馬場伸幸の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○馬場伸幸君 日本維新の会の馬場伸幸です。
我が党を代表して質問をいたします。(拍手)
あの悪夢の三年三カ月とも言われた民主党政権に終止符を打ち、第二次安倍政権が発足してから六年、アベノミクス三本の矢に次ぐ新三本の矢が発表されてから早くも三年余りが経過をしました。
安倍総理が、日銀総裁に係る人事権を行使し、早期にデフレではないという状況をつくるとともに、雇用環境を劇的に改善させてきたことは、一定評価をしています。無責任野党たちは、統計不正をもってアベノミクス偽装などとあおっていますが、アベノミクスの成果と統計不正の問題とは切り離して評価すべきです。
その上で、日本経済のデフレという病を退治した上で、本当の意味で国民が待ち望んでいるのは、日本にふさわしい経済の活力と生活の豊かさだと考えます。だからこそ、安倍総理も、強い経済、子育て支援、安心の社会保障の三つを新三本の矢として打ち出されたのではないでしょうか。
しかし、現実はどうなっているのでしょうか。
平成二十九年のGDPは五百四十七兆円でしたが、平成三十年度の四半期を見ると、一―三月期と七―九月期にはGDPはマイナス成長でした。平成三十年度の名目GDPは、前年度に対して横ばいがよいところでしょう。目標の名目GDP六百兆円にはほど遠い状況です。
また、新三本の矢の一つとして希望出生率一・八の実現を打ち出して以降、合計特殊出生率は二年連続して下がっており、人口減少に歯どめがかかっていません。
さらには、介護離職については、平成二十九年の最新データと第二次安倍政権が発足した平成二十四年のデータとを比較しても、介護を理由とする離職数は横ばいであり、介護離職ゼロとはほど遠い現状と言わざるを得ません。
そこで、総理に質問いたします。
アベノミクス新三本の矢について、思ったような進捗が得られない要因をどのように分析し、目標を達成する見通しについてどのような認識をお持ちですか。お答え願います。
次に、厚生労働省による毎月勤労統計、賃金構造基本統計等に係る長年の不正調査が発覚しました。統計制度は、言うまでもなく、国のかじ取りをしていく上で極めて重要な制度インフラであり、こうした不正は絶対にあってはなりません。
そうした中、維新以外の野党各党はひたすら政府・与党を批判するばかりですが、不思議なのは、権力を掌握している間に不正を見つけることができなかった旧民主党の方々が、不正を見つけた安倍政権を叱り飛ばしていることです。加計学園が問題になった際に、野党の面々が、ゴルフをした安倍総理をなじっていたのと全く同じ構図です。そもそも、不正を見つけたらたたかれるというのでは、誰も真実を語らなくなるでしょう。
今回の事案は厚労省の中に長く埋もれていたわけですが、数十年の長きにわたって不正を見抜けなかったのはなぜでしょうか。そして、今回、見つかったのはなぜなのでしょうか。深刻な不正が行政府の広い範囲にわたってはびこってきた、その根本原因は何なのでしょうか。総理の御見解をお聞かせください。
今回の統計不正事件を受けて、本当に必要なことは、長年にわたって不正が行われてきた根本原因を明らかにし、二度とこうした不祥事が起きないよう、対策を講じ、仕組みを整備することです。
ところが、統計不正が明るみに出た後の安倍政権の対応は余りにずさんです。
まず、厚労省が設置した特別監察委員会の第三者性が問題になっています。
特別監察委員会が幹部職員にヒアリングする際に厚労省の官房長が同席していたことは言語道断ですが、財務省的にはそうやるかねという感じがすると、厚労省の調査のあり方に疑問を呈した麻生財務大臣は、財務省理財局で公文書偽造事件が起こった際に、内部調査で幕引きを図った張本人ですから、あきれて物も言えません。
一般的に、第三者委員会というのは、調査対象から独立した委員のみをもって構成され、独自に徹底した調査を実施した上で、専門家としての知見と経験に基づいて原因を分析し、必要に応じて具体的な再発防止策等を提言する委員会です。例えば、十年近く前に、日弁連が第三者委員会ガイドラインを公表し、第三者委員会が備えるべき要件を提示しています。
そこで、総理に質問いたします。
政府は、不祥事が起こるたびに調査委員会を立ち上げてきましたが、不祥事を厳正に調査するための第三者委員会は、どのような要件を備えるべきでしょうか。第三者委員会が備えるべき要件について、政府統一の考え方はないのでしょうか。ないのであれば、今回の統計不正を機に、第三者性の確保のための規範となる統一的なガイドラインを作成し、政府各部に徹底するべきではないでしょうか。
問題は、毎月勤労統計だけではありません。賃金構造基本統計でも、数十年にわたって、調査員が行うべき調査用紙の配付、回収を郵送で行っていたと報じられています。
昨年三月に閣議決定された公的統計の整備に関する基本的な計画でも、ICT技術を活用したオンライン調査の導入等が打ち出されているように、前時代的な調査方法を抜本的に見直し、新しいテクノロジーを活用すべきなのです。
縦割り行政の中で、それぞれの調査所管部局の判断で統計調査が実施され、その信頼性が揺らいでいるのであれば、中央省庁再編も視野に入れるべきです。
ただし、厚労省分割といった懲罰的で安直な方法では、混乱を拡大するだけです。
私たち維新の会は、各府省に散らばっている調査統計部門を切り離し、独立して統計調査を専門的に実施する国家統計局を創設すべきと考えます。イギリスでは、高い専門家集団としての国家統計局が政府の統計業務を一元的に取り仕切り、統計業務の不断の見直しや民間委託等、抜本的な統計改革を続けています。
我が国でも、イギリスの国家統計局をモデルに、合理的で先進的な統計行政を根本から再構築すべきと考えますが、総理の見解をお伺いします。
また、この不正問題を受け、厚労次官らが訓告等の処分となりましたが、過少給付の総額が約五百四十億円に上るにもかかわらず、その処分内容は国民が納得できるものではありません。
公務員による不祥事の再発防止策の観点からも、不正にかかわった責任者について、さかのぼって厳正な処分を行うことが必要なのではないでしょうか。総理の御所見をお聞きいたします。
基幹統計に係る不正調査の問題は、政府に対する信頼を大きく揺るがすものであり、問題の広がりは政府統計にとどまるものではありません。
例えば、我が党は、公務員給与に係る人事院勧告のあり方について、改善の必要性を以前から幾度となく指摘してきました。
言うまでもなく、国家公務員の給与水準は、民間準拠、すなわち民間企業の従業員の給与水準と均衡させることを基本に人事院が勧告を行っていますが、その官民比較における比較対象の事業所規模は五十人以上です。平成三十年の調査では五万八千三百五十一事業所が調査対象母集団となっていますが、これは全事業所の一%にすぎません。
総理、国家公務員の人件費は五兆二千億円にも及びます。国民の血税から成っているこの莫大な国家公務員人件費のベースとなる民間給与実態調査の対象が、大企業の上澄みの部分だけ、一%のいいところだけと比較しているのは、やはり公務員天国との批判を逃れ得ないと考えますが、いかがでしょうか。この際、人事院も含む政府全体の統計調査について、それぞれの調査対象、調査方法などを調査目的に沿って精査し、それこそ、漫然と継続してきただけの諸統計の棚卸しと近代化、合理化を図るべきと考えます。統計調査の抜本改革の必要性に関する総理の見解を伺います。
我が党は、議員歳費の約二割、一人月十八万円の身を切る改革をみずから行っている唯一の政党です。平成二十八年五月から始めたこの取組により、総額一億円近くを被災地等に寄附することができました。私たち小さな政党でもこれだけのことができるのですから、自民党や立憲民主党が同じ取組をすれば、莫大な財源を生み出すことができるでしょう。
もちろん、私たちが身を切る改革に取り組んでいるのは、単に直接的な被災地支援のための財源を生み出すためだけではありません。増税の前に政治家が身を切る改革を行い、率先して覚悟を示すことで、必要な行財政改革へのリーダーシップを発揮することができます。そして、徹底した行財政改革をやり切った上で、それでも財源が足りないのであれば、そのときに初めて国民の皆様に負担をお願いする。これが、正しいというよりも、当たり前の筋道であると思います。
自民党が野党であった平成二十四年衆議院選挙マニフェストには、議員定数の削減など国民の求める改革を必ず断行するとありました。しかし、政権をとった後に行われたことは、参院議員定数の六増です。選挙では身を切る改革を真顔で訴え、権力を掌握すると、手のひらを返したように議員特権の維持拡大に奔走し、国民には増税を押しつける。余りに身勝手であると断じざるを得ません。
維新の会は、こうした国民を愚弄する消費増税に断固として反対します。
総理、国会議員自身の身を切る改革という国民との約束をないがしろにしたまま、本当に消費増税を実施されるのでしょうか。私たちには到底理解できませんが、改めて総理御自身のお考えをお聞かせください。
自民党による議員特権の維持拡大は、参議院定数の六増だけにとどまりません。自民党は、地方議員年金制度の復活に向けた作業を着々と進めています。
地方議員年金は、制度破綻を来し、平成二十三年に廃止されましたが、その後も全国の地方自治体はそのツケを支払わされており、その額は一兆一千億円にも上ります。
自民党は地方議員のなり手がいないことを理由に挙げていますが、地方の特色に合わせて地方議会のあり方を見直せばよいのです。地方議員は兼職が許されているのですから、働きながら議員活動を行うこともできるし、職業を持ちながらボランティア精神を持って働く人材の方が望ましいとの指摘もあります。
総理に伺います。
人口減少社会における地方議員のあり方を、柔軟かつ大胆な発想で見直す時期が来ているのではないでしょうか。御所見を伺います。
我が党は、今国会が開会した今月二十八日から、政策目安箱や、政党初の取組となる未来共創ラボというネットサロンを開設したところですが、瞬く間に、非常に多くの皆様から多数の御意見、政策提案などをいただいております。
そこに寄せられたコメントの中で一番多いのが、韓国外交に関する意見です。慰安婦問題、徴用工問題、そして韓国海軍による火器管制用レーダーの照射問題等への安倍政権の対応に国民は不満を募らせているのです。
特にレーダー照射問題については、国の安全保障にかかわる深刻な問題であり、中途半端で妥協的な決着を図ることは絶対にあってはなりません。
事案が発生した当初こそ、安倍政権は厳しい姿勢で臨んでいたようですが、河野外相や岩屋防衛大臣から出てくる言葉は、早期決着、未来志向といった曖昧な幕引きを示唆する言葉ばかりです。安倍総理に至っては、施政方針演説で韓国にほとんど触れないという戦略的無視を決め込みました。
慰安婦問題への対応でも同様でしたが、言うべきことを言わない自公政権の姿勢では、必ず禍根を残します。実際、海上自衛隊の哨戒機が低空で威嚇飛行をしたと言われ、いつの間にか攻守が逆転しているではありませんか。
総理、売られたけんかは買わねばなめられます。国民の生命と財産、国の平和と安全を守るためには、日韓防衛協力の見直しを含めた毅然とした対応が不可欠と考えますが、総理の見解を伺います。国民が安心するよう、明確な御答弁をお願いいたします。
ことしは、世界の首脳が集まるG20サミットが大阪で開催されます。さらに、二〇二五年大阪・関西万博の開催が決まりました。大阪・関西から日本の魅力を世界に発信していくため、引き続き力を尽くしてまいる決意です。
そして、万博の会場となる舞洲への統合型リゾート誘致に向けた期待と相まって、大阪・関西では、早速、私鉄各社を始め民間の投資が大きく動き始めています。こうした民間の積極的な投資意欲に水を差すことなく、万博開催とIR開業の相乗効果を最大化するためには、少なくとも二〇二四年までに大阪・夢洲にIRを開業することが不可欠です。
法施行の加速化に向けた安倍総理の御決意を伺います。
最後に、憲法改正について質問いたします。
日本維新の会は、現行の日本国憲法が国民投票を経ていないことを大変深刻な問題であると考えています。日本国憲法は、第一条に主権の存する日本国民とあるとおり、国民主権をうたっていますが、国民主権の行使としての憲法に係る国民投票は、まだ一度も行われていません。国民投票を行わないで国民主権と呼べるのでしょうか。
大阪では、大阪都構想の住民投票を行うことにより、住民の一人一人が大阪のあるべき姿を考え、民主主義に対する理解を深める貴重な機会となっています。同じように、憲法改正についても、国民投票の実施を目指すことは、国民の手に憲法を取り戻すための当然の取組であると考えますが、憲法改正に向けた安倍総理の御決意を伺います。
平成から新しい時代へ、御代がわりの重要な年が始まりました。今国会では、維新の会として、全政党に憲法改正原案を提示するよう呼びかけてまいりたいと考えています。安倍総裁にも、ともに前進していただくようお願いして、私の代表質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕