高井崇志の発言 (本会議)
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○高井崇志君 岡山から参りました高井崇志です。
私は、立憲民主党・無所属フォーラムを代表して、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案等四法案につきまして質問いたします。(拍手)
信なくば立たず。総理が好んでよく使う言葉ですが、総理はこの言葉の本当の意味を御存じでしょうか。論語の一節に出てくる孔子の言葉ですが、弟子から、政治には食料、軍備、信義のいずれが一番大事かと問われ、信義が一番大事だと答えた後に述べられた言葉です。為政者に信義がなければ、民にも信義がなくなり、国家の存立が危うくなるという意味です。つまり、官僚のモラルの崩壊も国民のモラルの崩壊も、その原因は全て為政者、すなわち総理にあるという意味です。
昨年一年間だけで、森友学園決裁文書の改ざん、破棄、裁量労働制のデータ捏造、自衛隊の日報隠蔽、障害者雇用の水増し報告、外国人技能実習生の調査データの改ざん、そして今回の統計不正、まさに悪夢のように信じがたい不正が相次いでいます。
でも、こうした不正はなぜ行われたのでしょうか。その原因をたどれば、いずれも、不正を行ってでも安倍政権を擁護しなければならないという官僚のそんたくではないですか。
昨年から相次ぐ、民主主義の根幹を揺るがしかねない悪夢が続く原因を、総理はどのようにお考えですか。明確にお答えください。
私は、そんたくの原因は、長期政権の弊害による人事権の濫用と強権的な政治にあると思います。
古今東西、権力は腐敗するんです。人事は組織を動かす最大の権力ですが、だからこそ抑制的でなければなりません。霞が関人事を政治主導で行うために必要なことがあります。それは、人事権を持つ人に高い倫理観と見識が備わっていることです。安倍政権は余りにも強権的、恣意的な人事を行ってきた結果、そんたくが生まれてしまったのではありませんか。
また、官邸から内閣記者会に対する特定の記者を排除するための申入れなどは、まさに強権的政治の象徴であり、あってはならないことだと考えますが、官房長官の見解を求めます。
昨年七月の西日本豪雨災害では、私の地元岡山県では六十八名の方がお亡くなりになり、いまだ三名の方が行方不明です。
この大災害を経験し、大きな課題が明らかになりました。
その一つが、我が国の災害対策は市町村に依存し過ぎているという点です。
避難勧告、避難指示を出すのも市町村、自衛隊の派遣を要請するのも市町村、避難所の運営も全て市町村の仕事です。しかし、市町村だって被災者です。
昨年末、私は、同僚議員とともに、災害対策の先進国であるイタリアへ視察に行ってまいりました。
そのときお会いした市長が、災害に遭ったときに自分が判断することは何もなかったと言われていたのが印象的でした。イタリアでは、災害発生から二十四時間以内に、被災を免れた近隣の自治体が、備蓄されたテント、ベッド、簡易トイレを大型トレーラーに積んで百人体制で被災地へ向かい、避難所の設営から運営まで全てを担います。
日本とイタリアの最大の違いは、イタリアは、日本の人口の半分にもかかわらず、七百名の専任職員から成る市民保護省があり、さらに、二十二の州ごとに地方支分部局があることです。我が国の防災組織は、内閣府に百名ほどの組織があるのみで、その職員の多くは兼務であり、頻繁に人事異動で入れかわります。
与党の中にも防災省を提唱する方はたくさんいらっしゃいますが、イタリアのように専任職員による防災省を創設する考えはないか、総理に伺います。
被災者に支援金を支給する被災者生活再建支援制度は国と都道府県が費用を折半する制度ですが、全国知事会は、みずからの負担増を覚悟の上で、支給対象を大規模半壊以上から半壊以上まで拡大することを国に提言しています。これを受けて、被災者生活再建支援法を改正し、支給対象を半壊以上に拡大する考えはありませんか。総理に伺います。
今回の災害で河川氾濫の大きな原因となったのがダムの放流でした。
民間企業が所有するダム、利水ダムは、国や都道府県が所有するダム、治水ダムと異なり、洪水調節が義務づけられておりません。しかし、河川法五十二条では、河川管理者は、災害が発生するおそれがある場合には、ダム設置者に対して洪水調節を指示できると定めています。ところが、国はこれまで一度も河川法五十二条を発動したことがありません。なぜ河川法五十二条を発動しないのですか。
また、河川法五十二条を根拠に、民間企業が所有するダムとも定期的に協議を行い、事前放流などの洪水調節を行う必要があると考えますが、国土交通大臣の見解を伺います。
岡山県では、今回の災害で、長年行政改革を断行し、こつこつと蓄えてきた財政調整基金のほとんどを取り崩し、災害対応の予算に充てました。今年度の特別交付税の増額によって被災自治体の財源は十分補填できるのか、総務大臣に伺います。
平成三十一年度地方財政計画では、十一年ぶりに折半対象財源不足が解消され、臨時財政対策債も約七千三百億円減りました。しかし、引き続き、四兆四千億円を超える財源不足が生じています。
これらを解消するために、地方交付税の法定率引上げなど、特例措置に依存しない、持続可能な制度を構築する考えはないか、総理に伺います。
今回の幼児教育無償化に関し、全国市長会は、政策形成過程において地方側との協議がなかったことはまことに遺憾であり、今後の地方に関する政策立案の際には十分に地方の意見を尊重し、合意形成の上で政策を遂行するよう要望すると表明されています。
今回、これだけ大きな地方財政に影響を与える政策決定において、なぜ十分な協議を行わなかったのか。今後どのように協議を行っていくのか、総務大臣にお聞きします。
今回の地方税法等改正で、ふるさと納税は総務大臣が指定する地方団体のみ可能となりますが、総務大臣が指定する際の基準の制定や改廃、さらには地方団体の指定や取消しを行う場合に地方団体の意見を聴取する機会があるのでしょうか。
また、返礼品を地場産品に限定することにより、豊富な特産物を持つ自治体とそうでない自治体の間に格差が生じるおそれがあります。どのような対策を考えているのか、総務大臣にお聞きします。
今回大幅に見直される車体課税は、自動車の取得、保有、利用の各段階で課税が行われますが、今後普及が見込まれるカーシェアリングは車の所有者と利用者が異なる状況も想定され、電気自動車はガソリンを消費しないため燃料課税は適しません。排気量ではなく走行距離に応じた課税なども一部報道にありましたが、今後、中長期的視点に立って、車体課税、燃料課税のあり方についてどのように考えるのか、総務大臣の見解を求めます。
森林環境税・譲与税について伺います。
今、日本の森林は、保水力を失い、危機的状況にあります。その最大の要因は、戦後、拡大造林政策により天然林を伐採し、植えられた杉、ヒノキの人工林が放置され続け、荒廃していることです。
放置された人工林は、保水力が低下し、昨年の西日本豪雨災害や北海道胆振東部地震でも土砂崩れの大きな原因となりました。熊などの野生動物が、山で生きられなくなって、里へ出てきて捕殺される事例も相次いでいます。農家の被害は深刻ですが、動物たちも放置人工林の被害者です。さらに、国民の三割が杉、ヒノキの花粉症に悩まされているという弊害もあります。
今回の森林環境税・譲与税を活用し、放置人工林を保水力豊かな天然林に戻すことを進めるべきと考えますが、総理の見解を伺います。
特別法人事業税・譲与税について伺います。
今回、偏在是正措置として特別法人事業税・譲与税を創設することとしていますが、税制だけでなく、税源が大都市部に集中する社会構造そのものを変えない限り、根本的な解決にはなりません。東京一極集中を始めとする偏在の是正に総理はどのように取り組むつもりか、見解を求めます。
今、国会改革が叫ばれています。確かに、総理や大臣の国会への出席時間なども検討はすべきでしょう。タブレットも持ち込めるようにしましょう。しかし、まず真っ先にやらなければならないのは、後刻理事会で協議します、国会のことは国会でお決めになることといった、事実上国会の熟議を封殺する、極めて形式的な決まり文句をやめることです。
国会の重要な役割は、言うまでもなく、立法と行政の監視です。しかし、政府と与党が完全に一心同体の今の状態では、国会の監視機能は果たせません。国会の存在意義がありません。国会の自殺行為です。
与野党を超えて、胸襟を開いて、真の国会改革ができるように、皆さん、力を合わせようではありませんか。
私たち国会議員が背負っているのは、政党でも、ましてや政権でもない、国民一人一人である、その当たり前のことを我々は改めて肝に銘ずることを強く申し上げて、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕