東徹の発言 (本会議)

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○東徹君 日本維新の会の東徹です。
 会派を代表して、内閣提出の水道法の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論を行います。
 今年六月十八日の大阪北部地震では、老朽化した水道管の破断によって道路が冠水し、多くの世帯で断水するなど、大きな被害を生じました。大阪府では、主要水道の約三割が四十年の法定耐用年数を超えており、耐震性が確保されているのも約四割にとどまっているなど、老朽化、耐震化対策は待ったなしであります。
 水道管の老朽化は、今や全国的な問題です。今後、人口減少により利用料金の伸び悩みが予測される中、どのようにして水道料金を抑えながら設備の老朽化対策を進めていくのか、大きな課題であります。
 この法案には、その解決策として広域化と官民連携が含まれています。
 民間の予測では、給水人口三万人未満の小規模な事業体では、将来、半数以上が三割以上の料金値上げが必要と見込まれており、給水人口が少ないほど高くなる傾向にあります。今広域化を進めなければ、老朽化対応が遅れ、将来、水道を維持するためのコストが更に上がっていくことは明らかです。将来の国民のために今コストを抑えられるような仕組みをつくる、そのことが我々の責務であります。
 今回の法改正によって都道府県を広域化の推進役とすることは評価できます。
 大阪では、橋下知事の時代に大阪府と大阪市の水道事業を統合しようとしましたが、大阪市の反対に遭って実現できませんでした。同じ淀川水系で、隣同士で、大阪府、大阪市が別々の浄水場を建てて水を取っているという極めて非効率な状態が続いています。このような状況を解消し、将来の世代のために効率化を進めなければなりません。
 厚生労働大臣には、財政融資も活用して、積極的に広域化、老朽化対策を進めることを求めます。
 次に、コンセッション方式について申し上げます。
 今回の法改正の大きな目玉となっているコンセッション方式ですが、施設の所有権は地方公共団体にあり、イギリスのような完全民営化とは異なります。
 また、コンセッション方式は今回の法改正の前でも導入可能でありますが、今回の法改正では、コンセッションの導入後も地方公共団体に給水義務を残すなど、公の関与を強くする内容となっています。この給水義務とは、ただ単に水を安定的に供給する義務だけではなくて、安心、安全な水の質を確保することも地方公共団体の責務であります。さらに、災害時においても、地方公共団体に水の供給を迅速に復旧させる責任があります。
 コンセッション方式の導入後も、安全で安心な水の供給が地方公共団体の責任で行われるため、コンセッション方式に対する住民の不安を解消するものと評価できます。
 また、一番の問題である水道料金については、条例で料金の上限を定めるとともに、国も許可権限をもとに料金の設定をチェックすることで、料金の高騰を抑える仕組みが取られています。条例で定めるということは、議会の議決が必要だということです。このような仕組みはイギリスやフランスにはなく、海外の失敗例を教訓に我が国で制度化されたものとして、高く評価できます。
 コンセッション方式に批判的な立場からは、よくパリ市の例が持ち出され、コンセッション方式によって水道料金が二・七倍になったと言われます。そもそも、条例で料金の上限を定める仕組みを持つ我が国と、それがない海外の事例を単純に比べることはできず、海外で失敗した例があるから我が国でも失敗すると決め付けるのは適当ではありません。
 また、パリでのコンセッションと同じ期間に公営でやっていた下水道は料金が四・七倍になり、上水道より大幅に上がるなど、水道料金の高騰の原因をコンセッション方式のみに求めることはできません。
 また、パリでは、コンセッション方式が二〇一〇年に再公営化され、水道料金が下がったとの指摘があります。しかし、これに対して、値下げ幅は小幅にとどまっており、再公営化後の管路の更新率は低下しているとの指摘もあります。再公営化については、パリ市が、運営権者である第三セクターに対して適切に関与できていなかったことに原因があります。
 今回の法改正では、地方公共団体のモニタリングに加え、国も報告聴取や立入検査を行う権限を持つことになります。これによって、民間事業者へのガバナンスを徹底でき、急な倒産や撤退を予防することも可能です。
 世界では再公営化が進んでいるとの見解もありますが、フランスでも再公営化された件数と同程度コンセッション等へ移行されており、また、既にコンセッション等が行われている事業体の約九割が契約を更新するなど、再公営化の動きは全体から見れば一部にとどまっております。
 むしろ、国内では宮城県や浜松市において、全国に先駆けてコンセッション方式の導入が検討されています。
 もちろん、コンセッション方式を導入するためには、この法案が成立し、施行されたとしても、議会の議決が必要なんです。議会の議決が必要だということは、地方公共団体の首長も提案するにおいて責任もあるし、承認する議会にも責任が必要となってくるわけです。
 民間のノウハウや創意工夫によって効率化が期待されますが、宮城県では、コンセッション方式によって三百三十五億円以上のコスト削減が期待されています。浜松市でも、平成四十九年度の水道料金が、公営のままだと四六%上がるところ、コンセッション方式によって値上げを七%以上抑えることが見込まれています。将来に向けて安全で安価な水道事業を維持しようとする地方公共団体の取組を止めてしまわないように、国はしっかりと支えなければなりません。
 先ほどの反対討論に加えて、この後も反対討論が続きます。本来であるならば、与党である自民党、公明党こそ賛成討論をしっかりとやってほしいところです。維新以外の野党に言われっ放しでは、残念でなりません。
 今後、地方公共団体でこのようなコンセッション方式の提案がなされた場合には、与党である自民党、公明党の皆さんには、しっかりと後押しをしていただくことをお願いいたします。
 少子高齢化により、人口減少は進み、社会保障費も今後ますます増加していきます。国民の負担を抑えるため、国民の生活の命でもある水が、できるだけ安くて、そして安全に提供されるよう、厚生労働省、又は根本大臣におかれましても、より積極的に対応していくことを求め、賛成の討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 119715254X00820181205_006

発言者: 東徹

speaker_id: 17811

日付: 2018-12-05

院: 参議院

会議名: 本会議