小川勝也の発言 (本会議)

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○小川勝也君 立憲民主党・民友会の小川勝也です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました漁業法等の改正案に対し質問をいたします。
 今回の漁業法の改正は、七十年ぶりの大改正と言われています。先人たちは、戦後の民主化の下、三年の歳月を掛けてこの漁業法を作ったと聞いています。なのに、なぜ、その理念を大きく変える改正案が短い会期の臨時国会に提出されたのでしょうか。漏れ聞くところでは、与党自民党の水産部会でも、なぜ臨時国会に提出するのか、なぜ焦るのかという質問が飛び交ったと聞いています。
 本日、本会議に登壇し、本会議質問をさせていただいていますが、今国会中の参議院農林水産委員会の定例日はあと二日しかありません。一足先に審議入りした入管法改正案と併せて、我が参議院はどうなってしまったんでしょうか。参議院は官邸の下請機関ではありません。
 今国会に漁業法の改正案がかかるかもしれないということで、私も閉会中、何人かの漁業者や漁業関係者の話を聞いてまいりました。北海道では、イカの不漁、アキサケの不漁や小型化、一部魚種の魚価安や浜値と小売値の格差など、漁業を取り巻く現状は大変厳しいという認識を持ってこの本会議に臨んでいます。
 議場の皆様も御案内のとおり、漁業者も減り、にぎわいのなくなった浜や寂れた漁村が増えているのは事実でしょう。浜や漁村に元気がないのは漁業法のせいでしょうか。私は、農山漁村から都市に人口が移動するのを止められない政府の政策と、少子化にストップが掛けられない政策の貧困が原因だと考えます。
 まず、政府にお伺いいたします。
 二〇一七年十五万人とされている漁業者の人口は、例えば二〇五〇年に何人にまで減少していると推定していますか。また、その間になくなる漁村集落は幾つになると推定していますか。改めて農林水産大臣の答弁をお伺いいたします。
 農山漁村に人々が住む重要性について、農林水産大臣からお答え願います。
 漁村や沿岸漁業の多面的機能については、既に常識になっているはずです。せっかくの機会ですので、私から指摘するのをやめて、農林水産大臣に答えていただくといたしましょう。今回の改正で、浜や漁業者から改正を望む声はあったのでしょうか。また、沿岸漁業や漁村集落にどのような良い影響があるのか、農林水産大臣にお伺いいたします。
 今回の法改正でも、農林水産委員会ではもう既に定番ですが、規制改革会議水産ワーキング・グループからの要望がスタートになっています。ワーキング・グループの議論から法案提出までの時間が余りにも短い。漁業者や漁業関係者にどこまで理解が広がっているのか伺います。まずは、水産政策審議会でどの程度議論したのかお答えください。
 地方説明会を開催したという報告も受けていますが、水産庁は一方的に説明するだけで、漁業者の意見を聞いて改革案に反映させる意図は全く見られず、説明会には漁協の幹部だけしか来ていませんし、法案の影響を最も受ける組合員、漁業者まで届いていないはずです。
 現に、北海道漁連と幾つかの漁協の方とお話をさせていただきましたが、組合長や専務さんは当然改正されることを理解しておられましたが、一般の組合員は臨時国会に本法案が提出されていることさえ知らない方がたくさんいました。漁業者への十分な説明がなかったことを農林水産大臣は率直にお認めになるでしょうか。
 今年度の水産の予算と来年度の概算要求の額を教えてください。今回は、漁連や各団体にはいろいろと説明しているようですが、出された数々の懸念に対する答えとして、予算の増額で説得したのも事実でしょうか。農林水産大臣、お答えください。
 まず、法律案に入る前に一つお伺いいたします。
 多くの漁業者から、中国、韓国などの漁船との問題についていろいろと要望を受けています。国際的な漁業に関する協定や協約、あるいはルール違反など、様々な要望や相談が水産庁にも寄せられているはずです。
 我が国の漁船が安全に操業するため、それぞれどんな御努力をいただいているのか、農林水産大臣、外務大臣及び海上保安庁を所管する国土交通大臣にお伺いいたします。
 法改正について伺います。
 今改正は企業の参入を容易にするための改正ですか。現在でも企業が漁協に加入して様々な漁業に参画しています。現行法のままではなぜ駄目なのでしょうか。農林水産大臣に伺います。
 北海道の漁業関係者に企業の漁業への新規参入の可能性についてお伺いしたところ、新規に企業が参画するのに魅力的な魚種や漁法はないだろう、天候やあるいは資源の減少など様々な影響を受けるという答えでした。
 今回の法改正で企業が参入に意欲を示しているのは、ずばりマグロの養殖などの養殖漁業でしょうか。マグロは日本人にも諸外国の人々にも最も愛されている人気の魚ですが、ちなみに、養殖業は海面のあるいは海底の環境問題とも密接に関係しています。
 今回、沿岸の漁場管理について改正が行われますが、企業の養殖業の参入を前提とした改正でしょうか。また、漁業の基本は海をきれいに保つことであります。養殖業は漁場環境に負荷を掛ける場合がありますが、企業の撤退や場所の移動により、海を汚したままいなくなるという懸念はありませんか。農林水産大臣に伺います。
 次に、IQ制度について伺います。
 IQ制度は経営の視点からのもので、遠洋、沖合の大規模漁業に適用できたとしても、沿岸の小規模漁業への適用は過大な管理コストと漁業現場の混乱を招きかねないなどの懸念があります。また、我が国の領海内での操業に適用することへの懸念も聞いています。農林水産大臣のお考えを伺います。
 次に、政府が導入したいと考えているMSY、最大持続生産量について伺います。
 そもそも水産庁は、日本の資源管理は世界的に見てある程度評価されていると自負していました。そして、当然ですが、魚種も漁業者も限られている北欧の単純な資源管理の制度と、多種多様な魚種と地域性に富む日本の漁業の状況は余りにも差があり過ぎます。
 ですので、我が国のように多くの魚種の魚介類を多様な漁法で複層的かつ稠密に活用している漁業では、TAC、IQといった単純なものではなく、従来の資源管理方式を組み合わせて更に活用すべきと考えます。
 国際的に見て遜色のない、科学的、効果的な評価方法及び管理方法としてMSYを導入するとしていますが、有識者の多くは疑問を抱いていますし、まして、漁民にはなじみがなく、理解されにくいと考えます。参入した企業に都合よく魚を捕らせるために恣意的に利用されるとの懸念は払拭できません。
 農林水産大臣に伺います。MSYの導入は慎重であるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、優先順位の廃止について伺います。
 漁業法の肝である特定区画漁業権と優先順位の廃止は、沿岸漁業秩序の混乱をもたらしかねません。地域の漁業者が不利益を被ることは今後一切ないと断言できるのか、農林水産大臣、お答えください。
 また、新規の漁業権の免許の基準として、漁場を適切かつ有効に活用と認められる場合、地域の水産業の発展に最も寄与すると認められる者とありますが、都道府県知事の恣意的な裁量が働く可能性があると危惧されています。こんな裁量によってゆがめられる文言は漁業法にとってふさわしくないのではないか。農林水産大臣、お答えを願います。
 最後に、漁業法の最も大事な概念の民主化の文言がなくなり、一方で、大臣、都道府県知事の権限が大きくなる、後世に大きな禍根を残しかねない、大変心配の種が消えない改正案であるとの印象を申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣吉川貴盛君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 119715254X00620181130_008

発言者: 小川勝也

speaker_id: 4765

日付: 2018-11-30

院: 参議院

会議名: 本会議