石井啓一の発言 (本会議)
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○国務大臣(石井啓一君) 小宮山泰子議員にお答えをいたします。
法案の策定等に当たって用いられている統計やデータの重要性についてお尋ねがありました。
施策の立案や推進等に当たり、適切な統計、データを用いることは、言うまでもなく極めて重要であります。
今般の毎月勤労統計における不適切事案を契機といたしました基幹統計の点検において、国土交通省所管の統計でも是正すべき課題があったことは、極めて遺憾であります。
国土交通省といたしましては、こうした事態が再発することのないよう、統計、データの適切さの確保を徹底していく所存であります。
今回の法案の検討に活用いたしました省エネ基準への適合率などのデータにつきましては、社会資本整備審議会等に調査のプロセスも含めてお示しした上で議論をいただくなど、データの適切さの確保には細心の注意を払っております。
また、今回の法案に盛り込まれた施策は、今後把握等されるデータを踏まえて推進、検証していくこととなりますが、こうしたデータにつきましても、適切さの確保に万全を期していく所存であります。
本法案に盛り込まれた施策に関する検討や準備の状況についてお尋ねがございました。
住宅・建築物の省エネ対策は、御指摘のとおり、中小の住宅生産者等の事業者に与える影響や消費者に与える影響などを的確に把握しながら検討を進めることが重要と考えております。
このため、本法案の検討に当たりましては、住宅・建築物の省エネ基準への適合の状況を事業者の特性別に把握するとともに、中小工務店等の御意見をヒアリングする等によりまして、関連する事業者に与える影響を把握しております。
また、消費者に対する影響につきましても、住宅の省エネ性能の向上に必要となるコストの試算等を行うとともに、消費者の省エネに対する意識等に関するアンケート調査を行う等により把握をしております。
社会資本整備審議会におきましても、こうした情報を踏まえた議論が行われており、本法案は、事業者や消費者に与える影響を的確に勘案した内容となっていると考えております。
また、本法案に盛り込まれた施策の円滑な施行に向けまして、関連事業者に対する講習会の開催等によりこれらの施策に関する周知の徹底を進めるとともに、これらの施策の推進に当たりましても、関連事業者や消費者に与える影響を的確に把握しながら円滑な運用に努めてまいります。
適合義務制度の対象拡大に伴う関係者への負担や国の役割への影響に関してお尋ねがありました。
適合義務制度の対象拡充等に当たりましては、関連事業者や審査を担う機関に過大な負担を与え、現場が混乱することがないようにすることが重要と考えております。
本法案により新たに適合義務制度の対象とする中規模建築物は、既に届出義務制度の対象であるため、関連事業者の負担を大幅に増加するものではないと考えておりますが、講習会の開催等による周知徹底等を進め、申請手続の円滑な実施を図ってまいります。
また、適合義務制度の審査については、事務の中心となる民間の省エネ判定機関に対するアンケート結果を踏まえれば、本規制の施行までの二年間において必要な体制の整備が整う見込みでありますが、各機関の準備状況等のフォローアップや必要な調整等を適切に行ってまいります。
なお、審査を担う省エネ判定機関については、既存の民間機関が中心となると考えられることから、本改正案は、こうした民間機関を監督する国の役割の範囲に大きな影響を与えるものではないと考えております。
風通しのいい日本の伝統的構法による住宅のよさへの配慮についてお尋ねがありました。
土塗り壁や大きな開口部が一般的な伝統的構法による住宅は、断熱材の施工が困難であること等により、高い断熱性を確保することが難しい面があります。
このため、現行の届出義務制度では、所管行政庁が認める場合に、壁や窓などの断熱性能に関する基準を適用除外とするなど、伝統的構法による住宅の供給に配慮をしているところであります。
本法案では、小規模住宅等に係る建築士から建築主への説明義務制度の創設を盛り込んでおりますが、本制度でも同様の緩和措置を適用するとともに、所管行政庁による運用が円滑に進むよう、対象とする住宅の仕様を例示すること等を検討しております。
これらの措置を通じまして、日本の伝統的構法による住宅の供給と省エネ性能の向上の両立を図ってまいります。
住宅・建築物の省エネ性能の向上等に向けた緑化の重要性についてお尋ねがありました。
住宅・建築物の省エネ性能の向上を進めることにあわせて、建物の状況等を踏まえて周辺の緑化を進めることは、例えば、落葉樹を植樹することにより、夏季において、日射の室内への流入を抑制することを通じて、冷房に係るエネルギー消費を抑制する効果があると認識をしております。
また、建物周辺の緑化は、居住者や利用者にとって快適で豊かな環境の提供にもつながるものと考えております。
本法案に盛り込んだ施策の円滑な推進に向け、関連事業者等に対する住宅・建築物の省エネ対策に関する講習会を実施していくことを予定しておりますが、こうした機会を活用いたしまして、建物周辺の緑化を進めることの効果につきましても周知を進めていきたいと考えております。
既存の住宅・建築物の省エネ対策についてお尋ねがありました。
省エネ対策の推進につきましては、新築の住宅・建築物に係る対策とあわせて、既存ストックに係る対策を推進することが重要と考えております。
本法案は、新築の住宅・建築物の省エネ性能を向上させるための措置を中心としておりますが、既存建築物の一定規模以上の増築、改築につきましても、適合義務制度、届出義務制度及び説明義務制度の対象としているところであります。
また、既存ストックの省エネ性能の向上を図るため、省エネリフォームに対する税制及び財政上の支援を推進しており、今年度は、次世代住宅ポイント制度の実施や木造住宅の省エネリフォームに対する財政上の支援の充実を行うこととしております。
今後も、新築の住宅・建築物の省エネ対策の推進とあわせて、既存ストックに係る省エネ対策も推進をしてまいります。
欧州連合加盟国で行われております住宅の賃貸時や販売時における省エネ性能に係る情報提供の義務づけについてお尋ねがありました。
欧州連合加盟国では、住宅の賃貸時や販売時において、借り主や買い主に対して住宅の省エネ性能に係る情報を提供することが義務づけられているものと承知をしております。
住宅の省エネ性能の向上に向けて、住宅の流通段階においても、当該住宅の省エネ性能に係る情報の提供を通じて、高い省エネ性能を有する住宅が市場で高く評価されるような環境整備を図ることは重要と考えております。
しかしながら、現段階では、新築時における省エネ性能の評価が行われていない物件も多数存在することもあり、流通時に省エネ性能の評価、説明を義務づけることは、評価コストの負担等の課題があり、慎重な検討が必要と考えております。
このため、まずは新築時における省エネ性能の評価を普及させることが重要と考えており、本法案に盛り込まれた説明義務制度を適切に推進していくことによりまして、着実にその普及を図っていきたいと考えております。(拍手)
〔国務大臣原田義昭君登壇〕