篠原豪の発言 (本会議)

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○篠原豪君 立憲民主党の篠原豪です。
 ただいま議題となりました特定防衛調達に係る国庫債務負担行為により支出すべき年限に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、立憲民主党・無所属フォーラムを代表して質問をさせていただきます。(拍手)
 質問の前に、一言申し上げます。
 昨日、参議院の予算委員会での、声を荒らげてという横畠内閣法制局長官の発言について申し上げます。
 法の番人たる内閣法制局長官が、声を荒らげたかどうかで法の解釈をするなど、もってのほかであり、看過できない政治的発言です。謝罪と撤回で済む話ではないと考えており、また、憲法違反と言われる安保法制を推進した張本人でもある横畠長官は潔く内閣法制局長官の職を辞すべきであると強く申し上げます。
 また、昨日、籠池理事長が大阪地裁で国策裁判だと主張したとのニュースが流れていましたが、その森友学園問題では、役人にとって一文の得にもならない公文書の改ざんを、エリート官僚中のエリートである財務省の官僚がみずからそんたくをし、実行しています。その改ざんされた、うその事実に基づいて、国会は一年以上も審議を強いられているという議会制民主主義の危機を経験しています。
 この問題は、値引きの根拠としたうその穴の写真が、実態が明らかになるなど……(発言する者あり)いいですか、疑惑は深まるばかりで、何も終わっていないのです。
 そして、官僚機構を統括する政治家は、誰も責任をとらず、曖昧なまま事件の幕を引こうとしていたやさき、またしても、国家経営の土台をなす国の統計で不正が発覚しました。
 しかし、その統計不正を解明する過程で、安倍政権に都合のいい数字が出てくるよう統計手法が変更されたことに首相官邸の関与を疑わせる関係者の動きが次々と明らかになりながら、これまで同様、政治の責任を不問にしようとしています。
 不正の当事者でもある厚労省は、裁量労働制に関する労働時間の調査でも不正を繰り返したばかりです。一体、何回繰り返すのか。
 肝心の政治の責任に向き合おうとしない安倍政権のきわめつきは、普天間基地の移設の問題に対する態度であります。
 先月、二月二十四日の沖縄県民投票で、名護市辺野古周辺の沿岸部の埋立てへの反対票が七二%という圧倒的な多数を獲得した翌日、政府は平然と埋立工事を続行し、首相は投票結果を無視する姿勢を鮮明にいたしました。こんなことが民主主義の我が国日本で許されるはずがありません。
 安倍首相のこうした政治手法は民主主義とは全く相入れないものであり、断固抗議をし、速やかに沖縄県民の皆さんの思いに力ではなく思いやりで接するよう要求をいたします。
 さて、岩屋防衛大臣にお伺いいたします。
 装備品調達の経費の削減について伺います。
 二〇一五年に施行された本法律につきましては、これまで七件の長期契約がなされた結果、約七百八十七億円の調達経費縮減効果があり、割合にして約一三%安くすることができたということは先ほどの答弁にもありました。
 しかし、これを額面どおり受け取れるならば、長期契約を肯定的に評価するにやぶさかではありませんが、防衛装備品の製造に係る価格の算定は原価計算方式でなされているので、防衛省の裁量が入る余地が否定できません。したがって、この七百八十七億円にどれほどの客観性があるのか、疑問を抱くのは当然だと考えています。
 積算の見えない、政府はこの疑問にどのように答えられるのか、お示しいただきたいと存じます。
 そして、二〇一九年度予算案で取り上げられているPAC3ミサイルの部品及びE2Dは、改正案が成立すればすぐ適用される案件でありますが、それぞれの縮減効果の根拠として示されている価格の算定根拠もお示しください。
 また、二〇一五年四月に本法律を制定した一因として、二〇一三年度まで一兆八千億円前後で推移してきた新規後年度負担額が、翌二〇一四年度に二兆円を上回った事実があると考えます。残念ながら、その額は、今年度予算では何と二兆四千十三億円になっている。長期契約による縮減効果があったとは必ずしも言えない現状になっています。
 そもそも長期契約は、後年度負担をふやし、財政を硬直化させる側面があります。このように新規後年度負担増がある様子を見る限り、長期契約による縮減の効果の意味はないと考えますが、政府はどのように考えているのか、お示しください。
 さて、本法律施行の背景には、購入兵器が近年高額化しているという事情があります。それが今後も継続していくのが明らかである以上、本法律の期限を延長し、引き続き兵器調達費用を縮減していくことで、調達費の一定の縮減効果はあるとしたにせよ、その一方で、長期に契約することで、購入兵器が将来の技術革新によって陳腐化をし、十年後には、受け取っても使えない兵器になっている危険性があります。
 さらには、これから十年の長期契約をすると、安倍政権の次の政権の防衛政策も実質的に縛る結果になり、財政民主主義上、好ましくありません。
 つまり、縮減効果を評価するには、長期契約のマイナス効果と比較考量する必要がありますが、政府はどのようにこの矛盾に答えられるのか、お聞きをしたいと思います。
 さて、防衛省が取り組んでいる装備品等の調達効率化の取組は、長期契約による装備品のまとめ買いだけではありません。
 近年、防衛装備品の維持費が装備の高度化と長寿命化によって高騰する傾向にあり、その防衛関係費における構成比が、平成以前には一〇%程度でありました。平成に入ると大きく超えて、二〇一八年現在、防衛関係費は、一七・三%を占めるまでになりました。
 そのため、防衛省は、二〇一三年にいわゆるPBL契約を導入するなど、効率的な維持整備に取り組みましたが、依然として維持費の増加傾向は変わっていません。
 つまり、長期契約同様、結果が見えないわけですが、増加傾向が続くことについてどのように答えるのか、政府のお考えをお聞きしたいと思います。
 さらに、防衛省は、民生品の使用や装備品の仕様を見直すなど、コスト抑制を図った結果、二〇一四年度、約六百六十億円の削減をなし遂げたとしていますが、一般物件費と歳出化経費の総額が減る兆しは見られません。PBL契約と同様に、増加し続けることへの疑問を持つわけですけれども、政府の答弁をお聞きしたいと思います。
 私から指摘したいのは、防衛省が装備品調達の効率化を図っても、それが装備品調達全体から見れば極めて微々たる額で、長期契約で問題になる防衛予算の硬直化の緩和にまで至らないというのは、そもそも、防衛装備品の製造を請け負える企業が限られているからであり、競争原理が働きにくいという防衛産業の構造的な問題があると考えます。
 例えば、C2輸送機の場合は、二〇一一年度の購入単価は百六十六億円でした。二〇一八年度は、その百六十六億円が二百三十六億円になっていて、四割以上の値上げになっています。
 欧米では防衛産業が再編によって集約される中、日本では再編がおくれ、高コスト化につながっているとの指摘があります。
 つまり、防衛装備品の調達費用を抜本的に削減するためには防衛産業の構造的な再編が必要になってくるのだと考えますが、政府としてはどのような議論をしているのか、御説明願いたいと思います。
 さらに、長期契約には防衛産業の経営安定化に資する効果があるとされていますが、現状を肯定することで、反対に、産業構造の再編にはマイナスの効果になることもあり得ると考えます。この点もどのように評価されているのか、お聞かせください。
 次に、財政規律を無視した防衛予算の膨張の問題についてお伺いします。
 今年度から実施されている中期防では、計画の実施に必要な防衛整備費は、二〇一八年度価格でおおむね二十七兆四千七百億円程度を目途とするとされていますが、長期契約を含む装備品の効率的な取得などを通じて、各年度の予算編成に伴う防衛関係費は、おおむね二十五兆五千億円程度を目途とすると明記されています。
 そこで、この二兆円の縮減をどのような方法で達成をする予定であるのか、それぞれの手段の縮減額を示しながら、具体的にお答えください。
 新中期防衛計画では防衛費の伸び率が、これまでの計画の〇・八%を上回る、年一・一%になるので、第二次安倍政権発足後、七年連続で増加した防衛費が今後も過去最大を更新し続けるということは明らかだと考えています。
 つまり、二兆円の縮減効果があろうとなかろうと、防衛予算は過去最大を更新し続けるということをどのように考えていくのか、そしてまた、近い将来、防衛予算を削減する考えがあるかどうかをお伺いいたします。
 財政法上の問題をお伺いします。
 安倍政権では、当初予算と同時編成される前年度補正予算に、本来当初予算に計上されるべき一部経費を振り分ける、ひどい手法が常態化しています。
 財政法二十九条により、本来は補正予算に防衛装備費が計上されることは想定しがたいことなんですけれども、安倍政権は、二〇一八年に策定される中期防衛力整備計画に盛り込む方向であったイージス・アショアの導入に関する米国からの各種情報等の取得経費を、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射を理由に、あえて前倒しし、二〇一七年度補正予算に計上しました。
 しかし、一昨年度、北朝鮮によるミサイル脅威とは、米国に届く大陸間弾道弾が開発されたことに起因するものであり、日本に対するミサイルの脅威は、既に九〇年代のノドンのミサイル実戦配備から始まっているものです。
 つまり、緊急性がないにもかかわらず、補正予算を利用してまで防衛予算を膨張させるやり方は、単年度主義の財政規律を乱し、国会が財政をコントロールすることを無意味にすることと考えますが、このような違法性の強い手法を改める意思があるのかどうか、お伺いをいたします。
 最後に、FMSについて伺います。
 安倍政権は、輸送機オスプレイや陸上配備型迎撃イージスシステム、イージス・アショアなど、米国政府のFMS、有償軍事援助に基づく輸入を急増させています。
 二〇一四年度の予算では千九百六億円だった調達額、契約ベースですが、二〇一八年度で四千百二億円に倍増し、今では、今年度の予算案では、過去最大の七千十三億円に急速に膨張しています。
 この防衛調達を急速に膨張させている最大の原因はFMSと言って過言ではありませんけれども、このFMSは、米国が価格や納期に主導権を持ち、代金は前払いで、米国の言い値で購入することが多いことが問題となっているものです。
 こういう状況の中で、果たしてFMSに長期契約を適用し、装備費用を削減することが本当にできるのか、これは疑問ですので、この疑問に対してどのように政府としてお答えになるのか、お示しください。
 また、今年度予算案では、FMSで購入するE2Dが初めて長期契約の対象になっています。どのような背景でこれが可能になったのか、理由をお答えください。
 さらに、FMSに長期契約を適用することは、国内産業を保護する目的と矛盾すると考えますが、政府はその点をどのように考えているのか、お答えください。
 さて、今回の特定防衛調達に係る長期契約の削減効果は余りにも微々たるもので、長期契約による防衛予算の硬直化を緩和させるには至っていません。さらに、防衛予算が毎年史上最高を記録している現状を見ると、その削減額だけ翌年度の防衛装備品の歳出化経費の総額を低く見せることに役立っているという現状があるのではないでしょうか。この意味で、長期契約によるメリットはデメリットを上回るまでには至っていないのではないかという感想を最後に表明し、質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣岩屋毅君登壇〕

発言情報

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発言者: 篠原豪

speaker_id: 9650

日付: 2019-03-07

院: 衆議院

会議名: 本会議