片山虎之助の発言 (本会議)
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○片山虎之助君 日本維新の会の片山虎之助です。
私は、我が党を代表して、安倍総理に質問いたします。
まず、本年の大阪北部地震、西日本異常豪雨、北海道胆振東部地震、そして台風二十一号を始めとする度重なる台風被害により亡くなられた方々及び御遺族に謹んで哀悼の意を表するとともに、被災者全てに心よりお見舞いを申し上げます。
政府には、被災者の一日も早い生活再建と災害復旧復興のため、万全の措置を講ずるようお願いします。
また、身を粉にして被災者の救助や復旧復興に懸命の努力をされた自衛隊、消防、警察、ボランティアその他の皆様にも厚くお礼を申し上げます。
我が国は元々自然災害の多い国ですが、今年は連続して発生、しかも、スピード化、異常化してきたため対応が難しく、被害が拡大しました。
まず、予報、警報の発令、伝達です。
実際に岡山県倉敷市に出た予報、警報は十七種類もあり、驚きました。
多くの主体が大小様々の予報、警報をばらばらに出す、伝達するタイミングもそれぞれの都合で、言葉が氾濫しめり張りがない。知見のない受ける側が混乱するのは当然です。内容を簡略化し、言葉遣いもそろえ、少なくとも、携帯端末等、個々人に直接届く警報については主体を統一、例えば市町村にワンボイス化すべきです。
また、重要警報は関係地域を絞り、その住民全員に徹底させる、防災用無線かそれに類する装備を高齢者家庭等に無償貸与する等が必要ですが、いかがでしょうか。また、急増する外国人労働者にどのように発信していくおつもりですか、お答えください。
避難勧告や指示には強制力がありません。そのため、実効性が不十分で、ある統計によると、避難実行は僅か〇・五%にとどまっています。これをどう是正するか、法制面のみならず実態面での検討が必要です。総理、いかがお考えですか。
北海道でのブラックアウトには日本中に衝撃が走りました。今後の防止策として、個々の発電所の防災対策を強化し、電力の広域的な融通を整えることは前提です。
今回、北海道では、道内需要の約半分を苫東厚真発電所が担う一極集中の電力システムでした。二〇一二年には、九州電力でもブラックアウト寸前の事態に陥りました。他の地域でも起こり得ます。
日本の電力供給体制を大規模設備に一極集中するのではなく、再生可能エネルギーをも含む発電装備を分散する電力の地産地消化を進めるべきです。総理、いかがですか。
再生可能エネルギーも、太陽光偏重から、地熱、洋上を含む風力、木材や家畜排せつ物などのバイオマスに重点を移すべきです。そして、電力の安定供給体制の構築は誰が責任を持って行うのか。電力の自由化が進む中、電力会社が主導すれば経営優先になるおそれがあります。答弁を求めます。
政治姿勢について申し上げます。
さきの通常国会で、与党は、参院選挙制度改革を全野党が反対する中で強行し、六人の定数増を行いました。消費増税など国民には新たな負担を課すにかかわらず、身を切る改革に逆行する措置は誠に遺憾です。
我が党は、この冗費を抑え、国会改革を進める観点から、衆参両院予算、両院で三十四・七億円、参院で十二・三億円の削減を提案しております。第一、議員報酬二割、月額十八万円のカット、二、関係書類等のペーパーレス化、三、公用車の民間委託廃止、四、委員長手当の廃止、五、海外派遣経費の縮減等です。総理に、内閣総理大臣としてでなく、自民党総裁としての御所見を伺います。
憲法改正について申し上げます。
我が党は、一昨年三月に憲法改正原案をまとめ、公表しています。それは、一、教育の無償化、二、地方分権、国の統治機構改革、三、憲法裁判所の設置の三項目です。
そもそも、憲法は、国の最高法規であり、国の権力の在り方を定める最重要案件ですから、主権を持つ国民が最終決定権者です。それなのに、現憲法については、制定過程から今日まで、七十年以上も国民が参画せず、国民投票もされなかったことに最大の欠陥があります。これは憲法の発議権を持つ国会の怠慢だと私は考えますが、いかがですか。
また、憲法は国民全てのものです。国民が憲法に親しみ、憲法を誇りにし、憲法がより良くなることを願うのは自然の姿です。そのため、衆参の憲法審査会という国民に開かれた場で徹底した議論を行い、国民に憲法を理解できる十分な素材を提供することは、発議とともに国会の重要な役割だと考えますが、総理の御所見を伺います。
国民投票まで行うと、大阪都構想の住民投票の例で見るように、一気に国民の認識が進み、関心が盛り上がります。それは憲法が真に国民のものとなる大変望ましい事態です。現在は国民の間に憲法改正の機運が乏しいので国会で改正論議をすべきでないという意見があります。これは憲法の最終決定権者である国民を愚弄するものだと私は考えます。総理の御所見を伺います。
来年十月の消費増税一〇%への引上げに我が党は反対します。既に予算委等で、消費税の引上げには、景気の本格的回復、身を切る改革の断行などの四項目の実現が必要と主張してきましたが、果たされていません。
総理は、引上げに当たり、景気の腰折れをなくすべく、あらゆる施策を総動員し、全力で対応すると述べ、既にもろもろの税制、予算措置が政府・与党で検討されています。しかし、本当にこれらが必要とは私には思えない。今までの例でも、単なるばらまきに終わるおそれが強い。
我が国では、今後、各種災害の復旧復興予算や東京オリパラ関連予算など、膨大な歳出が予定されています。今の我が国の財政に、これら全てに耐えることができるのか、総理の答弁を求めます。
総理は歳出改革に取り組むと言われるものの、実際は毎年度補正予算が常態化して歳出は肥大化する一方で、二〇二〇年までのプライマリーバランスの黒字化は不可能となりました。この黒字化とは、国の借金が新たに増えないというだけで、減るわけではありません。黒字化は結局五年先送りですので、消費税を一〇%にしても、その間、国の借金は増え続けるのです。二〇二五年に黒字化という今回の目標も、前回と同様、高い経済成長率を前提にしていますから、達成は困難と既に評価が確定しています。達成には思い切った社会保障制度への切り込みが必要ですが、総理、できますか。お答えください。
我が党は、軽減税率の導入にも反対します。反対する理由は幾つもあり、既に長い実施の歴史を持つヨーロッパ諸国でも反省が広がっています。また、軽減税率の導入には一兆円の確定した財源が必要ですが、四千億円はどうにか措置できるとのことでも、あとの六千億円はどうなりますか。答弁を求めます。
軽減税率は逆進性対策にならないというのが定説です。とすれば、逆進性を抑えるためには富裕層の課税強化が必要で、例えば所得税の最高税率を上げたり、金融所得への課税を強化しなければ不公平が拡大します。総理の御所見を伺います。
国民の更なる懸念は、消費税一〇%から先にどれだけ上がるかです。税と社会保障の一体改革は二〇二五年までを想定したもので、それ以降のことは考慮していません。仮にこの考え方を延長すればどうなるのか。逆に言えば、消費税をどこまで上げれば持続可能な財政と社会保障制度になるのか、消費税率は一五%なのか、二〇%まで行くのか。最長政権ならばこれに答えを出すべきだという指摘もあります。総理の忌憚のない答弁を求めます。
一定の技能を有する外国人材を受け入れる新たな在留資格が提案されるようです。人口減少の我が国では、地域や業種の実情から見て、一定の条件を満たす外国人材のなだらかな受入れはやむを得ないと私は考えます。ただし、今回の案は、ほとんどこれまで言う移民です。それでも移民とは言いたくない本当の理由は何なのか、お教えください。
今回の案は一歩前進だとしても、いまだに全体像がはっきりせず、細部も決まっていません。まず、これをはっきりさせる必要がありますが、気が付く問題点を挙げれば、なし崩し的な受入れにならないかどうか、入口である人手不足産業の判定はどうするのか、厳し過ぎると人手不足対策とならないし、甘過ぎると野方図になる。日本人の雇用に悪影響が出ないよう、人手不足が解消したら一時停止するとしていますが、そんなに都合よくいくものでしょうか。答弁を求めます。
また、治安の悪化を起こさないよう、入国後の在留資格の審査は適切に行いつつ、処遇、待遇を含め、外国人や家族が地域社会と共生できる、そんな受入れ体制の構築が求められます。しかし、そうなると、保険財政の悪化、労働法制、地方参政権の扱い等、難しい問題が出てきます。さらに、各国と受入れ人材の獲得競争が激化すれば我が国はどうするのか、総理の御所見を伺います。
当面の外交交渉について順次質問します。
日米首脳会談の共同声明では、TAGとサービスを含む分野で交渉する、TAGの後に他の貿易、投資の事項も交渉すると表明しています。ペンス米副大統領は二国間のFTA交渉を始めるとストレートに発言するなど、米国ではTAGの文言を用いていません。総理は包括的なFTAとは異なるものだと強調されますが、当面サービス貿易の交渉はしないとしても、将来的にはそれを含むFTAの交渉になるというのが正確なところではないですか。また、ムニューシン米財務長官は為替条項の導入を求めると言い出しています。どう対処されますか。
総理は、米国と輸入自動車への高関税措置を交渉中は発動しないことで確認したと説明されましたけれども、共同声明にはその旨はありません。本当に大丈夫でしょうか。また、米国が関税でない数量規制を要求してくることはありませんか。答弁を求めます。
茂木担当大臣は、農産物について、パッケージとしてはTPP以上のことはできないと、一部品目ではTPPを超える譲歩をする可能性があることを示唆しています。パーデュー米農務長官は日欧EPA以上の譲歩を求める姿勢を強調しており、農産物につきTPPで合意された水準を守ることを信じていいのかどうか、総理にお伺いします。
九月、ウラジオストクで突如プーチン大統領が前提条件を付けずに本年末までに平和条約を結ぶことを提案しました。プーチン提案はその日に安倍総理が拒否したと報じられていますが、事実でしょうか。年内に二度機会がある日ロ首脳会談ではどう論議されますか。また、北方領土の軍事演習については強腰で臨むべきだという意見が出ています。どう対応されますか。
せんだって発表の共同経済活動の中身に目ぼしいものがなく、今後ともスムーズに推進されるとは思われません。改めて総理の御所見をお聞きします。
北朝鮮の非核化は、掛け声とは裏腹に難航です。二回目の米朝首脳会談を開催できても、進展するかどうか、保証はありません。それを前提に、拉致問題の解決のため今後どういう戦略をお持ちですか、お答えください。
また、非核化が動かなければ、北朝鮮への経済制裁の持続は当然として、現在進めているミサイル防衛体制、イージス・アショアの配備等も何らの変更もないと考えてよいのか、総理の答弁を求めます。
総理は、七年ぶりの日中首脳会談で、日中関係を競争から協調へなど新たな段階に発展させることで合意されました。北朝鮮問題の解決には中国の協力が不可欠ですし、東アジアの安定のためにも日中の友好関係は重要です。しかし、現在、中国は、米中貿易戦争、一帯一路構想の難航など厳しい状況にあるからこそ、頼りになる日本に急接近してきたという大方の見方は当たらずといえども遠からずでしょう。中国の姿勢がまた変わる可能性があるとしても、日本は変わらず引き続き戦略的思考に立って中長期的な関係安定を探るべきだと考えますが、総理の御所見を伺います。
最後に、最長となる安倍政権に二項目について要望します。
一つは、人生百年時代を見据え、健康寿命を延ばす努力をしながら、働く意欲と能力を持つ全ての高齢者が働ける環境づくりを急ぐことです。そのため、まず継続雇用年齢六十五歳の引上げや、年金受給開始年齢を希望に応じて七十歳超に設定できる制度を導入することに賛成です。また、高齢者の労働力を生かすため、解雇ルールを明確化し、労働市場を流動化して転職をしやすくすることも必要と考えます。既得権益を守ることなく、生涯現役社会に見合う構造改革を進めていただきたい。総理、いかがですか。
我が党は、さらに、社会保障制度改革として、年金を現行の賦課方式から積立方式に変更すること、給付と負担を年齢でなく所得、資産に見合ったものにすることをかねてから主張してまいりました。これも全世代型社会保障制度の主要課題になると考えますが、総理の御所見を伺います。
二つ目は地方分権です。
国の予算委で保育所の待機児童問題が取り上げられ、総理始め関係閣僚が大わらわで答弁していることに私は違和感を持ってきました。本来、保育所を設置し管理運営するのは市町村です。それが、なぜ市町村でなく国政上の大問題になるのか。それは、国が設備運営基準を決め、運営費の公費分の半分を持ち、細かい指導監督を行うからです。各省庁は、権限と財源を理屈を付けて地方に渡さない。与党もその方がいろいろと口出しできるし、野党も政府・与党を直に攻撃できるから目立ちます。少子化の現代、待機児童がいる地域は限られています。極めて地方的な課題ですから、当該市町村に任せたらいい。仮に市町村ごとに差異が生じても、その住民が同意したらそれを認める、指導監督が必要なら最小限にして都道府県が行う。とにかく権限と財源を地方に与えて、地方の責任で行う、問題が起これば地方自ら処理する、これがあるべき地方自治であり、地方分権の姿です。総理の御所見を伺います。
我が党は、今後とも、このように国民目線で地方分権、統治機構改革や、全世代が安心できる社会保障制度改革を推進するため、懸命の努力をすることをお約束して、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕