柴山昌彦の発言 (本会議)
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○国務大臣(柴山昌彦君) 宮川議員からのお尋ねにお答えいたします。
最初に、大学等における修学の支援に関する法律案の提出に至った経緯と私の決意についてお尋ねがありました。
高等教育については、全世帯の進学率は約八割であるのに対して、住民税非課税世帯では四割程度と推計しており、経済状況が困難な家庭の子供ほど大学等への進学率が低い状況にあります。また、最終学歴によって平均賃金が異なる状況にあります。
今回の高等教育費の負担軽減は、こうしたことを踏まえ、低所得者世帯であっても、社会で自立し、活躍することができる人材を育成する大学等に修学することができるよう、真に支援を必要とする者に対して授業料等減免と給付型奨学金の支給をあわせて行うことで、経済的負担の軽減を図り、我が国における急速な少子化の進展に対処するものです。また、低所得者世帯の進学率の向上は、所得格差の固定化の解消にも意義があると考えております。
大学等の教育の質の向上に向けた改革とあわせて、この新たな支援措置を二〇二〇年四月から確実に実施し、家庭の経済事情にかかわらず、みずからの意欲と努力によって明るい未来をつかむことができる社会の実現を目指してまいります。
次に、高校の先生方への奨学金の意義等の情報発信のお尋ねでありますが、奨学金の意義や新たな支援制度などについて、大学等への進学の進路指導を行う高校の先生方に正しく理解していただくことは大変重要であると認識しています。
新たな支援制度では、大学等への進学前の明確な進路意識や強い学びの意欲と大学等への進学後の十分な学習状況の双方をしっかりと見きわめた上で支援を行うこととしております。
特に、支援対象者については、高校在学時の成績だけで否定的な判断をせず、レポートや面談等により本人の学習意欲や進学目的を確認することとしております。
文部科学省としては、この新制度を含む奨学金制度の趣旨や最新の状況について、通知や各種会議での説明を通して高校関係者への周知に努めているところです。
これまで家庭の経済事情から進学を断念せざるを得なかった生徒にも進学の道を開く新制度について、高校関係者に十分に御理解をいただけるよう、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
次に、就職する者との公平性のお尋ねでありますが、高等教育の無償化については、経済状況が困難な家庭の子供ほど大学等への進学率が低い状況にあることや、御指摘のように、大学等に進学せずに、働いてみずから生計を立てる者との公平性などを踏まえ、真に支援が必要と考えられる低所得者世帯に限って実施することとしております。
また、進学前の明確な進路意識と強い学びの意欲や進学後の十分な学習状況をしっかりと見きわめた上で、学生に対して支援を行うこととしており、特に、大学等への進学後は、その学習状況について厳しい要件を課し、これに満たない場合には支援を打ち切ることとしております。
こうした仕組みにより、支援を受けた学生が大学等でしっかり学んだ上で、社会で自立し、活躍できるようになることを通じて、公費を投じる本施策の効果が社会に還元されていくことを目指してまいります。
次に、教育の質保証やガバナンス改革などの大学改革の具体的方策に関するお尋ねでありますが、今後、より一層少子高齢化やグローバル化が進展する社会において、ソサエティー五・〇に向けた人材育成やイノベーション創出の基盤となる大学等の改革は急務であると考えております。
そのため、高等教育・研究機関の取組、成果に応じた手厚い支援と厳格な評価を車の両輪として徹底することにより、教育、研究、ガバナンス改革を、ばらばらではなく一体的に進めるため、高等教育・研究改革イニシアティブ(柴山イニシアティブ)として二月一日に発表させていただきました。
この改革を実行するため、学校教育法等の一部を改正する法律案においては、大学等の認証評価において、基準に適合しているか否かの認定を行うことを義務づけること、一つの国立大学法人が複数の大学を設置する場合などに、大学の判断により経営と教学の分離を行えるようにすること、学校法人における役員の職務及び責任に関する規定を整備するなどのガバナンス改革を図ることなどを規定しています。
文部科学省においては、世界を牽引するトップ大学群と地域や専門分野をリードする大学群を形成するとともに、最前線で活躍する研究者や次代を担う学生の活躍を促進するなど、大学改革に引き続き取り組んでまいります。
次に、大学の連携、統合とリカレント教育のお尋ねでありますが、今後の大学改革を進めるに当たって、社会のさまざまな資源の投入、活用による連携、統合を促進することや、学生がしっかりと学べる、成長が見える、得た力を社会で生かせる教育を目指すことは重要です。
そこで、本年二月に取りまとめた高等教育・研究改革イニシアティブに基づき、各大学等の人的、物的リソースの強みを生かした連携、統合を推進するため、国公私立の設置形態にかかわらず連携を可能とする制度として大学等連携推進法人(仮称)の創設、社会人の多様な学習形態に対応した学び直しを可能とするため、関係省庁と連携しつつ、社会人向けプログラムの新規開発、拡充や社会人学習者への支援等に取り組んでまいります。
次に、学校法人のガバナンス改革のお尋ねでありますが、私立大学は、独自の建学の精神に基づき、個性豊かな教育研究活動を展開するとともに、在学者数が全学生の約七割を占めるなど、質、量両面にわたって我が国の高等教育において重要な役割を果たしております。
この私立大学が社会からの信頼と支援を得て重要な役割を果たし続けるためには、自律的で意欲的なガバナンスの強化や法人経営の強化が必要です。
このため、本法案においては、学校法人や第三者に対する損害賠償責任を始めとする役員の責任の明確化、理事の行為の差止め請求を始めとする監事機能の充実等の改正を通じ、ガバナンスの強化を図ることとしております。
今後、学校法人において、理事長の適切なリーダーシップの発揮はもとより、理事会、監事、評議員会がそれぞれの役割をしっかり果たすことができるような取組を進め、運営基盤の強化及び私立大学の教育の質向上が図られるよう取り組んでまいります。(拍手)
〔国務大臣麻生太郎君登壇〕