得るのであれば、その場合の判断材料は何かもお伺いいたします。
総理は、消費税増税をにらんだ経済対策の実施を打ち出しました。増税による経済押し下げの程度、それに対する経済対策規模及び内容についてどのような想定をしているのか、お伺いいたします。
軽減税率については、何度も申し上げていますが、高所得者ほど恩恵を受けることから、逆進性対策にはなりません。また、軽減税率導入によって税収を失います。逸失税収規模及び財源補填策について、総理の考えをお伺いいたします。
今や総理自身も連呼しなくなったアベノミクスですが、その柱は日銀による異常な金融緩和です。政策には必ずプラスとマイナスがあります。異常な金融緩和のマイナス面が看過されています。
先週二十二日、日銀の白川前総裁が講演において、金融政策の効果は長続きしないと明言し、金融緩和に依存せず、財政健全化や構造改革に取り組むことを政府に求めました。白川前総裁のこうした指摘について、総理の認識をお伺いいたします。
平成二十七年二月二十六日の参議院財政金融委員会において、私は日銀及び財務省の国債関連データの継続的公開を求めました。理事会協議の結果、以後、毎月初に当該データが財政金融委員会の委員に手交されています。その中の一つに、日銀の総資産対名目GDP比があります。今年八月、その数値はついに一〇〇を超えました。つまり、日銀が日本のGDP以上の総資産を持っているという状態です。その大半が国債であることは言うまでもありません。この状況について、総理の認識を伺います。
総資産の中には、日銀が購入している株やETFも含まれます。政府として把握している日銀保有の株、ETFの全容及びその状況に対する総理の認識をお伺いいたします。
さらに、日銀による株、ETFの購入が日経平均株価をどの程度押し上げているかという点について、総理の認識を伺います。
日銀による異常な金融緩和の結果、邦銀は金余り状態が続いています。国内融資には回らず、大半は、ただいま述べた国債や株のほか、海外投融資に回っています。国際決済銀行の最新データによると、日本の海外投融資は約四兆ドルと世界最大になりました。過去五年間、米国、英国、ドイツ等が約三割減らしている一方、日本だけが約四割増加させています。
国際経済の先行きに照らすと、この状況は日本として大きなリスクを抱えていると言えます。総理の認識を伺うとともに、リスク対策としてどのようなことを政策的に行うべきか、総理の所見をお伺いします。
骨太の方針では、プライマリーバランス黒字化の目標時期が二〇二〇年度から二〇二五年度に先送りされました。景気回復による税収増が財政健全化を実現するとうたって異常な金融緩和を五年継続し、財政拡大とともに二度にわたって消費税増税を先送りし、その上でプライマリーバランス黒字化を丸々五年先送りしたことは、結局アベノミクスが財政健全化には寄与しなかった事実を示しています。この点に関する認識をお伺いいたします。
次に、貿易問題についてお伺いします。
今後の日本の通商外交にとって重要な原則の一つは、対等な日米関係です。いかに同盟国とはいえ、昨今のトランプ大統領の姿勢に対しては、日本としても苦言を呈し、場合によってはWTOに提訴する等の対抗措置も必要だと考えます。総理の基本的認識をお伺いします。
一方、中国も、知的財産権の軽視、技術移転の強要等に関し、米国が指摘する問題を抱えていることも事実です。訪中において、総理は中国に対してどのような主張を行い、どのような成果を得たのか、説明を求めます。
米中間の水面下の交渉も日本にとっては重要な問題です。米国の対中制裁関税第一弾、第二弾において、中国からの輸出品の主力であるパソコンと携帯電話が除外されました。第三弾でも、中国で生産されるアップルウオッチが除外されました。これらの背景に関し、どのような情報と認識を有しているのか、総理にお伺いいたします。
米国は、北米自由貿易協定に代わるメキシコ、カナダとの新協定において、乗用車、ライトトラック、自動車部品に関して、通商拡大法二百三十二条発動時の除外輸出数量を定め、事実上の数量規制を導入しました。鉄鋼の制裁関税ではブラジル、アルゼンチン、韓国、アルミの制裁関税ではアルゼンチンが数量規制を受け入れました。
これらに関して、政府が把握している事実関係を伺うとともに、日本は同様の内容を受け入れることは断じてないと言い切れるか否か、総理にお伺いします。
そうした中で、日米物品貿易協定交渉開始を決めた九月二十六日の日米共同声明の項番五において、「米国としては自動車について、市場アクセスの交渉結果が米国の自動車産業の製造及び雇用の増加を目指すものであること。」と記されています。この内容は、米国内の自動車販売台数が頭打ちの状況下、日本から米国への輸出数量規制か日本企業の米国内での生産増がなければ実現しない内容であります。
交渉妥結の際に自動車輸出の数量規制を受け入れるということなのか、そうでないならば、数量規制は絶対に受け入れないと明言できるのか否か、総理にお伺いいたします。
所信で述べた戦後外交の総決算の意味を伺います。
駐留米軍を撤退させ、真の独立を果たすという意味なのか、何がなされていないからまだ総決算が行われていないと認識しているのか、総理にお伺いします。
対等な日米関係の実現こそ、戦後外交の総決算だと考えます。その観点から、米軍基地問題、とりわけ沖縄の基地問題は避けて通れません。
辺野古への基地移設反対を唱えた玉城デニー氏が当選した知事選の結果は大変重いものです。ところが、知事が総理と会談した僅か五日後の十月十七日、沖縄防衛局が県による公有水面埋立承認の取消処分に対し、行政不服審査法に基づく審査請求、執行停止を申し立て、昨日、国交省が執行停止を決めました。県民の思いを軽視する不適切な対応と考えますが、総理の認識を伺います。
また、十月二十六日、辺野古移設の賛否を問う県民投票を実施するための条例が県議会で可決され、来春までに実施されることとなりました。条例では、賛成が四分の一に達した意見に対しては、知事は結果を尊重しなければならないとしています。投票結果を尊重する意思があるか否か、総理にお伺いいたします。
最後に、改造内閣の姿勢についてです。
改造直後から新閣僚のスキャンダルが報道されている事態を憂慮いたします。中でも、唯一の女性閣僚である地方創生大臣に関して報道されている内容が事実であれば、大臣個人の問題にとどまらず、モリカケ問題で国民の信頼を完全に失い、既に地に落ちた税務当局及び財務省は、更に地中深く埋没する事態です。事実関係及び任命責任について、総理の認識を伺います。
総理は、所信の最後に、第十九代内閣総理大臣原敬翁に言及いたしました。初の本格的政党内閣を実現した先人として、私も敬意を表します。
しかし、いかなる政策、いかなる内閣、いかなる政治にも、必ず光と影があります。政治を担う者に必要なことは、光ばかりでなく、影も見詰め、正直に国民に説明し、深く自省することです。
時に強引であったと言われる原翁の政治手法は、政治史において積極主義とも呼ばれ、功績の一方で、利益誘導型政治を定着させたとの指摘もあり、その象徴として、鉄道誘致をめぐる問題から、我田引鉄という言葉も生まれました。
総理は、任期を全うすると在職日数が歴代最長となります。それだけ長く在職すれば、光がある一方、影も大きいことを自問自答していただきたいと思います。後世、自らの友人に利益を誘導したという意味で我友引益などという言葉が残らないよう、身を律していただくことを切に願います。
国民民主党は、正直な政治、偏らない政治、現実的な政治を目指し、真摯かつ誠実に政治に向き合うことを国民の皆様にお約束し、質問を終わらせていただきます。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕