小宮山泰子の発言 (本会議)

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○小宮山泰子君 国民民主党の小宮山泰子です。
 私は、国民民主党・無所属クラブを代表して、ただいま提案されました建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
 冒頭、昨日、今上陛下の御譲位と皇太子殿下の御即位に伴う本年五月一日の改元に向け、新元号、令和が発表されましたことに鑑み、一言申し上げます。
 新元号が国民の生活の中に深く根づき、令和の時代が平和と繁栄の時代となることを望むとともに、御即位に伴う諸行事がつつがなくとり行われ、国民のみならず世界じゅうの人々がことほぐものとなることを祈念申し上げます。
 それでは、質問に移ります。
 まずは、今後の審議に当たり、国家の信用、さまざまな制度の信頼性を揺るがす、いわゆる統計不正問題を踏まえ、大前提として確認しておきたいと思います。
 厚生労働省に端を発したものの、その後の一斉点検の結果、国土交通省においても不適切な事例が見つかりました。
 本法案に関しても、政府の各種調査統計データが用いられることとなりますが、前提となるデータが本当に正しいものなのかどうか、審議の前に確認する必要があります。
 毎月勤労統計の不適切調査判明後、政府が重要と位置づける基幹統計に関する総務省の点検の結果、国土交通省では、建築工事統計の二〇一七年度の施工高において、十五・二兆円から十三・六兆円へと一・六兆円も下方修正されており、再発防止策が問われております。
 公文書改ざん、統計不正など、政府の信頼が失墜する中、本法案は国土交通省として重要政策の一つと位置づけられていると思いますが、審議に当たり、改めて、統計、データの大切さについて、また、万が一にも不正が発覚した場合の対応について、国土交通大臣の決意とともにお聞かせください。
 さて、近年、地球温暖化対策をめぐる世界の情勢は大きく変化しています。
 二〇一五年、京都議定書にかわる新たな温室効果ガス排出削減のための国際的な枠組みとしてパリ協定が採択されることを踏まえ、地球温暖化対策計画が策定され、二〇三〇年度の温室効果ガス排出量を二〇一三年度と比較して二六%削減する中期目標が掲げられました。
 温室効果ガス排出量の約三割を占める住宅・建築物分野については、二〇三〇年度の温室効果ガス排出量を二〇一三年度との比較で約四割削減することが求められており、戸建て住宅、マンション、オフィスビルなど、建築物の規模や用途、特性に応じて省エネ対策を進めることが喫緊の課題となっております。
 一方で、省エネ対策を進めるに当たっては、さまざまな不安や問題点も指摘されております。中小・小規模事業者からは、制度見直しに、技術面あるいは資金面で十分対応できるか不安だとも指摘されており、個人宅にお住まいの方からは、費用がかかり難しいという声も耳にいたします。
 省エネ対策に関する制度設計や運用に当たっての政府の検討や準備は十分なものと言えるのでしょうか。国交大臣に認識をお答えいただきたいと思います。
 ポーランドで開催されたCOP24で、原田環境大臣は声明で、日本はGHG排出量を四年連続で削減してきた、二〇三〇年度二六%削減目標に向けた対策を着実に実施する、地球温暖化対策と経済成長を両立させながら、二〇五〇年度までに八〇%の温室効果ガスの排出削減を目指す、成長戦略として、パリ協定に基づく長期戦略を策定する、自動車や住宅、ビルを含め、あらゆる分野の脱炭素化を実現するため、イノベーション創出とグリーンファイナンスを活性化させ、ESG金融を主流化する、パリ協定の目標達成のためには今すぐ行動に移す必要がありますなどと表明され、日本のパリ協定におけるCO2削減活動が進んでいるとした上で、車両、住宅、非住宅のビルを示して、脱炭素化のため、ESG投資を主流化していくと表明されております。
 住宅の断熱性能の義務化の流れは、京都議定書でスタートしたCO2排出量等削減による気候変動対策から始まっています。その後、パリ協定を踏まえて更に追加の省エネ対策が必要となるなど、住宅の省エネ基準の義務化は国際条約案件となっています。
 しかし、日本の住宅省エネ基準は昭和五十年代のオイルショックに端を発しており、後の法改正後も旧態然とした基準にとどまるとの指摘もあります。当初から住宅への完全義務化を行わなかったことが今後の気候変動対策にどのように影響していくと考えるのか、環境大臣に見解を伺います。
 省エネ基準への適合について、義務の対象を拡大することで、対象建築物の数は年間約三千棟から約一万七千棟と六倍近く増加いたします。都市部のみならず、地方の建築物も対象となると考えられ、申請者側、審査する側双方の業務負担が大幅に増大することとなり、現場では、審査の遅延など混乱が生じるのではないかとの懸念が持たれております。
 また、冒頭触れたとおり、各種データの正確性が重要であり、不正対策強化も課題となります。検査等の業務について、負担がふえることは間違いありません。人手不足や人員削減の波にさらされている所管行政や市町村、また関係企業などにおいて、人件費の増加のみならず、職員への負担が増すなども予想されます。
 また、本件監督のため、監督官庁や関連団体のポストや権益の増加につながることも懸念されます。
 負担増が予想される中、関係者がよりスムースに作業、対応を実行できるような具体的な方策について、また、ポストや権益がふえ、いわゆる焼け太りにならないかとの懸念に対して、国土交通大臣からの明確な御答弁をお願いいたします。
 さて、日本の住宅建築では、元来、開口部を広くとるなどして、通気性、空気の流動性を高くとり、単に室温に着目するのではなく、湿度も含めて、過ごしやすさ、心地よさを実現することも重視されてきました。日本の建築文化の基本と捉えてもよいと思いますが、省エネ基準の義務化が進んでいくことで、窓などの開口部はより小さくなるなど、変質していくことも懸念されております。
 石場建て、土壁などによる伝統的構法の住宅は、省エネ基準への適合が困難な面もあるため、一定の配慮が必要となります。伝統的構法を選択することもできる道を閉ざさないよう、可能な限り柔軟な対応のもと進めていくことをお願いいたしたいと思います。
 省エネ住宅として気密性ばかりを追求するのではなく、風通しのよい日本建築のよさを失わないことも大切にしていただきたいと思いますが、大臣の見解をお聞かせください。
 省エネ対策には、坪庭など植栽や緑化も有効な手段です。機器や設備の省エネ機能とともに、植栽や緑化も進めることにより、さらなる効果が得られ、見た目にもきれいで快適な空間が広がります。言うなればソフトとハードの両面で進めることが重要だと思いますが、国土交通大臣のお考えを伺います。
 今回、主に新築の建築物を対象とした改正内容となりますが、膨大な数の既存ストックが存在しております。新築のみならず既存建築物の省エネ対策も進めることによって初めて、横断的な効果が得られると考えます。
 既存建築物の省エネ性能を向上させるには、新築時における省エネ性能向上のための措置に比べて一般的に高コストになるなど、さまざまな課題があります。既存建築物の省エネ性能の向上に対して今後どのように取り組んでいくのか、国土交通大臣、お答えください。
 省エネ住宅、超省エネ住宅、外断熱住宅、無暖房住宅、パッシブハウス、ソーラーハウス、スリーリッターハウスなど、省エネ住宅としてさまざまな呼称が使われております。名前だけでは、どれがどのように省エネルギーなのかわかりません。EU全土で義務化されている、家の燃費を表示する証明書、エネルギーパスが日本にはございません。
 EUでは、一年を通して快適な室内温度を保つために必要なエネルギー量が、床面積一平方メートル当たり、どれだけ、何キロワットアワー必要か数値化され、賃貸契約や売買契約時の指標の一つともなっています。エネルギーパスを導入したことで、居住者はもとより、より快適で光熱費のかからない家を求める基準が明確になり、省エネ住宅の普及につながりました。
 EUのようなスマートパス制度の導入が省エネ住宅普及に有効な手段だと考えますが、国土交通大臣の御所見をお聞かせください。
 住宅・建築物分野の省エネ対策を進めることは喫緊の問題ですが、運用面での課題も数多くあり、不安視する声も少なくありません。実際の現場における運用が適切に行われて初めて、本来の効果が発揮されます。政府には、特に、現場の関係者の声によく耳を傾けながら、運用面について不断の検討を行うことを強く求めます。
 さて、本日は、国連の定めた世界自閉症啓発デーです。また、本日から八日まで、発達障害啓発週間でもあります。この期間、東京タワー、私の地元川越市では最明寺など、世界各地のランドマークが癒やしや希望を示す青色でライトアップされるなど、世界各地でさまざまな啓発イベントが行われます。
 国民民主党は、一人一人がかけがえのない個人として尊重され、多様な価値観や生き方を認め合いながら、ともに生きていく国を育んでいくことを申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣石井啓一君登壇〕

発言情報

speech_id: 119805254X01520190402_010

発言者: 小宮山泰子

speaker_id: 23753

日付: 2019-04-02

院: 衆議院

会議名: 本会議