塩川鉄也の発言 (本会議)
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○塩川鉄也君 私は、日本共産党を代表して、子ども・子育て支援法改正案に反対の討論を行います。(拍手)
第一に、本法案は消費税増税を発端としたものです。
安倍総理は、総選挙を前にした二〇一七年九月、消費税一〇%増税の使途変更を理由に、幼児教育の無償化を持ち出し、解散・総選挙の口実としました。消費税は低所得者ほど負担が重くなる逆進性を持つ税であることは、総理自身認めています。保育料は既に所得に応じて段階的になっており、住民税非課税の一人親世帯などでは保育料は免除されています。このような世帯では、無償化による恩恵はなく、消費税増税分が重くのしかかるだけであります。消費税増税を財源にすることで低所得者層へ重い負担を押しつけることは認められません。
第二に、幼児教育の無償化措置は、教育、子育ての切実な願いを逆手にとり、増税と引きかえに、総理の一言で、まさに党略的に決められたものであります。
質疑の中で内閣府が検討の場はなかったと答弁したように、制度としての十分な検討が行われたものではありません。だから、経過措置期間の五年間は、保育士が一人もいないような施設も給付対象とし、是正すべき指導監督基準以下の施設を容認するなど、制度として矛盾だらけです。
認可外保育施設への児童福祉法に基づく立入調査は、現在でも六八%しか行われておりません。無償化によって調査対象は一・七倍にふえます。これに対し、厚労省は巡回支援指導員をふやすと言いますが、巡回支援指導員は児童福祉法に基づく指導監督を代替できるものではありません。このことは厚労省も認めざるを得ませんでした。指導監督体制の強化なしに、安心、安全な保育を保障することはできません。
また、法案は、これまで保育料に含まれていた三から五歳児の給食おかず費を施設側に徴収させることとしています。保育の一環である給食の費用は公費で負担すべきであり、給食費の実費化は公的保育制度を後退させるものです。
第三に、公立保育所を更に減らし、問題が相次ぐ企業主導型保育事業を拡大させようとしていることです。
公立保育所数は、地方行革の押しつけ、運営費、整備費の一般財源化によって、この二十年間で三割も減少しています。今回の無償化措置は、私立保育所には国から二分の一補助が出るのに比べ、公立保育所は市町村の十割負担です。公立保育所の廃止、民営化を一層加速させることは明らかです。
一方、この間、急拡大してきた企業主導型保育は、突然の閉園や助成金の不正受給、七五%の施設で基準違反が見つかるなど、問題が相次いでいます。助成決定を行う児童育成協会の審査で、現地確認は、約二千六百施設のうち、わずか六件です。審査はたった五人で年三回の会議で行うというのが実態です。慎重な審査が行われているとは到底言えません。
企業主導型保育は、仕組み上、認可施設にならない施設であると内閣府も認めました。にもかかわらず、政府は、子育て安心プランで、企業主導型保育を待機児童の受皿として組み込み、推進してきました。企業主導型保育を今回の無償化の対象とすることによって、市町村が設置、監査に関与せず、認可基準以下で整備、運営ができる企業主導型保育が拡大するのは目に見えています。
公立保育所を減らし、企業主導型をふやすことが何をもたらすのか。結局、認可保育所による、自治体の保育実施義務に支えられた公的保育制度を大きく後退させるだけではありませんか。断じて認められません。
最後に、緊急にやるべきは、待機児童解消であり、そのための公立を含む認可保育所の増設と保育士の抜本的な処遇改善です。
政府の対応は、保育の受皿整備は問題だらけの企業主導型を推進するだけ、保育士不足の要因である低賃金、長時間・過密労働の実態調査すら行っていませんでした。これでどうして保育士の処遇改善ができるでしょうか。
保護者と保育関係者の安心、安全な保育をという願いに応えるためには、保育の質、量の確保をしながら、保護者の負担軽減を進めるべきことを強調し、討論を終わります。(拍手)